2019年末から続く新型コロナウイルスの世界的な流行は、全世界の人々のライフスタイルはもちろん、多くの人の人生そのものを大きく変えた出来事です。
近年、新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が始まり、ワクチン接種が進んだ国では以前のようなマスクなしでの生活ができるようになった様子などが紹介され、楽観的なムードが漂ったのも束の間、デルタ株などの変異種の出現で再度規制が敷かれるなど、状況はまさに一進一退で、常にめまぐるしく変わっています。
このようなコロナ禍で、人の移動や接触が大幅に制限される中で、多くの国で外国人の入国を禁止しており、海外渡航や留学大変困難な現状です。
しかし、多くの人たちが留学を目指して今まで努力し、再開を待ち望んでいるのも事実。
今留学に行かなければ、今後まとまった時間を取るのは難しい、今なんとしてでも留学に行きたい、どうすれば留学にいけるのか、悩み、情報を求めている人も多いでしょう。
ここでは2021年7月現在の留学地の受け入れ状況をまとめました。
状況は常に変わり、今日できたことが明日にはできないという状況ではありますが、現在の各国のコロナの状況を知り、留学の計画に役立てて頂けたらと思います。
国・都市名 | 日本からの渡航 | 留学 | ワーホリ | 備考 |
フィリピン | × | × 留学不可 | ワーホリ非協定国 | |
マルタ | △ | ワーホリ非協定国 | 全面オランイン授業。陰性証明と指定ホテルでの14日間の隔離必要 | |
オーストラリア | × | × | × | 学生ビザの申請再開(渡航はできない) |
ニュージーランド | × | × | × | |
アメリカ | ◯ | ◯ | ワーホリ非協定国 | |
カナダ | △ | ◯ | △ | 学生ビザでの渡航のみ可 |
イギリス | △ | ◯ | ワーホリ非協定国 | 陰性証明と自己隔離が必要 |
2019年末からの新型コロナウイルスの世界的な流行で、留学の中断や、留学の延期、または中止を決断した人も多いでしょう。それぞれの国が入国できるのか、いつから留学を受け入れるのか、今のコロナの状況はどうなのか気になる所です。
ここでは人気の留学先のコロナの状況と、留学の受け入れ状況を見てみます。
フィリピンへの留学は、現状は大変厳しい状態です。2020年3月から観光ビザの発給は停止しており、外国人は特別なビザや許可がなければ、入国ができない状況です。
フィリピンのコロナの状況は、7月31日時点で、新規感染者8,147名、患者数60,887名と依然として高い水準です。
フィリピンでは2020年3月から現在まで、世界最長と言われる500日を超える都市封鎖=ロックダウンを行っていますが、現在も特にマニラを中心とする首都圏での新規コロナ感染者がなかなか収束しない状況が続いています。
コロナワクチン接種は、現職のドゥテルテ大統領が「コロナワクチン接種を拒否するものは逮捕する」という発言が出るほどに遅々として進んでいない状況です。(実際は逮捕されることはありません。)
語学学校の多いセブ島では、コロナ感染者の数が比較的落ち着いた状態が続き、コロナワクチン接種を完了した認められた国からの観光客は受け入れを開始しようという動きがあった流れで、留学の再開が見込まれていました。
しかし7月末にデルタ株が確認され、8月1日からはより一層厳しい規制が敷かれることになりました。
現状フィリピンでは留学に必要な観光ビザの発給を行っていないため、現在は留学の受け入れの先行きは不透明と言わざるをえません。
地中海に浮かぶ島国マルタ共和国は、早期より行われたコロナ対策を行い、抑え込みに成功し、認められた国からの外国からの訪問客を受け入れてきました。そして現在もそれらの国からの外国人学生の留学を条件付きで継続しています(入国可能な国リストはこちらをご参照ください)。
現在マルタへ隔離なしで入国し留学ができるのは、承認されているコロナワクチン接種証明書を提示できる人のみです。承認されているコロナワクチン接種証明書を提示できない人は、入国と同時に自己負担で指定のホテルでの14日間の隔離が必要です(最低1,400ユーロ)。
日本でのコロナワクチン接種証明書は認可されていないため、日本でコロナワクチンを接種した人は、14日間の隔離対象になります。
認可されているワクチン証明書(7月15日現在)(引用:マルタ観光局)
ただしマルタへは現在入国可能ではありますが、7月14日〜現在まで語学学校はオンライン授業のみの実施となっている点は要注意です。
オーストラリアでは初期の頃よりコロナ対策として厳格な対策が取られ、コロナの状況は他国に比べ大変落ち着いていると言えます。
しかしオーストラリアへの入国は2020年3月20日以降、オーストラリア国籍者や永住者とその近親者(配偶者、未成年扶養家族、法的保護者など)などの一部を除き、一般的な外国人は入国が禁止されている状況です。ただしニュージーランドからは入国が可能です。
コロナの状況は、他国に比べて感染者は少なく、0という州もありますが、先日シドニーではクラスターが発生し、シドニーのあるニューサウスウェールズ州はロックダウンを実施し、外出制限が課せられています。(2021年8月28日まで予定)
メルボルンのあるビクトリア州では変異株の感染が拡大したことを受け、7月15日〜7月27日までの外出制限が実施されました。
現在、オーストラリアに入国はできないものの、学生ビザ審査は行われています。
オーストラリア国内での学生ビザ審査も行われています。
ただしビザが発給されたとしても入国ができるというわけではないので注意が必要です。
学生ビザ保持者で一部例外的に入国が認められているビザもありますが、一般的な学生ビザ保持者は入国は認められていません。
その他2020年7月に発表された措置では、コロナの影響を受けた人たちへの学生ビザ発給についての特例措置が発表されています。(在オーストラリア日本国大使館による記事から抜粋)
(参照:オーストラリア政府発表)
現在、日本でのワーキングホリデービザの新規審査は一時保留中です。
しかしコロナの影響でワーキングホリデービザで渡航ができなかった、もしくはコロナの影響で早期帰国せざるをえなかった人へは、ワーキングホリデービザの再申請の受付が始まっています。
またオーストラリア国内でのワーキングホリデービザは受付・審査継続中です。
ニュージーランドでは早期より徹底したコロナ対策が敷かれ、現在のコロナの状況は感染者も大変少ない状況です。
8月1日の時点で今までコロナに感染した総感染者数は2,873名で、新規感染者は5名、現在のコロナ陽性患者数は36名です。いずれも海外から入国した人であり、国内でのコロナ感染は2021年2月28日以来確認されていません(ニュージーランド保健省のサイト参照)。
ニュージーランド国内のアラートレベルは4段階中一番下のレベル1であり、安定した状態と言えます。
国内のコロナの状況は安定しているものの、現在ニュージーランド国籍者や永住者、その家族以外の外国人の海外からの入国は禁止されており、渡航再開時期については不明です。
ニュージーランドの学生ビザはコロナの影響により、現在2022年2月6日まで受付が停止されています。
ニュージーランドのワーキングホリデービザはコロナの影響により、現在2022年2月6日まで受付が停止されています。
ニュージーランド入国前で、すでにワーキングホリデービザを取得済みの場合も、有効期限の延長については未定です。
すでにニュージーランドにワーキングホリデービザで滞在していて、2021年6月21日〜12月31日の間にワーキングホリデービザが失効する場合は、6ヶ月間の期限延長が可能になっています。
アメリカでは2021年前半に、1日の感染者数が30万人を超えるなど、コロナ感染が拡大しましたが、コロナワクチンの接種が進んでいることから、一時期感染者数は急減しました。
現在は再度増加傾向にあり、今後の動きに注視が必要な状況です。
アメリカのコロナの状況には今後も注意が必要ではありますが、アメリカへは日本から渡航が可能であり、ビザ申請および審査、ビザ発給も行われているため、留学が可能な状況です。
ちなみにアメリカ本土への渡航時は、入国後14日間の自主隔離が必要です。ハワイは隔離不要となっています。
教育機関は再開しており、大学などの高等教育機関はもちろん、多くの語学学校でも対面授業が実施されています。
多くはオンラインと対面授業を組み合わせたハイブリッド式での運営ですが、一部では完全に対面授業を再開している学校もあります。
カナダでは2020年末〜2021年初めにかけてコロナ感染者が急増しましたが、コロナワクチン接種が進み、コロナ感染者は減少傾向にあります。
現在7月30日時点ではコロナ患者が0という州もある一方で、バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア(BC)州などでは7月30日の新規コロナ感染者が243名と3桁になる日が続いており、注意が必要な状況です。
しかし、現在カナダは外国人の受け入れとビザの発給を行っており、カナダへの留学は可能な状況です。
現在、カナダに留学する際には、短期・長期に関わらず、学生ビザの取得が必須となっています。
以前は6ヶ月未満の場合は、学生ビザは不要だったのですが、現在は6ヶ月未満のプログラムでも学生ビザの取得が義務付けられています。
7月19日にカナダ政府より、状況が良い状態が続くのであれば、9月7日以降、カナダ政府が認可するコロナワクチンの2回の接種を、カナダ入国14日以上前に完了している全ての外国人の入国を認める方向であるとの発表がありました。これにより6ヶ月以下のプログラム参加がより容易になります。
また現在行われている政府指定ホテルでの到着後3日間の隔離を含む14日間の自主隔離も不要になる予定です(参照:カナダ政府発表)。
カナダ政府が認可しているコロナワクチンは以下のブランドになります。
これに先駆け、8月9日からはアメリカに居住するアメリカ国籍者や永住者に同様の対応を行い、観光客受け入れに一歩踏み出しています。
現在もカナダのワーキングホリデーはビザを発給しています。
ただし渡航の際には雇用契約書(Job Offer Letter)が必要です。
イギリスでは、渡航制限をグループ分けしており、日本は「アンバー」リストの対象になっています。そしてアンバーリスト対象の国の国民はイギリスに入国が可能です。
現在、アンバーリスト対象国には、観光ビザ(6ヶ月未満の短期留学)、短期学生ビザ、学生ビザ、YMSビザともに発給されています。入国時には3日以内に検査をしたPCR陰性証明などの必要書類を出し、10日間の隔離を経て、学校に入学が可能です。
学校では対面授業が実施されています。
イギリスのコロナの状況は、2020年末から2021年初めにかけてコロナ感染者が急増し多くの感染者を出したものの、コロナワクチン接種が進んだことで、大幅に減少していました。
コロナワクチンの接種率は、7月30日時点で1回目の接種完了者が全体の約70%強、2回目の接種完了者は60%近くになります。
しかし6月〜7月中旬にかけてデルタ株の感染が広がり、半年ぶりに1日の感染者が5万人を超えるなど、状況は不安定ではありますが、7月末ごろからコロナの新規感染者数は減っており、ピークアウトしたともみられています。(7月27日付けのロイター通信の報道より)
イギリスでは、コロナ新規感染者数やコロナ患者数は他国に比べても依然として多い状況ではあるものの、7月19日には大半の規制を撤廃し、規制の段階では最も低い段階であるStep 4に移行しています。
マスクの着用義務やソーシャルディスタンスの実施、集会の制限がなくなり、対面授業の全面的な再開、屋内外全ての施設がオープンするなど、日常が戻りつつあります。
6ヶ月未満の短期留学で必要な観光ビザ、短期学生ビザ、学生ビザともに発給されており、渡航時に3日以内に取得したPCR検査での陰性証明とその他の書類を提出して入国が認められます。
学校では対面授業が実施されています。
イギリスのワイーキングホリデービザ(YMSビザ)は、2021年は日本国籍者に合計1,500枠が割り当てられました。
2021年度の募集は7月14日で締め切りとなり、今年度の応募は出来ませんが、イギリスでのワーキングホリデーを目指している人は、2022年度の募集情報を随時チェックしましょう。
現状、アメリカやカナダ、イギリスなど一部で外国人の入国が可能で、留学ができる国もありましたが、いつどのように状況が変わるかわからない中で、留学延期を余儀なくされている人も多いことでしょう。
しかしいつか再開される留学に向けて、今取り組めることを取り組むことで、実際に再開したときにスムーズに渡航と入学手続きができます。
コロナ禍の今だからこそ取り組むべきことを見てみましょう。
今後、海外の多くの国で入国の条件の一つにコロナワクチン接種完了していることが入ってくる見通しです。
コロナワクチン接種が完了していないと、留学はもちろん海外に行くのも難しくなる可能性は否定できません。
日本でもコロナワクチン接種が進んできているので、機会があればコロナワクチン接種を終わらせておきましょう。
政策や対策が朝令暮改で変わる昨今なので、予告なく門戸が開く可能性もあります。
コロナワクチン接種が終わっていれば、留学が再開した時にコロナワクチン接種の時間を待つことなく手続きが進められます。
今はなかなか海外への渡航が困難な時期です。入国ができる国でも航空便が限られているなどで飛行機の予約が難しい場合もあるでしょう。
現実的に渡航や留学が難しいのであれば、今できることを済ませておくことが、海外渡航と留学への一番の近道です。
そのうちの一つが留学資金を作ることです。
留学では学費や生活費を見積もって持っていっても、意外な出費などで費用が予想以上にかさむこともあります。
日本国内にいる今はそんな時に使える留学資金を作るチャンスでもあります。
留学への準備期間が十分に出来たと考えて、資金作りを進めましょう。
留学は「英語を学ぶ」だけでなく、その国に行って生活をしながらの異文化体験、海外の人たちとの交流、自身の知見を広めるという側面も大きな部分です。
さらに「英語を学ぶ」という側面も、基礎英語ではなく、教科書には出てこない応用や日常会話、そして高度な英語の使い回しを学べることが留学の大きな利点です。
そのような意味でも、留学で基礎英語を学ぶのは大変「もったいない」状態です。
留学までに時間ができた今だからこそ、基礎英語力をつけるチャンスです。
基礎英語力を培うためのオススメ方法をご紹介します。
英語の基礎力を上げるのに、独学で教科書や参考書を開くのも良いですが、最も効率的かつ効果的なのは、日本人のコーチのいる英語コーチングを受けることです。
英語コーチングでは、英語学習のプロが受講生ひとりひとりの強みや弱点を見極め、最適な学習法を提示してくれます。コーチは段階段階での勉強法や進捗も管理してくれる、いわば英語学習のガイドであり伴走者です。
独学で迷いながら行くよりも、ゴールを見据えて導いてくれるコーチングで効率よく効果的に英語に取り組むことで、限られた時間で基礎英語力を構築し、実際に留学が再開した時に英語+αを得られやすくなります。
独学やオンライン英会話などに比べると費用はかかるのですが、一生のうち何度もあるわけではない留学で、最大限のものを得るために基礎英語力の構築は重要です。
そのような意味でも英語コーチングは、自己投資としても一石二鳥以上の価値があると言えます。
留学に行ってから、TOEICなどの英語検定を受けて、英語力の証明にしようと思っている人は多いでしょう。
しかしTOEICなどの英語検定は、ある程度対策が必要で、試験の形式を知ること、試験に慣れている事が重要です。
そのような試験対策の勉強を留学中にやるのは時間と機会の損失だとも言えます。
留学中は今その国、その場所でしかできない事、触れられない事を体験し自身の成長の糧にしていく時間です。
TOEICを上げなければいけない、TOEICで高得点を取って英語力の証明にしたいと思っている人は、留学前にTOEIC点数保証コースを実施している機関で得点を取得していくことをお勧めします。
点数取得というだけでなく、TOEICの勉強をすることで英語力の向上も図れますので、留学準備としても最適と言えるでしょう。
留学への準備として、現地校のオンライン留学コースに申し込むこともオススメです。
現在、多くの学校でオンライン授業を提供しています。オンライン授業の利点は、海外からでも参加できる事です。
オンライン留学コースは渡航する必要がなく、現地の先生や、世界各国からの受講生が集まりますので、オンライン上でも現地の雰囲気をつかむ事ができます。
留学再開事に、いきなり何も知らない場所に行くのと、オンラインからでも現地の雰囲気を感じているのとでは、馴染みやすさに大きな違いが出てきます。
オンライン授業を対面授業と同じ先生が兼任しているのであれば、現地でその先生に会うという楽しみもできます。
オンライン留学は通常対面授業での学費よりも安価であることが多いので、費用面でもお得感があります。
決めている学校があって、その学校がオンライン留学を行っているのであれば、参加してみる価値は十分にあると言えます。
行く予定の学校にオンライン留学がなくても、他の学校やサービスでのオンラインサービスを利用して、現地について知っておく事は留学前に大変有益です。
是非試してみましょう。
コロナの流行が収束しない中、世界的に留学や外国人を受け入れている国は多くはなく、またそれも制限がある場合が多い中ではありますが、それでも多くの国が外国人の入国や留学生の受け入れに対応を模索し、前向きに対策が練られています。
しかしながら、現地ではコロナ前の情報がほとんど役に立たないほどに、コロナ前とコロナ後では状況が大変大きく変わっています。
また留学が再開した後も、どのように状況が変わるか不安定な部分もあります。そういう意味でも留学には現地オフィスを持って、現地の情報に明るいスタッフのいる留学エージェントを選ぶとより安心です。
留学エージェントはコロナ禍の今でも、各人気留学国の留学アドバイスを無料で受け付けていますので、気になる事がある人は、気軽に問い合わせしてみましょう。
世界を一変させた新型コロナウイルスのパンデミックは、オンラインやリモートを当たり前にさせ、海外渡航は制限されているものの、オンラインで世界と繋がるのが当たり前の世界の更なるグローバル化を一気に押し進めたとも言えます。
日本企業でも現地外国人スタッフの雇用、海外との繋がりがより一層強まる中で、英語人材の需要は増すばかりです。
コロナの影響で留学を延期している人や、再開を待っている人たちは、一生のうち何度も行ける留学だからこそ、行ける時を待つ間に留学の準備を充分に行いたいものです。今ある環境で、できる事をすることで、留学の期間の充実度が大きく変わります。
今できる事を腐らずにやることが、留学再開時に大きく実を結びます。是非一緒に取り組んで行きましょう!
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