1985年、ラーメン屋=3K(汚い・臭い・怖い)という考えがまだ主流だった頃に「女性が一人でも気軽に入れるラーメン店」をコンセプトに博多で創業した一風堂は、日本に新たなラーメン文化を築き、現在世界で巻き起こっているラーメンブームを牽引する存在としても広く知られています。
そんな一風堂がオーストラリアに進出してから、2016年12月で4周年を迎えました。その4周年が目前となった10月に、日本から新しくシェフがやってきたとの情報をキャッチ。「ラーメン職人ではなく、シェフが仲間入り?」と疑問に思ったJAMSスタッフSは、さっそく一風堂におじゃまして、お話をうかがってきました!
海外と日本の一風堂を知る、小林大輔シェフ
今回日本から新しくやってきた、小林大輔シェフです。
小林シェフの一風堂での経歴は、2008年に海外初店舗であるニューヨーク1号店に現地採用されたことにはじまります。それまでの自身の調理歴を活かしながら、一品料理をメインにラーメンを含めた各種メニューの調理を担当して、2010年に日本の一風堂にあらためて入社。およそ一年にわたって日本各地にある店舗を転々としながら、オリジナルの一風堂を学び、その後は、韓国と香港の立ち上げに携わったり、福岡の中洲にある奉天本家というラーメン居酒屋を立ち上げて店長として働いたり、また東アジアを中心とした店舗のオペレーションや商品開発、品質管理などに携わったりしてきました。今後は一風堂オーストラリアで、現在シドニーにある4店舗の品質管理や新メニューの開発などに携わっていくとのことです。
海外では、ラーメンを作っている人を「ヌードルシェフ」などと呼びますが、これは日本語での「ラーメン職人」のニュアンスに近い表現です。ですが、ラーメンだけでなく一品料理も手掛けてきた小林さんは「ヘッドシェフ」や「オーナーシェフ」のように、料理やサービスなど、総合的なお客様への提案をプロデュースに携わるシェフなのです!
日本とはまた違った海外の一風堂
さて、冒頭でも触れましたが、そもそもなぜ一風堂にシェフが加わったのでしょうか?
多くの日本人にとって、ラーメン屋といえば、ラーメン以外は、チャーハンや餃子、チャーシューの盛り合わせといったサイドメニューが並んだ「パッと食べて帰る場所」というイメージだと思います。
ですが、海外では「総合的なレストラン」だと認識されていて、これに対して一風堂はオーストラリアで「ラーメンダイニング」のスタイルを提案しています。ラーメンだけでなく、一品料理やドリンク、デザートなどのラインナップも充実させながら、料理の味だけでなく、見た目や空間、いっしょに食べる人との時間を大切に過ごすことができる場を提供しているのです。
そんな「ラーメンダイニング」を提案する一風堂オーストラリアにとって、ラーメンから一品料理までを手掛けることができ、また日本と海外の一風堂に精通している小林シェフは、まさにうってつけの存在。そうしたいきさつで、このたびの小林シェフの加入へとつながりました。
小林シェフの加入により、お客様が求めるものをよりフレキシブルで、タイムリーに反映することができるようになり、ますます魅力的なラーメンダイニングが楽しめるようになります。日本とはまた違った、海外ならではの一風堂を楽しめることも海外生活の醍醐味のひとつと言えますね♪
40ドル以下で満足感のあるダイニング体験!
一風堂オーストラリアでは「ラーメンダイニング」が楽しめるとお伝えしましたが、じつは30~40ドルほどで満足感のあるダイニング体験ができることをご存知ですか?
もちろん平均金額は品数やメニューによって変わりますが、オーストラリアにおいて、洗練された空間やサービスで、おいしい料理を食べながらゆったりとした時間を過ごすことができるレストランは、この価格帯ではなかなかありませんよね。
日本人の方にとっては、やはり「一風堂=ラーメン」というイメージが強いようで、「ラーメンを食べて帰る」という日本同様のスタイルで利用されている方が多いようです。これは有名店だからこその悩みかもしれませんね。JAMSスタッフSも例にもれず、これまでラーメンばかりを注文していました…。
あらためてメニューを見てみると、鶏唐揚げや餃子といった定番メニューから、サラダ、バンズ、さらにはラムや鴨などを取り入れたアラカルトメニューも豊富(以上はウエストフィールド店のグランドメニューです)。
ポークバン
爆裂豆腐
こんなに充実したメニューを見逃していたなんて…。これだけ充実したメニューに、さらに小林シェフ考案の新メニューが加わるということですから、楽しみは増えるばかり。また、ウエストフィールド店にはバーも併設されているので、バーで軽く飲んでから、テーブル席に移動してダイニングを楽しむという利用の仕方もできるので、仕事帰りなどにも重宝すること間違いなしです!
JAMSスタッフSが、さっそく次の飲み会の計画をしはじめたのは言うまでもありません(下の写真は、取材後日に、飲み会でウエストフィールド店にうかがったときに撮ったバーでの一枚です)。
シェフの創作性があらわれる一品料理
一風堂では、ラーメンに関しては、全世界でおなじような味を作りあげることを心掛けています。一方の一品料理は、その国にあったメニューをラインナップし、作り手であるシェフのこだわりが反映されています。
まだシドニーに来て間もない小林シェフですが、"この提案の仕方はおもしろい"と思わせるメニューをどんどんと考案しているそう。自身の考えをひとつひとつの料理に込め、そして他のスタッフの意見も取り入れながら、メニュー作りに奮闘しているとのことです。
「野菜ひとつにしても、味も固さも、香りも異なりますから、まずはそういった食材の違いや、オーストラリア、シドニーで人気の料理などを知ることからはじめていこうと思っています。オーストラリアの市場を理解して、お客様によろこばれるラーメン、一品料理を提供していきたいですね」と、小林シェフは意気込みを語ります。
一風堂が掲げる「ラーメンを世界食に」
一風堂の海外展開は2008年のニューヨーク店を皮切りにはじまりました。「ラーメンを世界食に」という創業者・河原成美会長の思いを掲げながら、日本国外12カ国にて、61店舗を展開しています(2016年12月現在)。
最近では、オーストラリアでも、有名シェフがコース料理のなかにラーメンを取り入れるなどの動きが出てきて、注目を集めています。ですが、こういった取り組みは、ローカルのシェフだけでなく、日本人シェフにもできるはず。「一風堂オーストラリアがそのステージに上がるためには小林シェフが必要なんです」と一風堂オーストラリア代表の山下さんは語ります。
シェフを尊敬する文化のあるオーストラリアにおいて小林シェフが受け入れられることは、ラーメン業界で懸命に働く人たちにとっての海外進出のモデルとなり、また、ラーメンが「パスタ」のような世界食へと近づいていくことにもつながります。
すでに多くの人が持っている「一風堂=豚骨ラーメンがおいしいラーメン屋」という認識に甘んずることなく、ラーメン屋(ラーメンレストラン)の価値をさらに高めようと挑戦し続ける一風堂オーストラリア。「海外から日本人のラーメンの認識を変えていくのもおもしろいですよね」と語る代表の山下さんに、世界の一風堂の器が大きさを感じずにはいられないJAMSスタッフSでした。
2017年1月から、小林シェフ監修の新メニューが登場!
一風堂の店舗は、オーストラリア国内では現在、シドニーに4店舗あります。さっそく2017年のはじめから、小林シェフ監修の新メニューも登場しました!
柚子香るスモークサーモンサラダ
ささっと食べて帰るのもよし、ドリンク片手にゆったりとした時間を過ごすのもよし。一風堂オーストラリアが提案する「ラーメンダイニング」をぜひ体験しませんか?
旗艦店であるウエストフィールドでは、一品料理から、ドリンク、ラーメン、デザートまでが揃い、マッコーリー店、セントラルパーク店、チャッツウッド店では、一品料理の種類は限定的になりますが、ラーメンといっしょに楽しめるサイドメニューが楽しめます。
↓ その他の一風堂の記事はこちら ↓
一風堂 オーストラリアで幹部候補を募集
http://jams.tv/BlogPosts/post_view_page/ippudo/194268
一風堂、4つの想い
http://jams.tv/BlogPosts/post_view_page/ippudo/185797
一風堂で「ラーメンダイニング」を楽しむ
http://jams.tv/BlogPosts/post_view_page/ippudo/195369
ウエストフィールド店
Shop No. 5021, Level 5, Westfield Sydney Corner of Market and Pitt Streets, Sydney
(02) 8078-7020
月~水曜 11:00 – 22:00 (FLO: 21:00 / RLO: 21:30)
木〜土曜 11:00 – 23:00 (FLO: 22:00 / RLO: 22:30)
日曜 11:00 – 21:00 (FLO: 20:00 / RLO: 20:30)
セントラルパーク店
Shop No. RB07 (Lower Ground), Central at Central Park 28 Broadway, Chippendale
(02) 8036-4534
月~金曜 11:00 – 21:30 (FLO: 20:30 / RLO: 21:00)
土曜 11:30 – 21:30 (FLO: 20:30 / RLO: 21:00)
日曜 11:30 – 20:30 (FLO & RLO: 20:00)
マッコーリー店
Shop No. 404B, Level 4, Macquarie Centre, Corner of Herring and Waterloo Roads North Ryde
(02) 8964-7490
月~土曜 11:00 – 21:00 (FLO&RLO: 20:30)
日曜 11:00 – 20:00 (FLO&RLO: 19:30)
チャッツウッド店
Restaurant 77A, The District Podium Level, Chatswood Interchange, 438 Victoria Avenue, Chatswood
(02) 8084-0704
月〜土曜 11:00 – 21:30 (FLO: 20:30 / RLO: 21:00)
日曜 11:00 – 20:30 (FLO: 19:30 / RLO: 20:00)
メンバー一同こころよりお問い合わせ・ご相談をお待ちしております。
JAMS.TVによる取材のご相談はこちらから JAMS.TV Pty Ltdによる日本の祭典「酒フェスティバル(Australian Sake Festival)2024」ならびにBtoB商談会が、7月のメル…
日本から輸入した本格和牛焼肉とお寿司、惣菜が食べ放題のビュッフェレストラン「Gyuniku Buffet」が、シドニーのチャイナ…