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シドニー発豪ドル見通し(1September2015)

 

”シドニー発豪ドル見通し”(毎週月曜アップデート)

(米ドル円日足)

(豪ドル米ドル日足)

(豪ドル円日足)

 

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在Junax Capital, AT  FUND、Sydney でファンドマネージャーを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。

豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。

趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ

 

今週の主な予定、イベント

8/31(月)ユーロ圏8月消費者物価指数、独7月小売売上高、ユーロ圏8月CPI、インドQ2GDP

9/1(火)RBA理事会、豪州7月建設許可件数、豪州Q2経常収支、中国8月製造業/非製造業PMI、中国8月財新製造業/非製造業PMI、独8月失業率、米8月ISM製造業景況指数

2(水)豪州Q2GDP、米8月ADP雇用者数、米7月製造業受注、FEDベージュブック

3(木)豪州7月貿易収支、香港・上海市場休場(抗日戦争勝利70周年記念日)、ユーロ圏7月小売売上高、ECB理事会(ドラギ総裁会見)、米7月非製造業景況指数、新規失業保険申請件数

4(金)上海休場(抗日戦争勝利70周年記念日)、G20(トルコ・アンカラ~5日)、米8月雇用統計

 

マーケットの焦点

キーワード:世界同時株安、リスク回避の動き、米9月利上げ観測後退、人民元動向、原油反発?、GPIF

先週は週初から”リスク回避の嵐”が吹き荒れました。

月曜にに上海総合指数は8.5%下落し、今年の上げ分を帳消しにしました。同日のニューヨークタイムではオープン後NYKダウが一時1000ポイント以上ダウンと始まって以来の大幅下落を記録し、株式市場、為替市場ともにパニックに陥り強烈なリスク回避が市場を襲いました。

瞬間的にドル円は120円台から116円台に、ポンド円は190円台から183円台に、豪ドル円は88円台から82円台に急落しましたが、ユーロ円だけはユーロドルが1.17台に急伸したことから136円台が維持されました。

ただストップロスの売りオーダーが執行された(アルゴなどのシステム売買で売りが増幅されました)後は、さすがに行き過ぎ感からドル円118円台、ポンド円186円台、豪ドル円85円台に反発するなど、いわゆる”乱高下”でした。

火曜日には中国人民銀行が今年5回目の利下げ(預金金利と貸出金利をそれぞれ25bp)、50bpの預金準備り率引き下げを実施し一旦株価下落に歯止めがかかり、週末に向けてドル円も121円台、ユーロ円136円台、ポンド円190円、豪ドル円87円台に戻りました。

しかし依然としてリスク回避色が強く今週になってから再び株価下落・円買いのリスク回避相場が続いています。

金曜日に開催中の米ジャクソンホールシンポジウムでフィッシャーFRB副議長が9月利利上げの可能性を温存する発言をしたことも株価に下値圧力を掛けました。

このように一旦リスク回避の嵐が吹き荒れて”壊れた相場”ですから回復も簡単ではないでしょう。

特に今週は金曜日の米8月雇用統計を控えて、米国9月利上げ観測の動向、中国の株価・景況、加えてウクライナ情勢、インドの景気減速など不安要因が多く、ボラタイルな相場展開が続くと言わざるを得ません。

米利上げ観測についてはたとえ8月の雇用統計が非常に強くても、中国はじめ外的要因が利上げのハードルとなっている状況は変わりません。

やはり現在のリスク回避相場が落ち着くことが米国利上げの前提条件でしょう。

今週も主要国の株価下落に注意を払うべきでしょう。

 

豪ドルマーケット

先週の相場レンジ  AUDUSD 0.7044-0.7276  AUDYEN 82.12-88.63

今週の予想レンジ AUDUSD 0.6950-0.7250  AUDYEN 82.00-86.00

今週の豪ドルは:  引き続きリスク回避色強く下値テストでしょう

先週月曜日は”ブラックマンデー”で豪ドルがコラプス(崩壊)しました。

月曜日に1日で1週間の高値と安値を付けているのですから市場の混乱ぶりが分かります。

何度か指摘していますが、豪ドルの資源通貨、リスク通貨としての特性が完全に裏目に出ている訳で、リスク回避の嵐が収まるのを待つしかない状態です。

一般的に豪ドルが上昇する局面は世界的に景気が拡大し、余剰資金が高金利通貨豪ドルに流れるといったパターンです。

余剰資金が中国はじめとしたエマージング市場から逆流している、あるいは株式市場から抜けている訳で、その主因である米国利上げの時期が未だはっきりしないわけですから、流出した資金が元に戻ることは困難でしょう。

その意味ではホットカレンシー豪ドルに投資資金が戻るのも簡単ではないと言えます。

先週月曜日の豪ドル大幅下落で”SELLING CLIMAX”かと思いましたが、今回のリスク回避は上述のように根が深いのかもしれません。

リーマンショックや欧州崩壊の危機もあった欧州ソブリンリスクと比較して、今回のリスクは軽微であるとの分析もあります。

ただ中国はじめ世界経済に対する不安という漠然とした原因が背後にあるだけに、むしろ不安が払しょくされるには時間がかかるかもしれません。

本日のRBA理事会は金融緩和継続を明記していますが「更なる豪ドル安が必要」とは言及していません。

むしろ豪ドルが下方に更にオーバーラン(行き過ぎる)することをそろそろ警戒していのかも知れません。

 

Have a nice week in advance !!!

 

Junax Capital, Sydney

Joe Tsuda

 

☆豪ドルトレーディングにはFXマガジン「Joeの豪ドル道場」をお勧めします。

http://www.fxmagazine.jp/magazine_direct.php?uid=3Gl8j

サンプル例を添付させて頂きます。

「サンプルpdf」ダウンロード

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)

http://www.central-tanshifx.com/

☆外為どっどコム社の動画担当(毎週金曜日)

http://www.gaitame.com/gaitame/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿

 

ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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