以前、シドニー工科大学(UTS)の人気トップ学部のうちの一つ、「デザイン・建築・建設学部」の中の「デザイン学」をご紹介しました。

工科大学と言っても、Faculty of Design, Architecture and Building (DAB)「デザイン・建築・建設学部」は2022年度世界ランキングトップ30位に入るほどの高い質と専門性を誇る学部です。

今回は、その中の「建設学」についてご紹介したいと思います。

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前回記事：世界大学ランキング入りのシドニー工科大学（UTS）でデザイン学を学ぶ

＠UTS website：Brent de Ranter

建設学

School of Built Environment「建設学部」のUndergraduateコースは

• Bachelor of Construction Project Management（建設プロジェクトマネジメント）
• Bachelor of Property Economics（不動産経済）

の２種類があります。必須科目のうち、３つのコア科目を２コースの共通科目としているので、１つのエリアのみでなく専門知識を体系的に学ぶことが可能です。

オーストラリアではどの州でも次から次へと建設が行われているので、常に雇用先があり人手を必要としている業界です。

UTS Construction Project Management graduates enjoy employability rates and starting salaries that are among the best in the country.

とUTS大学サイトに記載があるように、オーストラリアで建設プロジェクトマネージャーとして就職した場合、給与が国内最高峰である職業のうちの一つです。例えばConstruction manager（建設マネージャー）の給与は$131,464、時給換算だとなんと $67.42。

＠talent.com

現場マネージャー、プロジェクトマネージャーなどの同業職種の中でもかなり高額の方ですね。

授業内容

例えばBachelor of Construction Project Managementでは、合計192単位学習します。そのうち168単位がコア科目、24単位は選択科目で構成されています。

First Year/1年次

• Introduction to the Built Environment（構築環境概論）
• Construction Industry Economics（建設業経済学）
• Construction Technology 1（建設技術1）
• Construction Law & Ethics（建設法規＆倫理）
• Digital Built Environment（デジタル建設環境）
• Materials Science（材料工学）
• Sustainable Urban Design and Development（持続可能な都市設計・開発）
• Construction Technology 2（建設技術2）

Second Year/2年次

• Structures（構造）
• Construction Project Management Principles（建設プロジェクトマネジメント規範）
• Site Establishment and Management（現場確立・管理）
• Digital Design and Construction 1（デジタル設計・建設1）
• Cost Management 1: Measurement（コストマネジメント1：測定）
• Construction Technology 3（建設技術3）
• Time Management（タイムマネジメント）
• Integrated Services（インテグレーテッド・サービス）

Third Year/3年次

• Risk and Safety Management（リスク・安全管理）
• Cost Management 2: Estimating（コストマネジメント2：見積）
• Design Team Management（設計チームマネジメント）
• Procurement and Contract Management（調達・契約マネジメント）
• Construction Technology 4（建設技術4）
• Cost Management 3: Cost Planning（コストマネジメント3：コストプランニング）

Fourth Year/4年次

• Property Accounting and Financial Management（財産勘定・ファイナンシャルマネジメント）
• Digital Design and Construction 2（デジタル設計・建設2）
• Cost Management 4: Advanced Cost Management（コストマネジメント4：アドバンスコストプランニング）
• Corporate Social Responsibility and People Management（企業の社会的責任・ピープルマネジメント）
• Professional Practice（プロ演習）
• Project Management Integration（プロジェクトマネジメント統合）

コース就学中に、建物の測量や建築、経済学、建設管理、現場管理、構築テクノロジー、設計管理、デジタルテクノロジー、プロジェクト・ファイナンス、プロジェクト経営、不動産開発、数量調査（積算）、持続可能な開発などを学びます。

同大学のDAB学部にはGlobal Studio制度が設けられています。Global Studioとは、教授によって導かれる2-3週間のショートスタディートリップで、世界中のアイコニックな建築物を訪れたり、その国の地元企業とのワークが出来たり、その分野で傑出した専門家とお話ができる機会があるカリキュラムです。

Construction for Developing Communitiesという選択科目を取っているConstruction Project Managementのコース受講者は、オーストラリア国内外でのボランティアプロジェクトに携わることが可能です。

＠UTS website　カンボジアでボランティアプロジェクトとして家を建築する生徒たちの様子

また、同コースは下記の認定団体に認可されたコースです。

• Australian Institute of Quantity Surveyors (AIQS)
• Australian Institute of Building (AIB)
• Royal Institution of Chartered Surveyors (RICS)
• Project Management Institute (PMI)

卒業後には、オーストラリア国内外で通じる即戦力が身に付くことが期待されます。

実際の建設現場が一人一人が個人で作業するのではなくたくさんの人とのつながりを持つ仕事のように、建築/建設学のコースは、個人作業よりもグループワークの方が多いです。また、実地での実習（hands-on practice）が含まれているため、実際の現場経験を積むことが出来るのも魅力です。

また、同コースには少なくとも200日のインターンが含まれています。ほとんどの場合が有償インターンで、建築請負業者及びコンサルタントと一緒に作業を進めていく雇用機会がもたらされるので、実践的な実習・実技が出来る環境にあります。

卒業後のキャリアについて

こちらのコース卒業後のジョブタイトルは：

• Construction manager（建設管理者 ）
• Contract manager（コントラクトマネージャー）
• Cost engineer（見積専門技師）
• Estimator（エスティメーター：見積士）
• Project manager（プロジェクトマネージャ）
• Property developer（不動産開発業者）
• Quantity surveyor（建築積算士）
• Site manager（現場管理者）

などが挙げられます。

Cost engineer（コストエンジニア）とは、建設プロジェクトを始める前の段階で、プロジェクトの見積もり作成、プロジェクトによる利益の予測、潜在的なリスクやリソース割り当てに関しての洞察をする職業です。彼らの洞察のおかげで、プロジェクトマネージャは正確にプロジェクトの予算立てやスケジュール作成を行えます。つまりプロジェクトが予算内でスケジュール通りに進めるために重要な役割を担っています。

Quantity Surveyor（建築積算士）とは、建築物の工事費を算定する職業のことです。所有者、開発者、銀行、請負業者、建設業者と緊密に協力することによりプロジェクトの設計、建設、解体、用途変更に至るまでの建設コストを見積もります。

上記の情報はすべて2022年12月時点での情報です。