人間の心は、挫折や困難を経験したとき深く傷つくことがある一方で、それすらも乗り越えてさらに成長していく力も秘めているそう。心的外傷から自己の内面的成長を実感する心理状態の「PTG(心的外傷後成長)」もその一つ。
「PTG」とは危機的な出来事や困難な経験を乗り越えた後に、ポジティブな心理的変容が生まれることを指します。心が粉々になるような困難な体験をしても、さまざまな影響を受けて成長という変化していく様子は、ステンドグラスのように表現されます。
心が深く傷ついてもステンドグラスのように移り変わって輝ける。今回は、シドニーにある心理カウンセリングルームの「こころクリニック」から、「PTG(心的外傷後成長)」についてご紹介します。
シドニーの心理カウンセリングルームを20年以上運営する同クリニックでは、日豪で心理カウンセリングの経験豊富なオーストラリア公認サイコロジストが一人一人の人生の物語に寄り添い、ストレスの多い状況下での現実調整の方法などをリラックスしながらじっくりと話し合います。
オーストラリアにおけるサイコロジストは医療資格であるため、「こころクリニック」ならオーストラリアでの心理カウンセリングに医療保険カバーが適用されます。メディケアをお持ちの方は対面も遠隔も、バルクビル(自己負担なし)で診察。先に一般医GPの紹介があれば、ワーホリや留学生の海外旅行保険やOSHC(学生保険)、メディケアなどほとんどの保険で心理カウンセリング費用がカバーされます。
ストレスを感じて辛い状況や不安、気持ちの落ち込みなど、ここオーストラリアで生活を送りながらも社会生活に支障がある方や、うつうつと感じてしまう方は、同クリニックへ気軽に相談してみましょう。
「PTG(Posttraumatic Growth)」(心的外傷後成長)は、トラウマティックな出来事、とても辛く苦しい出来事を経た、人間としての心の成長を指します。
心理学者のリチャードGテデスキは、1996年に「The Posttraumatic Growth Inventory: Measuring the positive legacy of trauma」という論文を発表し、心的外傷後に成長する条件を整理し、トラウマになるような体験をした人の90%近くが、その後何らかの心理的成長を遂げていることを発見しました。
「PTG」の研究は今から約20年前に始まったばかりですが、認知度は徐々に高まり、研究内容も増えてきています。また、危機をきっかけとした人格的な成長というテーマ自体は新しいものではなく、人類の歴史の中で数多くなされてきました。そのようなテーマが「PTG」と名付けられたことで、以前にはなかった実証研究なども進められるようになりました。
それまでの心理学や医学では、人間の足りないところや負の側面に主に焦点を当ててきた反省がありましたが、「PTG」は人の心をマイナスからゼロへ回復すべき対象として注目するのではなく、プラスに転じる可能性を兼ね備えているものとして生まれました。プラスもマイナスもひっくるめて、人全体の成長・発展を理解しようとする姿勢に沿っているのです。
「PTG」のメカニズムでは、「きっかけとなる出来事がその人の価値観や信じてきたことを揺さぶるような経験となったかどうか」という主観的経験が重要であるとされています。
そのため、以下のようなケースも「PTG」のきっかけになり得ます。
トラウマティックな出来事かどうかではなく、その人の心に大きな衝撃を与えるものとして経験されたかどうか、その人の人生観が変わるほどの影響力をもつものとして経験されたかどうか、が重要だと考えられているようです。
「PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)」は、心的外傷後ストレス障害で、トラウマになる圧倒的な出来事(外傷的出来事)を経験した後に始まる、日常生活に支障をきたす強く不快な反応です。災害や虐待のような、死の危険に直面する出来事で心に加えられた衝撃的な傷が原因で、過度の不安や不眠、フラッシュバックなどを引き起こしてしまいます。
一方、「PTG(Post Traumatic Growth)」は、大変な経験から人間として成長することにフォーカスしています。「PTSD」を経験せざるを得なかった人を含め、辛く苦しい出来事を経験した人が、さまざまな思いの中で必死にもがいた結果、人間として成長することを指します。ストレスやトラウマの経験は、人々にとって良い側面もあることが示されています。
PTGを経験したからといって、トラウマが解決したり楽になったりするわけではありません。「PTG」は「トラウマを乗り越える」というよりは、「心の痛みを引きずっていく」という実感の方が近いかもしれません。
「PTG」とレジリエンスは似た概念ですが、異なるとされています。レジリエンスはストレスから立ち直るための個人的な能力で、生まれ持っているか、人生で獲得することがあります。
一方、「PTG」はトラウマからの心理状態であり、誰も生まれ持っていない後天的なものです。また、「PTG」には長い時間と葛藤が必然になりますが、レジリエンスのある人は葛藤することなく回復することが可能です。
前述したテデスキの研究では、「PTG」には主に5つの側面があると主張されています。
人生は、常にハッピーでいる人やメンタルが強い人が優れているというわけではありません。トラウマティックな出来事を経験した人の怒り、憤り、恨み、悲しみには、正当な理由があることの方が多く、「PTG」を経験することで、ネガティブだと思っていた寂しいという気持ちも温かいものに感じたり、愛情を感じるようになった人もいます。
その出来事があるからこそ、今の自分がある。痛みは消えないけれど、心は成長している。「PTG」の概念を知ることは、そんなふうに人生を捉えて、「PTSD」を発症したときの支えになる可能性もあります。人間の多様な在り方を尊重する目的でも、「PTG」はこれからもっと注目を集める言葉になるかもしれません。
シドニーにある心理カウンセリングルームの「こころクリニック」では、「PTG」の考え方や、「PTSD」のためのカウンセリング、さまざまな心理療法にも対応しています。
「こころクリニック」のサイコロジストのやの先生は、心理カウンセリングルームを20年以上運営し、30年以上の日本の臨床心理士経験を活かしたオーストラリアの登録サイコロジストとして活躍しています。
オーストラリアのクリニックで心理カウンセリングや心理療法が可能な職種には、サイコロジスト、サイコセラピスト、カウンセラー、ソーシャルワーカーがありますが、その中でもソーシャルワーカーと並ぶ「医療資格」であり、心理カウンセリングと心理療法を専門とする職種が、サイコロジスト。
オーストラリア人にとって、メンタライゼーションのトレーニングを含めた心理カウンセリングは身近な存在。カップルカウンセリングやアンガーマネージメントなどちょっとした暮らしづらさの改善や、「期待していたように物事が進まない」といった些細な行き詰まりからでも、悩みが深刻になる前に早めに相談するという習慣があります。
メンタルの健康維持のような位置づけとして機能しているわけですが、そこでは的確な技法やはもちろんのこと、サイコロジストがどのように関われるかといった信頼関係も重要になります。実績があり、相性の良いサイコロジストとの出会いは、心理カウンセリングの効果に欠かせないものとなります。
シドニー中心部のワールド・スクエアにあった「こころクリニック」が、お引越ししました!
新しいカウンセリングルームは、タウンホール駅から徒歩6分、ミュージアム駅から徒歩7分、チャイナタウン・ライトレール駅から徒歩4分のところにあるパシフィック・トレード・センターになります。
8階がカウンセリングルーム、3階がレセプションになり、最初に3階の待合エリアでお待ちになり、到着をサイコロジストまでテキストください。
クリニックの方の準備ができましたら、テキストでお呼びいたします。カウンセリングルームは個室でプライバシーが守られますのでご安心ください。
過去を恥じることなく、安心・安全の確保されたスペースである「こころクリニック」へ気軽に相談してみましょう。
臨床心理士・やのしおり
電話:0416-006-835(受付時間8:00-22:00 シドニー現地時間)
Email:sydney@cocoroclinic.com「こころクリニック」新カウンセリングルーム
所在地:Suite 805A, Level 8, Pacific Trade Centre, 368 Sussex Street, Sydney NSW 2000
心理カウンセリングのサイコロジストは、悩みを抱える人々が良い意思決定という形で行動できるようになることを援助してくれます。心理カウンセリングを受ける人は自分の状況や気持ちを話し、サイコロジストはそれを理解するために耳を傾けます。そのプロセスの中で、「わかってもらえた」「すっきりした」などの感覚と経験を得られること、そしてサイコロジストとの信頼関係の中で自分を客観視できるようになり、直面している問題に取り組めるようになることが心理カウンセリングの良いところ。
また、サイコロジストからの的確なサポートから自分の考え方や行動パターンを変えていったり、今後のストレスにどのように対処していくか、自分をどのようにマネジメントしていくか、といったことも習得していくことができます。このようなプロセスをサイコロジストと一緒に歩むことは、現状の問題の改善だけでなく、社会の中でその人があるがまま、美味しいものを食べた時のように楽しく明るい気持ちで、より良く生きることにもつながるでしょう。
このような心理カウンセリングの効果を生むためには、サイコロジストとの関係の質、用いる技法はとても重要なポイントです。
「こころクリニック」には、日本とオーストラリアの両国の臨床心理士の資格と経験がある、経験の長い日本人開業サイコロジストやのしおりさんが在籍。Australian Psychological Societyの正会員歴20年以上、臨床経験は30年以上、シドニーの心理カウンセリングルームも20年以上運営しています。
日本の「公認心理師試験」にも合格し、日豪両国で臨床心理士の資格取得後も心理臨床の専門家として研鑽を積んでいるサイコロジストです。
「公認心理師試験」について
公認心理師は、2017年に心理職初の国家資格として新設された試験に合格した人が名乗れる資格。心の問題を抱えた人に対して心理学の知識と技術を用いて援助する専門家の中でも、公認心理師は「唯一の日本国家資格」です。
主な役割は、心理的な問題を抱えた人に対してカウンセリングを実施、問題を分析し、助言や指導をし、問題解決まで導くこと。それに加えて、心の健康に関する知識を一般に広げるために、積極的に教育活動や情報提供をしていくことも大事な役割としてあります。
「こころクリニック」の心理療法は、共感的カウンセリングを基本としています。何より大切にしている治療の根本は常に「共感」であり、このサイコロジストの共感力が相談者の自己治癒力を高めることにも一役買います。何でも話せて、気持ちに共感してもらえる関係の中で、サイコロジストとプランニングした現実的なゴールに向かい、一人一人に合ったプロセスを進めていきます。
日豪両国の臨床心理士資格を持つ心理臨床の専門家として、自分と他者に対するメンタライゼーションについても相談することができます。他にもEMDR、認知行動療法、精神療法など、丁寧にカウンセリングをした上で本人の心の状態に合わせた適切な治療が用いられます。
心理カウンセリングの効果は、実証研究でも確認されています。例えば、うつの症状に関しては約50の厳密な研究を通して認知行動療法での明確な効果が示され、うつ症状の改善に寄与し、再発の予防にも寄与しています。
一回や数回のカウンセリングで終結するケースもあれば、さらに回数を重ねるケースもありますが、カウンセリングを必要としなくなった時が、ゴール達成の時。サイコロジストとのセッションは終結しても、「こころクリニック」のカウンセリングで得られたことを胸に、現実世界の中で存分に羽ばたきましょう。
上記以外にも相談者に合わせた心理カウンセリングに対応しています。
他にも子どものためのプレイセラピーや日本語の発達・知能検査を行った上での発達アセスメント、カップルまたは家族カウンセリングなども受付中。
「カウンセリングを受けてみたいけど、その前にサイコロジストと話して雰囲気を見てみたい」という方は、電話もしくはビデオ通話にて、5分〜10分程度の説明時間を設け、その際にやりとりしながらカウンセリングを検討していただくことは可能です。もちろん、その場合に料金は発生しません。
また、カウンセリングの費用を保険でカバーするためには、GPによる診断が必要になりますが、「自分の悩みをGPに英語で説明することに不安があり、サイコロジストからの紹介状がほしい」という方は、GPでプランを作られた後の本来の初回セッションをご予約いただける方には、サイコロジストからGPに紹介状を書くための45分無料セッションは設定できる可能性があります。同クリニックまで気軽に問い合わせてみましょう。
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新型コロナウイルスの感染流行が始まって以来、世界的に心理カウンセリングに対する需要が高まっています。これには新型コロナウイルスの直接の感染による身体的・心理的な影響に加えて、長期に及ぶロックダウンなどのパンデミック制限による精神衛生への影響も関係していると思われます。
全国1,400人以上のAustralian Public Service会員を対象とした独自の調査では、全体の88%にのぼるサイコロジストが、心理カウンセリングに対する需要が高まったと回答。また、サイコロジストの3人に2人は、パンデミック以後に新規の患者が増えたと言います。
オーストラリアのサイコロジストは、新型コロナウイルス治療後の患者を心理的にサポートし、長期的なLong COVID(Post COVID)の症状への適応と患者自身によるコントロールを、二人三脚で担ってくれる存在です。
新型コロナウイルスの治療後、その患者の心理的健康やウェルビーイングをモニタリングし、定期的なフォローアップをします。特に、うつ病、不安、社会的孤立、回復の過程に伴う神経的問題のリスク増加の要因を一緒に特定してゆき、認知行動療法、トラウマ焦点型認知行動療法、セルフモニタリングなど一人ひとりに合った対処を施すことになります。
【フォローアップできるLong COVID(Post COVID)の症状】
・抑うつ/不安症状
・恐怖
・PTSD
・疲労/不眠
・認知機能
・日常生活の乱れ
・新型コロナウイルスに感染したことによる社会的悪影響やスティグマ
オーストラリアの心理カウンセリングには医療保険カバーが適用されます。
医療資格がなく学会員メンバーシップのみで働くカウンセラーやサイコセラピストよりも、医療資格であるサイコロジストの修業年数はさらに長く、その信頼性と専門性は医療保険カバーの範囲にも現れます。
そのため、先に一般医GPの紹介があれば、ワーホリや留学生の海外旅行保険やOSHC(学生保険)などほとんどの保険で心理カウンセリング費用がカバーされます。永住者であればメディケア保険で診療費がカバーされます。
オーストラリアの国家資格を持つ「こころクリニック」なら、メディケアをお持ちの方は対面も遠隔もバルクビル(自己負担なし)で診察可能。また、テレヘルス心理カウンセリングを含めた遠隔医療サービスにも、メディケアや学生保険による保険カバーが常時適用。クリニックまで行けない方やシドニー以外にお住まいの方も、遠隔の心理カウンセリングを受けることができます。
メディケアの保険でカバーできる心理療法は以下の通りです。
現在は、テレヘルス心理カウンセリングを含めた遠隔医療サービスにもメディケアや学生保険による保険カバーが適用されています。
サイコロジストのテレヘルス・カウンセリングは、クリニックでの対面かテレヘルスか常時いずれかの方法を選べて、クリニックまで行けない方やシドニー以外にお住まいの方も、遠隔の心理カウンセリングを受けることができるようになりました。
臨床心理士・やのしおり
電話:0416-006-835(受付時間8:00-22:00 シドニー現地時間)
Email:sydney@cocoroclinic.com「こころクリニック」新カウンセリングルーム
所在地:Suite 805A, Level 8, Pacific Trade Centre, 368 Sussex Street, Sydney NSW 2000フェイスブックで心理情報も発信中!
新カウンセリングルームのあるパシフィック・トレード・センターの入口は、サセックス・ストリート上にある「興業地産」の青い看板のお隣です。
所在地:Suite 805A, Level 8, Pacific Trade Centre, 368 Sussex Street, Sydney NSW 2000
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