オーストラリアとイギリスは実は親子のような関係の国であることをご存知ですか?
地理的に離れてはいますが、オーストラリアが昔イギリスの植民地であった影響から、オーストラリアとイギリスの文化的ルーツは同じなのです。そんな、オーストラリアとイギリス、共通点が多いために、留学・ワーキングホリデーでどちらの国に行こうかと悩んでいる人も多いのでは?
そこで、今回は、各国の基本情報や、留学・ワーホリビザの条件、詳細、またオーストラリアとイギリスを比較してどのような人に留学やワーホリをおすすめできるのかを解説していきます。
オーストラリアとイギリスどちらの国が、どのような目的を持った留学(語学・専門学校・大学)に向いているのでしょうか。
オーストラリアは、専門学校(TAFE)や大学の数も多いことから、多くの選択肢から自分の興味、予算、期間にあったコースを提供している学校を選ぶことが可能です。
またオーストラリアに存在する大学は、43校のうち39校が国立大学です。教育クオリティーを保つために、政府が大学を管理しているため、オーストラリアの大学では水準の高い教育を受けることが可能です(参照:オーストラリア貿易投資促進庁)。
学生ビザの期間の上限もないことから、時間をかけて留学をしたいという人にもおすすめです。
多くの著名な学者を輩出したオックスフォード大学やケンブリッジ大学、ロンドン大学など世界的に有名な名門大学が多く存在します(世界の大学ランキングトップ20校にはイギリスから3校選出)。日本国内でも広く認知されている大学が多いため、日本での就活やキャリアアップを見据えて留学する人に向いています。
イギリスの名門大学は長い歴史を持つ大学が多く存在します。そのような大学では、大学としての在り方が確立され、留学生の受け入れ体制も万全に整っています。ほとんどの大学が公立であるため、高い教育水準を保ちながらも、留学生にも比較的良心的な価格設定となっています。
また、イギリスの長い歴史とヨーロッパとの関わり合いの中で生まれた世界的にも名高いイギリスの芸術を学ぶためのイギリスの専門学校への留学にもおすすめです。
オーストラリアとイギリスどちらの国が、どのような目的を持ったワーキングホリデーに向いているのでしょうか。
キャリアアップのためのワーキングホリデーを目指している人には、日系企業が多く進出し、インターンの選択肢が多く存在するオーストラリアが最適でしょう。また、日系レストランが多く存在し、働き口を見つけることも比較的安易です。
都会と田舎が上手く融合し、治安も良く住みやすい国として名高いため、安心してワーホリ生活をおくることが可能です。
まず、前提としてイギリスにはワーキングホリデー制度は存在しません。代わりにYMS(Youth Mobility Scheme Visa)と呼ばれる正規労働ビザが存在します。基本的には、ワーホリと同じように考えて差支えありません。
イギリスのYMSでは、オーストラリアのワーホリビザの様に、同一雇用主の元で6ヶ月以上の勤続ができないなどの労働規制がないことから、2年間充分にキャリアを積むことが可能です。日系企業も多く進出しているため、現地での採用やインターンシップにも挑戦することもできるでしょう。
また、イギリスはヨーロッパへの移動も大変便利な位置にあるため気軽にヨーロッパ旅行をすることができたり、YMS前の準備として、英語を公用語としているマルタへ留学し、英語力を向上させたのち、イギリスでのYMSを始めるという選択ができるなどのメリットもあります。
オーストラリアでは、「アボリジニ」と呼ばれる先住民がオーストラリア全土で狩猟、採取をしながら、平和な生活を営んでいました。しかし、1770年4月にイギリス人であるキャプテン・クック一行がシドニー湾近郊に上陸したことから、イギリスの植民地としてのオーストラリアの歴史がはじまります。
植民地支配後はイギリスの流刑地として多くの囚人たちが1868年に打ち切られるまでオーストラリアに送られ続け、先住民である「アボリジニ」は迫害を受け続けました。
19世紀には、後羊毛業や鉄鉱石の採掘などでオーストラリア国内の経済が安定し、独自の発展を遂げたことから、イギリスの植民地ではあるものの、イギリス式の憲法や議会制度をもとにした統治を行うことを前提とし、イギリス政府より自治権を与えられました。
自治権を与えられたタイミングで、ゴールド・ラッシュが始まり、世界中から一攫千金を夢見る移民が押しかけ、人口が急増。ますます自治領としての勢いを増し、独立への声が高まっていきます。
その声を受けて、1901年には、6つの植民地から成る「オーストラリア連邦」が、イギリスの連邦国として誕生しました。
現在のオーストラリアは、約2200万人が暮らす国家へと成長しました(2020年10月時点)。国民の29.7%が海外で出生し、毎年10万人単位で移民がオーストラリアにわたってくる多国籍な国家です(参照:オーストラリア統計局)。
古代イギリスの歴史は紀元前9世紀まで遡ります。その後、17世紀までは、イギリスは絶対王政支配制度を採り続けます。しかし17世紀以降は、宗教上の対立から王を廃止する動きが活発となり、現在の立憲君主制による政治体制が生まれました。
近代では、イギリスは英仏植民地戦争により、ヨーロッパ外に勢力を拡大。同時期に、産業革命が起き、イギリスは「世界の工場」へと変貌を遂げました。これにより強大な権力と経済力を得たイギリスは支配権を全世界へと広げ、益々勢いを増していきました。このとき支配を受けた植民地は「大英帝国」の一部として数えられました。その後も、イギリスの力は衰えることを知らず、19世紀ごろには、ヨーロッパ・アメリカ・日本などを植民地獲得することを目指す帝国主義の時代に突入します。
その後、植民地を巻き込んだ、第1次世界大戦、第2次世界大戦に勝利したイギリスですが、「大英帝国」として権力を握っていた頃の勢いは衰え、各植民地は次々に独立を果たします。
「大英帝国」崩壊後の1952年にはイギリス元首としてエリザべス2世が即位し、現在に至るまで、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国から成る、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国の君主を務めています。
オーストラリアは世界6番目の国土面積を誇っています(約770万平方キロメートル)。日本の国土面積は約38万平方キロメートルであるため、オーストラリアは日本の約20倍の大きさとなっています。
首都はキャンベラですが、人口は他都市の方が多く、主にシドニーとメルボルンの2都市に集中しています。代表的な都市として、シドニーやメルボルン、ゴールドコースト、ケアンズ、パースなどが挙げられます。
イギリスは約244平方キロメートルの国土を有す国です。国土面積は日本の2/3ですが、国土の大半がなだらかな丘陵地と平地で構成されているため、可住地面積は国土の90%、日本の倍以上となっています。
イギリスの首都はロンドンです。ロンドンは約900万人が暮らし、欧州内でも有数の人口の多さを誇っています。代表的な都市として、バーミンガムやリバプール、ブリストル、マンチェスターなどが挙げられます。
オーストラリアの主要都市(シドニー・ブリスベン・ケアンズ・ゴールドコースト・パース)と、日本の主要都市(東京・大阪)へは、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、カンタス航空の全て、またはいずれかが就航しています。
成田国際空港から、オーストラリア最北端の国際空港であるケアンズ空港までは、約7時間40分、シドニー空港までは約9時間40分の飛行時間となっています。
イギリスの主要都市(ロンドン・アバティーン・ベルファスト・バーミンガム・エディンバラ・グラスゴー・マンチェスター・ニューキャッスル)と日本の主要都市(東京・大阪)へは、日本航空(JAL)、全日本空輸(ANA)、ブリティッシュ・エアウェイズが就航しています(直行便・経由便含む)。
羽田空港から、イギリスの主要空港であるヒースロー空港までは、約12時間30分の飛行時間となっています。
(参照:オーストラリア気象庁)
オーストラリアは、南半球に位置するため、日本とは季節が逆転します。
広大な国土を持つオーストラリアでは、地域によって気候が異なります。一般的に北部沿岸は雨季・夏季の存在する熱帯、中・南部沿岸は四季の存在する温帯、冷温帯、そして、大陸中央部は砂漠気候です。
オーストラリアは場所に関わらず夏季は日差しが強く、日焼け止めクリーム・サングラスなどの紫外線対策がかかせません。冬季は都市によって暖かいところもあれば、氷点下まで冷え込むところもあります。
(参照:イギリス気象庁)
イギリスの天候は、1日のうちに晴れたり、雨が降ったりと、変わりやすいのが特徴です。また、イギリスは緯度が高いところに位置しているため、寒いというイメージを持たれがちですが、暖流と偏西風の影響を受け高緯度の割りには温暖な気候です。夏季は平均気温は20度前後と比較的涼しく、春・秋・冬季には日本よりも冷え込む傾向にあります。
オーストラリアは、国内においても時差が発生します。また、シドニーが位置するニューサウスウェールズ州、メルボルンが位置するビクトリア州、アデレードが位置する南オーストラリア州、タスマニアが位置するタスマニア州、そしてオーストラリアの首都であるキャンベラが位置するオーストラリア首都特別地域ではサマータイム制度を導入しているため、夏季と冬季では日本との時差も異なります。
留学生、ワーキングホリデーメーカーに人気の大都市シドニーとメルボルンでは日本との時差は最大で2時間、その他地域でも日本との時差は最大前後2時間までとなっています。
イギリスは国内間で時差は存在しません。また、イギリスもサマータイム制度を導入しているため夏季と冬季では日本との時差は変化します。夏季は8時間、冬季は9時間、日本のほうが進んでいます。
オーストラリアでは「オージーイングリッシュ」と言われる英語が使われています。イギリスの植民地支配を受けていた影響もあり、イギリス英語がベースとなった英語ですが、オーストラリア独自の英語として発展しています。
代表的なものに、a「エー」は「アイ」と発音されるという特徴があります。「Today」の場合は「トゥデイ」ではなく「トゥダイ」と発音します。
英語はもともとイギリスのイングランド地方が発祥の言語です。よく我々が耳にするイギリス英語は「クイーンズ・イングリッシュ(容認英語)」と呼ばれる標準英語です。「T」の音をしっかり発音する、「R」の音が弱い、アメリカ英語とスペルが違う単語があるなどの特徴があります。
また、地方によってはかなり訛りの強い英語を話す地域もあり、それぞれイングランド英語、ウェールズ英語、スコットランド英語と区別されています。
オーストラリアもニュージーランドも治安がよい国として認知されています。
2020年にInstitution for Economic & Peace(IEP)が行った世界平和指数調査によると、163ヵ国中オーストラリアは13番目に平和な国であると報告されました(参照:Institution for Economic & Peace (IEP))(参考:日本は9位)。
テロの脅威や人種差別の恐れも、欧米諸地域(アメリカ合衆国やカナダ連邦)に比べ少なく、安心して暮らすことができるでしょう。
イギリスはInstitution for Economic & Peace(IEP)が2020年に行った同調査によると、163ヵ国中42番目に平和な国であると報告されました(参照:Institution for Economic & Peace (IEP))。
残念ながら、イギリスはオーストラリアや日本に比べると治安はよいとはいえません。スリや置き引き、空き巣被害などの軽犯罪が多発していますので、常に身の回りには細心の注意を払っておくとよいでしょう。
また、イギリスをはじめとするヨーロッパ各国では、人種差別や宗教対立、移民・難民の受け入れなどに関する問題から、デモやテロの脅威が高まっています。外務省からの安全対策情報を随時確認するなどの習慣をつけておくとよいでしょう。
オーストラリアの災害は主にクイーンズランド州北部で起こる洪水やサイクロン、夏季に発生する森林火災が挙げられます。日本と違い地震や土砂崩れはは近年観測されていません。
イギリスの自然災害件数は日本と比べて極めて少ないですが、まれに、冬季に洪水が発生することがあります。
オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia)によるとオーストラリアでは、1991年に経済成長率が一度マイナスを記録して以降、新型コロナウイルス感染症が世界中の経済に大打撃を与えた2020年に至るまで毎年安定した経済成長を続けていました(参照:Reserve Bank of Australia)。
オーストラリアは今回の新型感染症に対する政府の対応が迅速で適格であった為、国内のGDP損失は他国に比べ最小限に抑えられています(参照:オーストラリア統計局)。オーストラリア準備銀行は、2021年6月にはGDPは再度成長方向に向かうだろうと予想をしています(参照:Reserve Bank of Australia) 。
イギリスの経済は、2008年に一度下落をして以来、新型コロナウイルス感染症発生が世界中の経済に大打撃を与えた2020年に至るまで、安定した成長を続けていました。EU脱退後や新型感染症発生後は、経済は落ち込んだものの、2021年の時点では依然世界5位のGDPを誇っています(参照:英国国家統計局)。
オーストラリア統計局が2020年におこなった調査によると、オーストラリア国民の平均世帯年収は82,156豪ドル(約700万円/1ドル85円換算)となっています(参照:オーストラリア統計局)。
英国国家統計局が2019年に発表したデータによると、イギリス国民の平均世帯年収は29,600ポンド(約450万円/1ポンド150円換算)となっています(参照:英国国家統計局)。
全体的にシドニーはロンドンや東京に比べて物価が高い傾向にあります。しかし、家賃や公共交通機関においてははロンドンが高価格水準となっています(参照:Numbeo) 。
項目 | シドニー | ロンドン | 東京 |
コーラ(330ml) | 263円 | 228円 | 148円 |
水(330ml) | 223円 | 172円 | 109円 |
牛乳(1L) | 144円 | 140円 | 207円 |
マクドナルドセット | 1,020円 | 900円 | 700円 |
ビール(330ml) | 504円 | 294円 | 387円 |
タバコ1箱(マルボロ) | 2,900円 | 1,500円 | 520円 |
1ベッドルームの家賃(1ヶ月) | 21万円 | 25万円 | 13万円 |
公共交通機関(1ヶ月) | 1万8,000円 | 2万2,000円 | 1万5,000円 |
(1ドル85円、1ポンド150円換算)
ここでは留学生やワーホリの人たちに一般的なレストランのウェイターや調理補助の賃金を見ていきます。
オーストラリアでは、ウエイターの平均時給は17.57豪ドル(約1500円/1ドル85円換算)(参照:Payscale)、調理補助の平均時給は19.47豪ドル(約1,700円/1ドル85円換算)(参照:Payscale)です。
イギリスでは、ウェイターの平均時給は6.95ポンド(約1050円/1ポンド150円換算)(参照:Payscale)、調理補助の平均時給は7.92ポンド(約1200円/1ポンド150円換算)です(参照:Payscale)。イギリスはチップ文化の国のため、ベースの賃金にチップ分を上乗せした額が支払われます。
オーストラリアやイギリスを含む、欧米豪の国では、キャッシュジョブという違法労働がまかり通っているのが事実です。
特に英語力が低い留学生は職を得るチャンスが少なく、雇用主から法定賃金以下の給与しか支払われないということもあります。
また違法労働が発覚した場合には、雇用主だけでなく、従業員にもペナルティーが課され、強制帰国となる可能性があることを把握しておきましょう。
生活費はどの都市に住むのかということでも大きく変わりますが、ここではオーストラリアはシドニー、イギリスはロンドンを例に挙げ見ていきます。
項目 | シドニー | ロンドン |
家賃*・光熱費 | 約4万円~8万5,000円 | 約6万円~8万円 |
交通費 | 最大で約1万7,000円 | 約2~4万円 |
通信費 | 約3,400円~5,000円 | 約4,000円 |
食費 | 約1万5,000円~1万7,000円 | 約2~3万円 |
交友費 | 約5万円 | 約5万円 |
合計 | 約13万5,000円~18万4,000円 | 約15万4,000円~20万円 |
※ここではシェアルーム2~4人の場合を想定しています。
(1ドル85円、1ポンド150円換算)
オーストラリアでは、条件を満たせば就労ビザの取得が可能です。この条件とは主に、政府が毎年更新をする「職業リスト」という今国内で不足している職業の一覧に職業が記載されていること、英語力を一定レベル以上保持していること(さまざまな種類のテストが英語力の証明として認められていますが、一般的なものはIELTS)、または、ビザ取得のスポンサーをしてくれる企業があることが最低条件ですので簡単に取得できるとは言えないでしょう(参照:オーストラリア内務省)。
イギリスでは、EUからの脱退に伴い、2021年1月1日から、就労ビザを含むさまざまなビザの条件などが大きく変わりました。
イギリスでの長期就労ビザの申請には、スポンサー資格を持った企業からスポンサーをして貰えること、英語力を証明するテストに合格をすること、職種別に定められた最低給与基準を超えた額の給与を得られること、政府発行の「Regulated Qualified Framework(RQF)」のリストに、就業予定の職種が掲載されていることが主な条件です。(参照:イギリス内務省)
オーストラリアでは、オーストラリア政府から認定を受けている教育期間にて、認定されたコースを2年間(92週間)以上学習し、修了した場合は、オーストラリアでの就労を2年間以上許可される卒業生ビザの申請をすることが可能です(参照:オーストラリア内務省)。
現行では、イギリスに卒業生ビザに該当するビザは存在しません。しかし、イギリス政府は、学士、または、それ以上の学位を政府が認定した教育機関で修了した場合に、イギリスでの就労を2年間許可される卒業生ビザの新設を2021年に予定していると発表しています(参照:イギリス内務省)。
同性、異性間での結婚、事実婚関係が認められた場合、パートナービザを取得することが可能です。
条件を満たせば職業ビザ、パートナービザから永住権に繋がる可能性もあります。
家族の誰かが既に永住権の取得を目指す国に住んでいる、ある一定額以上の投資を永住権の取得を目指す国しているという条件下で永住権を取得できるビザも存在します。
(これらの情報は全て2021年4月8日時点の情報です。)
オーストラリアには2018年10月時点で9万8,436人、イギリスには同時点で6万6,200人の日本人が暮らしています(参照:オーストラリア:外務省、イギリス:外務省)。オーストラリアは、2018年時点で、世界で3番目、イギリスは6番目に在留邦人数が多い国です(参考:アメリカ合衆国:44万6,925人、カナダ:7万3,571人)。(参照:外務省)
オーストラリアには2018年10月時点で722社、イギリスには966社もの日系企業が進出しています(参照:オーストラリア:JETRO、イギリス:JETRO)。オーストラリアには、物流、観光、技術開発に関連する企業、イギリスには、自動車、機械類、観光に関連する企業が主に籍を置いています。
オーストラリアはかつてイギリスの植民地であったことから食文化においてもイギリスの影響を強く受けています。残念ながら、イギリスでは食文化が発達しなかった影響もあり、オーストラリアでも食文化はそれほど発達しませんでした。
しかし、オーストラリアでは現在さまざまな国からの移民が暮らしています。彼らがオーストラリアに持ち込んだ多様な食文化が、今ではオーストラリアの食文化として発達しています。
オーストラリアはコーヒー文化が発達している国でもあります。特にメルボルンは世界コーヒー三大聖地とも呼ばれ、街中には多くのカフェが立ち並んでいます。
イギリスでは、歴史的に食事に重きが置かれてこなかったため、イギリスの食文化はそれほど発達しませんでした。イギリス料理の特徴として、フィッシュアンドチップスやローストビーフなどの素材の味を生かした素朴な味付けの料理が多いことが挙げられます。ただ、イギリスは古くから他国と密接に関わってきた歴史があるため、インド料理店や中華料理店が点在しています。イギリス人にも昔から嗜まれているほど、大変身近な料理です。
また、紅茶の国とも言われ、モーニングティー、アフタヌーンティーなどと1日の中で紅茶を飲む機会が多い国でもあります。
オーストリアは豊かな自然と人工的な美しい建造物の融合がうまく行われている都市が多くあります。シドニー市内には、2007年に世界遺産に登録されたオペラハウスや、シドニーのシンボルマークともなっているハーバーブリッジ、また郊外に足を伸ばせばブルーマウンテンズと観光には事欠きません。
シドニー以外にも、美しい19世紀に建てられた美しい西洋風の建物が並ぶメルボルン市街や、アボリジニの聖地として知られているエアーズロック(ウルル)など見所は多く存在します。
ロンドン市内には、イギリス王室の宮殿兼エリザベス王女の邸宅であるバッキンガム宮殿をはじめ、ビック・ベン、ウィンザー城などが立ち並び、美しく、荘厳な中世の街並みを楽しむことができます。
また、世界最大の博物館のひとつである大英博物館には約800万点の美術品、書物、発掘品などが収蔵されており、そのうちの約15万点が常時展示されています。ロゼッタストーンや、古代エジプトのミイラなど貴重な芸術品を無料で観覧することが可能です。
オーストラリアは「No Worries」、直訳すると「心配ないよ」という言葉が日常的によく使われます。この事からもわかるようにオーストラリア人は比較的リラックスした国民性であると言われています。
また、初対面の人に対しても「G’Day Mate(こんにちは、友達)」という挨拶もよく使われ、非常にフレンドリーで仲間意識の強い人が多い国です。ユーモアやジョークを好み、初対面の人でもすぐに打ち解けることができる人が多いのもオーストラリア人の特徴でしょう。
ハリウッドで活躍中の女優、ニコール・キッドマンや、俳優のヒュー・ジャックマンもオーストラリア出身です。
イギリス人は、日本人と同じく秩序を重んじ、礼儀正しく、他人との適度な距離を取ろうとする人が多い傾向です。また、イギリス人は、直接的な表現より、婉曲的な表現を好む傾向があり、皮肉のこもったブラックジョークもよく使われます。
また、イギリスは紳士の国であると言われているほどイギリス人としての誇りを持って、人に紳士的に接する人が多い傾向にあります。
ハリウッド女優のエマ・ワトソンや、俳優のオーランド・ブルームもイギリス出身です。
次に、オーストラリア、イギリス各国のワーキングホリデーの情報を見ていきます。
※イギリスでは、ワーキングホリデーの代わりにYMS(Youth Mobiity Scheme)と呼ばれる短期労働ビザが毎年抽選で、日本国籍を持つ希望者に1000人まで割り振られます。ここではではYMSとオーストラリアのワーホリを対比していきます。
オーストラリアでは1年目のワーキングホリデービザの滞在期間は12ヶ月ですが、最大3年までビザを延長することが可能です(参照:オーストラリア内務省)。
イギリスのYMSビザ保持者は、2年間(24ヶ月)の滞在が許可されています。
日本国籍をもち、申請時に18歳以上で31歳になっていないこと、以前にワーキングホリデーを利用してオーストラリアに滞在したことがないことが申請の条件です。また、ビザを申請する際はオーストラリア国外から申請する必要があります(参照:オーストラリア内務省)。
日本国籍をもち、申請時に18歳以上で31歳になっていないこと、申請日より31日以内に、少なくとも28日間連続で、2530ポンド(約38万円/1ポンド150円換算)相当のお金を銀行口座に保持していること、過去にYMSを利用してイギリスに滞在していないこと、就労目的の渡航であることが条件です。また、申請する際はイギリス国外から申請する必要があります。(参照:イギリス内務省)。
就労時間の制限はなく、自由に働くことが可能ですが、同一の雇用主のもとで働くことができるのは6ヶ月までと決まっています(参照:オーストラリア内務省)。
労働時間の制限はなく、自由に働くことが可能です(一部の職種は除く)(参照:イギリス内務省)。
4ヶ月(17週間)までの就学が許可されています(参照:オーストラリア内務省)。
就学に制限はなく、自由に学ぶことが可能です(参照:イギリス内務省)。
1年目のワーホリの期間中に、オーストラリア政府が指定する仕事を3ヶ月間行うと2年目のワーキングホリデービザ(12ヶ月)を申請することが可能です(参照:オーストラリア内務省)。2年目のワーホリの期間中、オーストラリアの政府が指定する仕事を6ヶ月行うと3年目のワーキングホリデービザ(12ヶ月)を申請することも可能です(参照:オーストラリア内務省)。
滞在の延長は許可されていません(参照:イギリス外務省)。
(これらの情報は全て2021年4月8日現在のものです。)
6歳以上の人で(18歳未満は保護者の許可が必要)オーストラリアの政府に登録されたコースを3ヶ月以上、フルタイムで学習する留学生が対象。また、留学生保険(OSHC)に加入する必要や、オーストラリア一時滞在の目的が、自国では受けられない教育をオーストラリアで受ける為である旨を示すGenuine Temporary Entrant Requirement (GTE)という作文を提出する必要があります(参照:オーストラリア内務省)。
イギリスに、語学学校での学習を目的とした6ヶ月以上の留学をする場合は、短期間の学生ビザを申請する必要があります。このビザでは、6ヶ月から11ヶ月までの留学が許可されています。申請の際に、滞在中イギリス国民と同等の医療保障を受けることができる権利の使用料を払う必要があります(参考:イギリス内務省)。
留学生を受け入れる資格であるスポンサーライセンスを持つ専門学校や大学、また、ある一定以上の語学レベルが求められる語学学校のコースで、フルタイムで6ヶ月以上学ぶ留学生は、長期間の学生ビザを申請する必要があります。専門学校レベルでは、2年間、大学以上のレベルでは5年間までの滞在が許可されています。
また、政府認可済みのテストによって証明された英語力がビザ申請時に必要です(専門学校レベルであればIELTS Overall4.0、大学レベルであれば、Overall5.5以上)(参考:イギリス内務省)。
オーストラリアでは、学生ビザを所有している留学生は就労が許可されています。オーストラリアでは学期中、2週間で40時間まで働くことが可能です。学校の休暇中はフルタイムで働くことも可能です(参照:オーストラリア内務省)。
短期の学生ビザでは、留学生の就労は許可されていません。長期の学生ビザを所有している留学生の場合は、専門学校レベルでは週10時間、学士以上のレベルであれば、週20時間までの就労が許可されています(University of Bath)。
費用は滞在期間、場所、生活スタイルなど、どの学校を選ぶかということによっても変わります。オーストラリア政府はビザ申請時に、生活費や学費、帰国時にかかる旅費を最低限持っているか、滞在中に工面できるのかということを確認していますので、オーストラリア政府が推奨する最低限の生活資金を証明する必要があります。詳細は別ブログ「オーストラリアの留学費用と予算【学生ビザ編】」をご覧ください。
オーストラリアの学生ビザには年齢や滞在年数制限がないため、柔軟な留学プランをたてることが可能です。例えば、語学学校への留学から始まり、オーストラリア政府運営の専門学校TAFE(テイフ)に進み専門知識、技術を身に着ける道や、オーストラリアの大学に3年間進学し、学位を取得するという道もあります。
費用は留学期間、場所、生活スタイル、どの学校を選ぶかということによっても変わります。イギリス政府は、ロンドンで学ぶ場合は月1,334ポンド(約20万円/1ポンド150円換算)、郊外で学ぶ場合は月1,023ポンド(約15万円/1ポンド150円換算)の滞在費を賄える額を最低限所有している事を推奨しています。
イギリスの学生ビザは学ぶレベルによってもビザの種類や最大滞在可能期間が異なりますので、賢く学習プランを練る必要があります。短期の学生ビザで語学学校に入学し、必要な英語力をつけた後、長期学生ビザに切り替えて、専門学校に進み専門知識、技術を身に着ける道や、世界レベルの名門大学で学位を3年間で取得することを目指して留学する道もあります。
「オーストラリア、イギリスの違いはよく分かったけれど、実際にどのようにビザを申請したらよいのだろう?」「やっぱりまだ留学、ワーホリに行くべきなのかよく分からない」などとお思いのそこのあなた。留学・ワーホリは誰にとっても一大決心です。疑問点、心配事などたくさん出てくると思います。
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