TAFEと専門学校の特長を比較する
昨日のブログ記事で、ここ最近のオーストラリアにいらっしゃる日本人留学生の動向として、きちんと今後の事を見据えて就学していきたい、必要な適した資格を取りたいと思われる方々が増えているお伝えしました。今日はそれに続いて、では、実際に就学するにあたって、どういった機関が良いのかなどをお伝えできればと思います。
オーストラリアで語学学校の次に進学をする事として考えられるのが、TAFEや専門学校です。もちろん大学もありますが、大学は学費がとても高い事と、ハードルがやや高めとなるので、ここでは多くの方にかなえられる内容として、TAFEと専門学校に関してお伝えをしていきたいと思います。因みに、TAFEや専門学校の方が実は大学より、実践的なことを学習できることが多いのでその意味でもとてもいい選択肢となります。
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TAFEとは
TAFE はTechnical and Further Educationが正式名称でその頭文字を取った代名詞です。義務教育や高校卒業後、社会人になっても学習できる州立の職業訓練学校です。また、Technicalと書いてあるところが、TAFEらしい雰囲気を出しているかなと思いますが、より実践的なことを学習できる機関です。
オーストラリア全体で100校以上あり、コースの内容も多く、学習している90%以上が現地のオーストラリア人とも言われています。
またTAFEは、結構タイムリーに今現在の職業や業界のトレンドに敏感で、それに合ったコース設定やスキルを身に着けられるようにしていることなどから、すぐに働ける人材育成に心がけ、また、コース内容に関連してその業界で実地研修もできる設定が多いなど、実践的なところもTAFEの魅力です。そして、学習環境の設備もとても整っているところも魅力的になるのではと思います。
なお、州立と言いましたが、それぞれの州で管轄しており、同じコースでも各州のTAFEで開講されていたり、されていなかったりします。また、インターナショナルの学生も受け入れてくれるコースも多々ありますが、インターナショナルの生徒には開講していないコースもあったり、その扱いも各州のTAFEによって様々です。つまり、自分の住んでいる州のTAFEで勉強したいコースが開講されていたとしても、それはインターナショナルの学生には開講されていなかったり、同じコースでも他州のTAFEでは開講されていたりと少しややこしいところがあります。
また、オーストラリア人に対する授業料は安く設定されていたり、ガバメントからのサポートを受けられたりしていますが、インターナショナルの生徒には基本的にそれはありません。これらの事も知っておくといいと思います。
専門学校とは
TAFEも広い意味では、専門分野が学べるので専門学校なのですが、ここでいう専門学校とは私立の専門分野を学ぶ学校の事で州立であるTAFEに対して私立であるという事の意味合いがまずあります。
英語で言うとVocational Education and Training、良くVETコースなんて呼ばれていますが、それはこの頭文字を取った呼称となります。
もう一つ日本人にとって知っておいた方が良い事としては、日本でいう専門学校とは種類が違く、時に日本では、専門学校は大学等と比べて低い位置に見られることもある様ですが、オーストラリアの専門学校はそういった意味合いではなく、文字通り専門分野を学習できる私立の学校であり、取れる資格も州立のTAFEとも変わらない内容となるので、専門学校に行ったからといって就職先が不利になるとかそういったことは一切ありません。
専門学校もTAFEと同様に、多くのコースを持っています。ただ、TAFEは州が管轄していますが、専門学校は学校自身が管轄しコースを提供していますので、各学校の色が出たコース提供となります。つまり一つの専門学校でTAFEと同じくらいのコースの種類を持っているというわけではありません。
なお、一般的に専門学校はインターナショナルの学生を受け入れてくれるように設定している学校が多く、従って、オーストラリアのローカル学生も学習していますが、インターナショナルの学生も多く学習している事も特長的です。
州立と私立という違いはあるものの上記の通りに両方とも専門分野を学習できる機関です。そして仮に同じコースであった場合は、同じ資格が取れます。そこに何も差はありません。
オーストラリアの教育機関は、これらTAFEや専門学校含めて、オーストラリアのAQF(オーストラリア・クオリティフィケーションズ・フレームワーク)と言うところが定めるオーストラリアの教育制度の修了レベルを規定したものに準じて修了するレベルが定められています。
CertificateⅣとか、Diploma、Advanced Diplomaなど聞いたこともある方も多いと思いますが、各コースを修了するとそれらの資格(証明書)が発行され、それが就職や進学等に活かされる内容となります。そしてその資格自身はTAFEで取得しようと専門学校で取得しようと同じものとなります。つまりその意味ではどちらに行っても何も変わらないという事となります。
日本人の留学生の方がたまにおっしゃることで、公的なものと私立であることの印象があります。同じ資格でもTAFEは州立、つまり公的な機関からの資格だから、そちらの方が価値が高い、より正式なものと感じられる方もいらっしゃいます。そのお気持ちはわからなくもないですが、上記の通りに資格自身には何も変わりはありません。
もっと詳しく修了する際のレベルCertificate等のランクを知る
前述の通りに基本的には学習できる内容も取れる資格も一緒なのでその意味での違いはありません。では、何が違ってくるのでしょうか。それぞれの切り口から違いを挙げていきたいと思います。
間違いなくTAFEの方が豊富なコースを取り揃えています。従ってご自身が勉強したい分野を勉強することができると思います。ただ、インターナショナルな学生が学ぶ分野は、細かく多岐に亘ってそこまで求められているとは必ずしも言いづらく、一般的な基本的な分野は十分に専門学校でも取り揃えられています。従って、コースの豊富さは間違いないのですが、インターナショナルの学生が専門学校では学べないというコースは基本的には少ないのではと思います。
また、コースが豊富にあってもインターナショナルの学生用に開講していないものもあるなど、単にコースの豊富さからTAFEがインターナショナルの生徒に対して優れているとも言い難い点もあります。
TAFEは州立ですので、それこそ州内のいたるところにキャンパスを持っています。一方専門学校は基本的に都市部にキャンパスを持っている傾向が強いので、その違いがあります。TAFEは従って、オーストラリア全土に亘って多くの場所でコースが開講されている可能性があります。
最近の日本人留学生の傾向として、必ずしも都市部に住んでいるとも限らない点があります。従って、その住んでいる地域で勉強をしたいとなった場合、専門学校はそもそもその地域にはないこともあり得るので、その意味ではTAFEは身近に感じられるかもしれません。
ただ、その場合でも注意をした方が良いのは、仮に近くにTAFEのキャンパスがあったとしてもそのキャンパスでご希望のコースが開講されているとは限りません。都市部に行かないと受講できないという事は軽減されると思いますが、必ず近くのTAFEにご希望のコースがあるとも限りませんのでご注意ください。
一部そうとも言い切れないコースもあるかもしれませんが、基本的には間違いなく専門学校の方が安いです。以下に多くの皆さんが選択されるコースをサンプルとして比べてみましょう。
DIPLOMA OF MARKETING AND COMMUNICATION
TAFENSW: 13620豪ドル
専門学校: 6000豪ドル
※専門学校は多くの学校がありますがおおよそこの費用です、キャンペーンがある場合はこれよりも安いです
Commercial Cookery package
・Certificate IV in Commercial Cookery
・Diploma of Hospitality Management
TAFENSW: 26780豪ドル
専門学校: 16000~23800豪ドルなど
※専門学校は多くの学校がありますがおおよそこのレンジ費用です、キャンペーンがある場合はこれよりも安いです
以上のように授業料は、基本的に専門学校の方が安い設定となっていることが多いです。
TAFEは毎年、2月と7月の設定となり、またコースによっては2月のみという事もあります。一方、専門学校は基本、1、4、7、10月期の年4回あり、また、各学期の中間あたりにMid-termという入学時期を設定している学校やコースもあります。
このいつの時期に開講するかは、留学生にとると結構大事です。それは、皆さんそれぞれ個々の現在お持ちのビザの期限があると思いますが、基本的にそのビザの切れたあと28日以内までに開始するコースでないといけません(どのビザからなどにより条件は異なります)。
従って、TAFEの場合は、毎年2月か7月なので、その近辺でたまたまビザの有効期限が来ないと直接に入学することが難しくなります。そして、もしそれが難しい場合は、TAFEのコースが開講するまで何かコースをはさまないと学生ビザを維持することができません。
専門学校は、上記の通りに最大年8回の開講設定があるので、恐らくそのどれかにうまく適して直接に入学をすることが可能となります。よって、この入学時期の利便性に関しては、恐らく圧倒的に専門学校の方が良いと言えるのではないかと思います。
前述していますが、TAFEの方が圧倒的にオーストラリア人の割合が多いです。一般的に90%以上がオーストラリア人と言われていますので、まさしくオージーに囲まれて授業を受けたい場合は、TAFEの方が良いかもしれません。その目的の場合はTAFEの方が良いでしょう。ただ、気を付けることとして、90%以上オーストラリア人という事は、授業以外の普通の普段の会話もネイティブレベルで学生同士は話しており、授業も然り、彼らのペースで進んでいきます。つまり留学生に対する英語的な配慮やサポートなどは考えるところではないという環境となります。従って、それだけ高い英語力を持ち合わせていないと、結構大変な環境となります。
もちろん少なくとも先生には質問できる場面もあり、留学生という事でサポートはあると思いますが、留学生同士が持つ授業への悩みや問題などは学生同士では基本は共有できないので、本当にオージーと一緒に何事もしていく覚悟や英語力が必要となります。
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いかがだったでしょうか。結論から言うと、皆さんが希望される機関を選択されていかれればいいので、本当にどちらでもいいのではと思います。ただ、入学日の利便性や費用を考えると専門学校の方に分があると思います。地方に住んでいらっしゃり、そこでしか勉強をしたくないというお気持ちが強い場合はTAFEの選択となる傾向が強い気がしますが、それ以外の項目を比べた時には、やや専門学校の方が留学生にとっていい点が多かったり、現実的であったりするのかなと思います。
取れる資格は同じです。従ってそれをどこで取りたいかという事となると思いますが、上記の項目が選択する際のチェック項目となると思いますので、ご自身がどうお感じになっているかなどで決定をされていくといいのではと思います。
個人的には、専門学校の方が留学生の皆さんにとっていろいろと有利であると思いますし、学校も先生も留学生の気持ちも理解してくれる状況ですのでいいのではと思います。また、留学生のみではなくローカルのオージーも勉強している学校でもあるので、オージーと一緒に勉強したいという事も叶えられるのではと思います。
ただ、TAFEは相当な英語力を持っている人や、そういった環境で大変だったとしても是非やり遂げてみたいなどお考えの方、TAFEしか周りにない、たまたま開講日のタイミングがあったなどの方々にはTAFEの選択は十分にあるのではと思います。
もちろん個々の目的や状況によりどのようにされていくかは異なると思いますので、ご興味のある方はまずはお気軽にお問合せください。そして、その後いい形でプラン立てをしていきましょう。
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