今週の主な予定、イベント
6/20(月)
黒田日銀総裁、日本5月貿易収支、ドラギ総裁欧州議会で発言、ミネアポリス連銀総裁
21( 火)
日銀議事録、党首討論会、独6月ZEW景況感指数、イエレン議長上院証言
22(水)
イエレン議長下院証言、米5月中古住宅販売、パウエルFRB理事講演
23(木)
英国EU残留/離脱国民投票、米5月景気先行指数、ダラスFED総裁講演I、米国新規失業保険申請件数
24(金)
日銀会合主な意見公表、独6月ifo景況指数、米5月製造業受注
1)マーケットの焦点
キーワード:英国EU離脱問題(6/23)、イエレン議長議会証言、中国経済、原油価格
今週は23日の英国のEU残留・離脱を問う国民投票(BREXIT)が市場の焦点ですが、火曜日/水曜日のイエレンFRB議長の上下両院での議会証言も注目されます。
BREXIT懸念がやや後退し、FRBによる利上げ観測(9月)は先週末の7%台から38%台に上昇していますが1か月前の55%には依然及びません。
残留派の上院議員射殺事件を受けて自粛していた両陣営のキャンペーンも再開しましたが、両陣営ともに今回の事件に関して相手陣営への罪のなすり合いに終始しているようです。
ただ、やはり事件が残留派増加に作用しているようで、各種世論調査は残留派が数ポイントリードしてるようです。
もしBREXITとなれば、今後英国、EUのみならず世界経済全体で大きなコストを払うことにりますが、同時にEUの今後の在り方を含めEU再編に向けて新たな出発点となるでしょう。
一方残留となれば両陣営ともにすでに多くのコストをかけて、しかも国を二分する意見の対立/わだかまりが今後の英国経済/政治に尾を引くことになり、英国とEUとの溝は深まりそうです。反対派は何らかの形で再び反対派世論を結集して、国政の場でBREXITを試みる可能性が残るでしょう。
またEU側も潜在的に移民規制など含めて価値観が異なる英国に対し団結を深め、今後英国に対する孤立化政策が進む可能性もあるでしょう。
いずれにしても英国にとっては残留・離脱どちらを選択しても行く先はいばらの道となる可能性が指摘されます。
英国は日本と同じ島国で、歴史的にも国内だけの自給自足の限界とパイオニア精神で海洋進出しかつて大英帝国を築いたわけですが、今現在も豪州やカナダなどの英連邦制度がうまく機能しているのは、連邦国家に多くの負担を強いない“緩やかな国家連合”であったからです。経済的・政治的利害関係でがんじがらめであるEU共同体構想は当初から英国とは相いれない部分があったことは確かでしょう。
今回たとえ残留となってもBREXITがこれで終わるという保証はありません。
予想通りにBREXITが回避されればユーロやポンドは買い戻されるのでしょうが、BREXIT問題が根本的に除去されたわけでもなく、その戻りもショートカバーの域を出ないでしょう。
レベル的にはユーロの1.15台、ポンドの1.50台が上値抵抗線となるでしょう。
2)豪ドル見通し
先週の相場レンジ AUDUSD 0.72850.7446 AUDYEN 75.59-78.74
今週の予想レンジ AUDUSD 0.7300-0.7600 AUDYEN 76.50-80.50
今週の豪ドルは: 方向性ないまま上下ともに振れやすい展開でしょう
豪ドルは、BREXIT懸念後退と商品相場反発を受けて74セント台後半、78円前半まで反発しましたが、まだBREXIT懸念が消滅したわけでもなく、とりあえずショートカバーが一巡した状況です。
また7/2の総選挙を前に保守、野党の支持率が拮抗し、再び“ハングパーラメント”(絶対与党不在の宙ぶらりん国会“)の恐れが出てきたことも豪ドルの上値を重くしています。
首相適任者では依然としてターンブル首相がショートン労働党党首を上回っており、過去5選挙中4選挙が首相適任率で決まったことを勘案しても、依然保守陣営優勢と思われますが予断は禁物です。
商品相場もBREXITや中国経済の好悪材料に敏感に反応しており、特に23日の英国国民投票を目前に控え神経質な展開が予想されます。
Have a nice week in advance !!!
Junax Capital, Sydney
Joe Tsuda
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