ワーキングホリデービザなどでオーストラリアに滞在している人が、オーストラリに魅了され、更に滞在を延長したい時に、現実的に一番可能性が高いのは、学生ビザを取得して滞在延長をすること。その学生ビザで延長をするにあたって、知っておいた方がいい事、学校の選び方、学生ビザ取得スケジュール、学生ビザ取得後の必要な事など、オーストラリアで学生ビザで滞在延長をしたいと思った時に必要なマニュアルを紹介します。ここでは、主にオーストラリア国内で滞在延長をする場合で、現在お持ちの対象となる主なビザは以下の通りです。
・ETAS(観光ビザ)
・ワーキングホリデービザ(1st、2nd、3rd)
・学生ビザ
各内容は以下のページでそれぞれご確認ください。
Ⅰ 学生ビザで滞在延長する時の目的や条件
Ⅱ 学生ビザで学校を決めるポイント
Ⅲ 学生ビザ申請のプロセス
Ⅳ 学生ビザ取得後の注意点
Ⅴ 学生ビザ申請のケース例
学生ビザは自分の入学する学校に授業料等のお金を払って、CoE(Confirmation of Enrolment)を発行してもらってそれで申請すればいいという単純なものではないです。もちろん行為自身はその通りなのですが、学生ビザを発給してもらうためには、移民局に審査をしてもらって発給するに足る条件等をクリアーしていなければなりません。資料の不備がないことも当然ですが、学生ビザを発給する際に重要なものの一つとしてGTE(Genuine Temporary Entrant)の内容が適切であるかどうかが重要なポイントなります。GTEは先のブログの様に、主に以下のような内容を盛り込むといいと言われています。
①これまでの学歴・職歴
②オーストラリアで学ぶ理由
③入学予定の学校/コースを選んだ理由
④入学予定のコース修了後のプラン
その際に、希望するコースを取るそれまでの学歴や経歴含めてどうして勉強したいのか、どうしてそれが勉強できるのかなどの過去の経歴から修了後のストーリーがしっかりしていないと、最悪ビザ取得ができないこともありえます。例えば、日本の大学で経済学部卒業で、普通にその後その知識を使った職務経歴がある場合、一定上のビジネスの知識や経験があることとなりそうですが、その状態でCertificateⅡ in Businessなどのビジネスコースのレベルの低いコースを取ることは基本的に難ししです。それはその知識は十分にある人物と経歴等から判断されるので、単に長く滞在したがために低いレベルのそのコースを選択すると判断される、つまり就学が目的ではなく、例えば就労することが目的でそのために学生ビザを取ると判断をされてもおかしくないのです。
移民局は不法に滞在しそうなことを当然のごとく排除します。それは本当はそうではなくてもそう見られそうなストーリーがあるとそのように判断される可能性があるという事です。
従って、どうしてその内容になっているのかは、その方の年齢、英語力、学歴、職務経歴、以前のオーストラリアへの渡航歴などが影響し作成されていきます。つまり、それらの個々のポイントを押さえておくことと、それをご自身に当てはめることでどのコース選択が適切であるか、または反対にそのまま申請しては取得できない可能性が高くなってしまうかもしれないなどをしっかり押さえておくことが、学生ビザを取得できる確率を高くすることにつながると理解して頂ければと思います。以下に個々のポイントを記すのでご参考ください。
6歳以上であれば基本的にオーストラリアの学生ビザを申請できます。お子様の留学等がこちらにあたると思いますが、ここでは、18歳以上の大人の方に対しての学生ビザを申請する際のポイントをお知らせします。
基本的に30歳くらいまでの方であれば、この年齢に関するところでのリスクは少ないと考えていいです。もちろんその方のそれまでの学歴や経歴によって選択するにふさわしくないコースのレベルなどもあり得ると思いますが、おおよそ30歳くらいまでの方であれば多くのコースの選択肢が出てくると思います。従って、ワーキングホリデービザで滞在しその後延長をしようと思っている方々は、十分に可能性があると言えます。
これが35歳以上となるとコース選択含めて慎重に当たった方がいいと言われています。それは、まず35歳以上いう年齢が何かを勉強するために学生ビザを取るという年齢としてどう考えられるかというところです。それくらいの年齢の方はある程度の社会経験が一般的にあり、簡単なビジネスコースなどはどうして就学をしたいのかなどの理由が不鮮明になりがちです。大学院レベルに行きたいので学生ビザを取得したい、特別なスキルを身に着けるために学生ビザを身に着けたい、その後の社会人としてビジネス上の英語力等を身に着けたいなど理にかなった理由がある場合は取得できる可能性は十分考えられますが、35歳以上の方は一定の履歴がある年齢ですのでコース選択等に慎重になった方がいいです。
学歴は、高卒や大卒など最終学歴としてどこを出たかという事と、何を勉強したかなどでどうしてそのコースを改めて勉強するのかなどの理由につじつまが合っていないといけません。特に大卒や大学院卒の方々は一定の高い専門の知識を習得し学士号や博士号などの資格を持っていますが、そのレベルまで学習しているにもかかわらずそれよりも低い同様のコースを履修するのは辻褄が合わないと判断される可能性があります。
逆に言うと高卒の方は、あらゆるコースで履修の可能性があり、しっかりと何を勉強していきたいかの理由があれば、CertificateⅡなどの一番下のレベルのコース含めて、おおよそのコースで問題なく学生ビザが取れると思います。
また、短大卒の場合もそれに付随しているとおおよそ考えられます。大卒ではないので一般的に学士号の取得をしていないので、CertificateⅣやDiplomaのコースなどは十分に履修できる可能性があり、状況によってはCertificateⅢランクのコースの取得も可能性があります。
専門学校卒の方は、その内容やその後の経歴によってその専門分野において一定程度の知識を習得していると判断される場合は選択するコースのレベルに制限がある可能性があります。ただ、卒業したばかりとか、社会人経験が少ない場合は、こちらも多くのコースの履修ができる可能性が十分にあります。
日本などでの社会人経験がどれくらいの年数あるのか、また何をしていたのかなどにより選択するコースに制限が出てくる可能性があります。例えば、経済学部などのビジネス系の勉強しそこを卒業した人が、社会人になってそれを生かした仕事の経験が多い場合、ビジネスコースのCertificateⅡやⅢのコースは妥当と思われないケースが考えられます。一定の経歴がある方は、その道と似たようなコースを選択する時には、コースのレベルを慎重に考える必要があります。
過去に語学学校通学含めてオーストラリアの学生ビザを申請する人が、間をおいて、または継続して更に延長をして学生ビザを取るときにも注意が必要です。まず、大事なことは、事前に学生ビザを取って勉強していた内容を例えば学校を変えて同じコースを履修することはできないという事です。またレベルを下げて勉強することも同様のコースの場合はできないと考えておいた方がいいです。
例えばビジネス系の勉強でDiplomaまでのコースを履修した経験がある場合、その後さらに勉強するために学校を変えて同様のコースを取ることはできません。
また、ビジネス系には、Business、Marketing & Communications、Human resources、Leadership & Management、Project Management、Accountingなど多くのコースがあります。あるビジネスコースが終わったら別のビジネスコースを選択するなど、それぞれを順に勉強することは不可能ではありませんが、どうしてそれぞれのコースを就学するのかの理由がGTEにしっかりと説明されていないと、単に学生ビザを使って滞在を延長したい=就労したいなどと考えられる可能性があるので、その理由付けがとても大事になります。当然その時にも過去に日本の大学等で勉強していたことや職務経歴なども影響してくるので、なぜ、オーストラリアの専門学校でそれを勉強するのかの理由を明確に持つことが必要です。
選択するコースの授業料等がいくらであるかによって当然費用は異なります。また、語学学校の場合は基本的に最初に一括で支払いをするので全ての費用を支払う必要があります。一方、専門学校などはすべての費用を払う必要がなく、学期ごとの分割で支払う事が可能です。よって、初期コストは専門学校の方が利便性があると言えます。ただし、ビザ費用やOSHC学生保険の費用は一番最初に払わなければいけません。以下にそれぞれのサンプルを記載しますのでご参考ください。
〇語学学校の場合(例)
選択した語学学校のコース: 一般英語40週間(約1年間の就学)
入学金: 200ドル
教材費: 720ドル
授業料: 13800ドル
OSHC学生保険: 575ドル(13か月分)
学生ビザ申請費用: 620ドル(2020年6月現在)
初期費用合計: 15915豪ドル(1273200円、1豪ドル=80円で計算をした時)
〇専門学校の場合(例)
選択した専門学校のコース: CertificateⅡ、Ⅲ、Ⅳ in Business(合計2年間)
授業料等: 入学金200ドル、教材費200ドル、授業料11200ドル(2年間)、計11600ドル
初期費用
※学校への支払い: 200+200+1400=1800ドル
※OSHC学生保険: 1237ドル(2年2か月分)
※学生ビザ申請費用: 620ドル(2020年6月現在)
初期費用合計: 3657豪ドル(292560円、1豪ドル=80円で計算をした時)
上記はあくまでもサンプルです。語学学校に関しては就学をする期間によって、語学学校やそのコースによって、週当たりの費用はどこも異なるので上記よりも安い学校もたくさんありますが、参考としてご覧ください。
また、専門学校はビジネス系の費用の平均値です。手に職系となると授業料はこれよりも高くなることが一般的です。また、サンプルの方は2年間の続きのコースとして対応をしていますが、1年間等になる方もいますので合計費用はまちまちです。ただ、専門学校の方は語学学校と異なり、最初に全部払うのではなく分割で払う事が可能なので、初期費用を抑えることができます。
因みにオーストラリア国内で連続して更にビザを申請する場合はこの学生ビザ含めて、Subsequent Temporary Application Chargeと言って700ドル(2020年6月現在)の費用がビザ申請費用とは別途に必要となります。学生ビザをオーストラリア国内で延長する人も結構いますが、その場合、この費用が該当しますのでご注意ください。
さて、以下では、それぞれの状況から比較的簡単に取得ができそうなケースや慎重を期したほうがいいするケースについて紹介したいと思います。あくまでも一例であり、その方が希望するコースによっておすすめのコースは異なります。ここでは希望の多いビジネス系のコースをお勧めの例として挙げていますが、例えばチャイルドケアのコースを希望の場合もコース選択としてあり得ますので、あくまでも参考としてご覧ください。
専門学校卒、社会人経験なしでワーホリで渡航、20歳
お勧め: Certificate Ⅱ in Business~
就学レベルの一番下のCertⅡがあるのは一般的にBusinessのコースのみですが、このレベルのCertificateが狙えるパターンは、上記の通りで、ビジネス系の勉強をしていなかったり、社会人経験がなかったりする場合は、このレベルからの入学が可能となるケースが多いです。CertⅢ以降からの入学でも可能性は十分にあるので、それ以降から就学からスタートしてもいいのですが、CertⅡから始めるメリットとしては、就学内容がベーシックなところが多いので英語での勉強であってもそこまで難しく無く対応できるコース内容であることと、その分だけ長く滞在ができる可能性があるという事です。
よって、この経歴の方は、自分の英語力に関してどう考えているかという事と、その後の延長含めてどれくらい滞在を計画しているか、または、可能性がありそうかで、スタートするコースのレベルを選択することとなります。
大卒、社会人経験ありでワーホリで渡航、28歳
お勧め: Certificate Ⅳ in Business~
大卒であるので上記の様にCertⅡやⅢからスタートすることに無理があるケースが多いです。ましてや社会人経験をしており、ビジネス系の仕事をしているのならなおさらとなり、通常はCertⅣ程度のレベルからスタートをすることが多いです。大卒というのは学士号ですので、オーストラリアではDiploma以上の学歴のレベルになります。従って、本来であればDiplomaからのスタートとしてもいいのですが、英語での授業となるので英語を使っての内容や課題作成に難しさが伴う事も多く、また、その点も配慮されてCertⅣからの就学開始はダウングレードとみなされないケースが多く、特に大学で勉強した専門の内容が選択するコースと異なる場合は、なおさらでCertⅣから就学することが普通です。
最終的には、学歴、経歴等によってDiploma以上が適切である場合もありますが、多くの場合はCertificateⅣからのスタートとなりそうな経歴です。
専門学校卒、社会人経験あり、オーストラリアでDiplomaコースを修了、26歳
お勧め: 同コースのAdvanced Diplomaか別コースのCertificate Ⅳ in Business系
既にオーストラリアでCertⅣやDiplomaコースなどを修了している人が、更に学生ビザで延長をしたいケースは多いですが、上記の方はその典型的な例です。学歴はほかに短大でも大学でも大丈夫なケースがありますが、大卒の場合は何を勉強したか、社会人経験の内容と年数により同様にいかない場合もあり得ます。
上記の場合、普通はその取ったコースの上のレベルであるAdvanced Diplomaのコースに行くのであれば、ほとんどの方が大丈夫だと思います。更により専門的なレベルを就学したいなどが主な理由となりますが、理にかなっているので恐らく問題ありません。
ところが、その分野はDiplomaまで修めたので一定の資格証明ともなり(日本の大学の1,2年生程度と言われています)、他の分野での資格取得を考える方もいます。その場合で気を付けなければいけないことは、最初のDiplomaコースで勉強をした内容と類似しているコースでCertⅣやDiplomaのコースを取ることは、どうしてそのコースを取らなければいけないかの理由がしっかりとしていないと、取得できない可能性が出てきます。よって、フィールドの違う分野を勉強したいのであれば、より取得の可能性が出てきます。例えば上記のケースであればビジネス系の勉強でDiplomaまで勉強をした後に会計のコースに進むのであれば、同じビジネス系とはいえ、全くフィールドが異なるのでそれを身に着けたいという意向は、不自然ではありません。また、その場合、全くその分野を過去に勉強した経験がないのであれば、Diplomaを卒業していてもレベルを下げてCertificateⅣからの就学も可能です。
よって、類似しているコース以外である場合で、希望するコース選択の理由がしっかりしているのであれば、このケースであっても選択できるコースはいくつか出てくると思います。
専門学校卒、社会人経験あり、35歳、観光ビザで渡航
お勧め: Certificate Ⅳ in Business~
専門学校卒または短大卒で社会人経験が10年以上ある場合で、ビジネスコースを勉強する場合は少し注意が必要です。それが35歳以上の方であればなおさらです。
専門学校等でビジネス系を勉強していないのなら、又は勉強していたとしてもベーシックな履修内容となることが多いことから、改めてビジネス系を勉強することは問題はないところです。ただ、社会人経験を多く積んでいると、当然そういったビジネスに関わる知識や経験を身に着けているところなので、ベーシックなレベルのビジネスコースは選択しない方が無難です。よって、通常は、CertificateⅣあたりからの就学を選択することとなります。ちなみに恐らくDiplomaのコースは最初からいけない可能性もあります。これは学歴的にそこまで達していないと判断されるからです。その意味からもCertⅣのレベルから就学することが妥当です。
ただ、その場合、社会人として10年間の経験があっても事務作業を中心に仕事をしていたのなら、将来の仕事に向けてマーケティングを勉強したいなどの理由で、Marketing and Communicationsなどのコースを選択することは、普通に考えれる理由なので問題ないと思いますが、事務作業の経験と重なるビジネスのコースである場合は、果たしてその選択が正しいかどうかは難しいところです。GTEにはしっかりとなぜビジネスのコースを取るのか、どうしてそのレベルから取るのかが書ききれないと取得は難しさが伴うと思います。
まして、それが35歳以上の方となると十分な経験があるとみなされるので、いろいろと鑑みて最終的にどのコースでどのレベルから行くかを選択したほうがいいと思います。
専門学校卒、社会人経験あり、オーストラリアでAdvanced Diplomaコース修了、35歳
お勧め: Diploma in Business
この方のケースは、オーストラリアでマッサージ系のAdvanced Diplomaコースを修了した方です。従って、例えば自分でビジネスを立ち上げたい(お店を持ちたい)がために、ビジネス系を勉強したいという理由であればビジネスのコースを選択することは普通に考えられるところですので、問題ないと思います。
ただ、この場合、CertificateⅣが妥当であるのか、Diplomaであるのかは、その方の経歴やどうして勉強をしたいかの理由によって異なると思います。CertⅣは不可能ではないと思います。ただ、コースは違えどAdvanced Diplomaコースを修了いているので、CertⅣは、大きなダウングレードとなります。このダウングレードをしてのコース選択は基本的にはお勧めしません。取得できないケースがあるからです。よって、通常であるとこの方のケースはDiplomaからのコース選択が妥当ですが、理由によってはCertⅣレベルからの履修も考えられなくはないです。
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以上のように、その方の状況により妥当なお勧めのコースやそれでも理由により選択ができるコースなど、さまざまあります。判断としては、過去の経歴と将来に向けてのストーリーがしっかりとしていることと、それに適したコース選択になっていることです。
必要に応じて学校側にもその方の経歴を紹介して、どのコースが適切かのアドバイスをもらいながら進めることもありますが、それぞれのケース、是非参考にして頂き、ご自身のコース選択の参考としてみて下さい。
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◎ オーストラリアで滞在延長を決めたら考える事
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【オーストラリアの渡航前に準備・手配をする事】
◇ 語学学校・専門学校の手配 学校関連ブログ記事
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