今週の主な予定、イベント
9/14(月)日本7月鉱工業生産、ユーロ圏7月鉱工業生産
15(火)RBA議事録、豪州8月新車販売、ユーロ圏7月貿易収支、米8月小売売上高、9月NY連銀製造業景気指数、米8月鉱工業生産
16(水)豪8月ウエストパック先行指数、日銀金融経済月報、ユーロ圏8月CPI、米8月CPI、米7月対米証券投資
17(木)NZQ2GDP、日本8月貿易収支、米8月住宅着工件数/建設許可件数、9月フィラデルフィア連銀景況指数、FOMC、新規失業保険申請件数
18(金)日銀会合議事録、中国8月新築住宅販売、米8月景気先行指数
マーケットの焦点
キーワード:米FOMC(9/16-17) で利上げの有無、中国株価動向、世界同時株安、GPIF
先週は中国はじめ主要国の株価の下げも一服で、今週の米国FOMCを控えた調整買い戻しの動きも活発化しました。
中国当局が先進国でも導入されている株価変動に対するサーキットブレーカー(値幅制限や取引中断)の導入を検討しているとの報道や、中国財政省が景気を下支えするためにインフラ向け支出を拡大し税制改革を加速する方針を表明したことも株価をサポートしました。
ただ市場の警戒感払しょくには程遠く、株価も日々アップダウンしました。
為替市場でも先週はアップダウンの日替わりメニューでした。
ドル円も週初はリスク回避色強く118円台後半の安値スタートとなりましたが株価の回復とともに121円台まで反発。再び120円をテストしましたが、自民党の山本議員(アベノミクスの仕掛け人と言われています)が「10月末の日銀会合が追加緩和のいい機会」と述べたことから再び121円台を回復する局面もありました。
10月末の日銀会合は昨年黒田日銀総裁が”黒田バズーカ第二弾”の追加緩和を発表してから一周年となります。
ユーロは先週のドラギ総裁の追加緩和発言で1.10台に急落した後1.13台へ、また豪ドルも0.69台から0.71台に上昇するなど、FOMC前の調整色が強いですが、総じて”円売り・ドル売り”のリスク回避の巻き戻しとも言えます。
今週は中国の株価動向が依然として注目されますが、焦点はやはり16/17日のFOMCで約9年ぶりで米国がゼロ金利から脱却するのかがどうかがポイントです。
8月になってからの株式市場をはじめとした金融市場の混乱や米国の雇用・インフレ率の推移から市場は3割程度の利上げを織り込んだ状態で、依然として据え置き派が優勢です。
ただ米国の第二四半期GDPが前期比年率で+3.7%に上昇し、また失業率がほぼ完全雇用と言われる5.1%に改善し、その他の雇用指標(雇用トレンド指数や求人労働稼働調査など)も非常に好調であるなど、利上げをサポートする材料もあります。
FRBは最初の利上げ後も依然として緩和政策を継続すると明言しています。
8月以降の株価の大幅調整は中国発の材料ばかりではなく、FRBによる利上げを市場が織り込んだ結果と言えるのではないでしょうか?
むしろ長い間アンカー(錨)の役目を果たしてきた米国が”緊急措置としてのゼロ金利”から離陸するならば市場に信頼感を与えるように思います。
したがって、例え利上げがあってもドルが急騰する事態にはならず、また株価が再び暴落する可能性も少ないように思います。
そして今回利上げがなくても12月を待たず、10月利上げ観測が高まることになるでしょう。
豪ドルマーケット
先週の相場レンジ AUDUSD 0.6914-0.7099 AUDYEN 82.26-85.91
今週の予想レンジ AUDUSD 0.6900-0.7200 AUDYEN 83.50-86.50
今週の豪ドルは: 押し目買い強く、やや堅調維持でしょう
先週の豪ドルは中国株価不安もやや収まり、リスク回避が後退する中、アップダウンの末やや底離れという感じです。
発表された国内指標はNAB企業信頼感・景況感やWESTPAC消費者信頼感はマチマチでしたが8月雇用統計が失業率6.2%(予想6.2%、前回6.3%)、就業者数+17.4千人(予想+5.0千人、前回39.2千人)と強い内容であったことも豪ドルをサポートしました。
ただ発表された中国の8月貿易収支は+60.2bioと黒字は予想51.5bioを上回りましたが、背景は輸入が前年比-13.8%と大幅減少したことによります。
また週末に発表された8月鉱工業生産も+6.1%(前年比、予想+6.5%、前回+6.0%)と予想をやや下回っており、中国景気懸念は収まりません。
豪ドルは今週も中国発の株価などのニュースに敏感に反応する展開が予想されますが、焦点はやはりFOMCです。
予想に反して利上げがあればドルが急上昇するとの見方もありますが、それが当たっていれば豪ドルは再び70セント以下に下落して新安値を付けることになります。
ただ個人的には利上げがあってもドル上昇は限定的なものであると考えます。
むしろ米国のゼロ金利解除が市場に安心感をもたらせば、リスク選好的な動きが活発になって豪ドルや豪ドルクロスが反発する展開を予想しています。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。