オーストラリアの有名大学はどこ? レベルは高い? オーストラ...
オーストラリアには、世界大学ランキングでも上位にランクインする有名大学が数多くあります。留学先の大学のレベルは、その後…
日本で保育士として働く方や、いま資格を取ることを目指す方の中には「海外でも保育士の資格を活かして働いてみたい!」と考えることも少なからずあるでしょう。
実はオーストラリアでは深刻な保育士不足が問題視されており、保育士の需要が高まっています。これに伴い、最低賃金が日本より高いにもかかわらず、給料や待遇がさらに良くなっている状況です。
本記事では、オーストラリアで保育士として働いた場合の給料や必要な資格、求人の探し方を紹介します。
この記事を読めば、日本と比較してオーストラリアでの保育士の待遇はどうなのか、現地で保育士として働くにはどのような準備が必要なのかがわかります。
オーストラリアでの保育士の仕事や給料に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
保育士の給与額は、以下の項目によって異なります。
ここでは、オーストラリアと日本の最低賃金と保育士の平均賃金を見ていきましょう。
オーストラリア | 日本 | |
最低賃金 | 23.23豪ドル(約2090円) | 961円 |
保育士の平均年収 | 59,500豪ドル(約535万円) | 約332万円 |
2023年7月時点でオーストラリアの最低賃金は23.23豪ドル(約2090円)になります。日本の最低賃金は地域によって異なりますが平均して961円と、オーストラリアに比べると半分以下です。
また保育士の賃金を見ると、オーストラリアの平均年収は59,500豪ドル(約535万円)のところ、日本では約332万円です。こちらも約1.5倍と大きな差があります。
最低賃金と平均年収から、オーストラリアの給与水準は日本より高いことがわかります。
※1豪ドル = 90円で換算
参考:Minimum wages
参考:最低賃金(地域別最低賃金 全国加重平均額) 1975年度~2022年度
参考:Child Care Worker average salary in Australia, 2023
参考:保育士等に関する関係資料
オーストラリアの保育士の給料は保育士資格や学位によって異なります。また、働くポジションごとにも給料に違いがあるので知っておきましょう。
主な保育士のポジションはカジュアル・副担任・担任の3種類です。それぞれ見ていきます。
「カジュアル」とは保育補助のことです。常勤の保育士が休みの時に保育補助をします。
オーストラリアの保育士資格には3種類ありますが、そのなかでCertificate IIIと呼ばれる資格が必要です。Certificate III取得のための学校在学中から働けるケースもあります。
保育士の給料は、持っている資格や経験、年齢によって異なります。カジュアルの場合、有給休暇がなく仕事が不定期のため、25%上乗せされます。主な保育士のポジションのなかで最も高い時給です。
保育士資格によって平均で以下のように時給相場が異なります。
Certificate III | 32.73豪ドル〜 (26.18豪ドル+25%上乗せ) |
Diploma | 38.55豪ドル〜(30.84豪ドル+25%上乗せ) |
参考:Children’s services Award [MA000120] Pay Guide
クラス担任のサポートをしながら、一緒に保育をするのが副担任の仕事です。
ただ、日誌など主なクラスのプログラムについては担任が行うため、基本的には子どもと一緒に過ごすのがメインの仕事です。子どもの食事やお昼寝、絵本の読み聞かせ、外遊びなど補助する活動はさまざまあります。
副担任として働く場合、約1年のコース受講で取得できるCertificate IIIの資格が必須です。
Certificate IIIを持っている保育士の給料は、時給26.18豪ドルからです。経験や年齢により、少しずつ昇給します。
副担任以上のポジションになると、病気休暇や有給休暇を取得できるようになります。2〜3週間もの長い休みを取ることも珍しくありません。
参考:Children’s services Award [MA000120] Pay Guide
担任のポジションでは、責任が大きくなります。担当するクラスのカリキュラムを作り、実践していくので裁量が大きいのがポイントです。そのため、担任によってクラスの方針が大きく異なることもあります。
クラス担任になるには1年間のCertificate IIIコース受講後、さらに1年間学んで取得できるDiplomaの資格が必要です。
担任の給料は経験や年齢によって段階的に昇給していきますが、基本は時給30.84豪ドルからとなっています。カジュアルポジションよりも時給が低いですが、これは有給・病気休暇を取る権利があるためです。
これらから、安定して働ける環境なのがわかります。
参考:Children’s services Award [MA000120] Pay Guide
オーストラリアでは、ある一定のコースを修了すると保育士資格を取得できます。
現地で保育士資格を取得できる学位はCertificate III・Diploma・Bachelorの3つです。
ここでは各学位について、説明していきます。
Certificate IIIは保育現場で働くのに最低限必要な資格で、”Certificate III in Early Childhood Education and Care”と呼ばれるコース、またはそれ以上のレベルを修了すると取得できます。
このコースで学ぶのは0〜5歳の子どもの保育についてです。副担任として働け、給与は時給26.18豪ドルからです。
必要な英語力はTAFE(州立の職業訓練校)の場合、IELTS(アカデミックモジュール)5.5ポイント以上です。
学費は学校によって異なります。例えばTAFE New South Walesの留学生向けコースの場合、11,610豪ドル(約104万円)かかります。通常6〜9ヶ月間(120時間前後の実習を含む)でコースが修了します。
※1豪ドル = 90円で換算
Certificate III取得後に進学できる”Diploma of Early CHildhood Education and Care”コース修了によって得られる資格です。0〜5歳の子どもの保育について学びます。
Diplomaを持っているとクラス担任の受け持ちが可能になり、時給は30.84豪ドルからとなっています。
必要な英語力はTAFEの場合、IELTS(アカデミックモジュール)5.5ポイント以上です。
学費は学校により異なります。例えばTAFE New South Wakesの留学生向けコースでは15,870豪ドル(約143万円)です。約1〜1.5年(360時間以上の実習含む)で修了できます。
※1豪ドル = 90円で換算
Bachelorはオーストラリアの大学で保育や教育に関する学位の修了を証明するもので、幼稚園教諭資格です。TAFEでは取得することができません。
0〜8歳の子どもの保育・教育について学び、Kindyと呼ばれる就学前の子どもたちのクラスの受け持ちができます。時給は3つの保育士資格の中で最も高く、34.05豪ドルからです。
必要な英語力はIELTS(アカデミックモジュール)5.5〜6.0ポイント以上です。かかる学費はUniversity of New Englandを例にとると年間26,880豪ドル(約242万円)となっています。
コース修了にかかる期間は4年間ですが、日本の高校を卒業してすぐの場合は、1年間のファウンデーションコース受講が必要です。また、Diplomaをすでに取得している場合はコースを2年間に短縮することも可能になります。
※1豪ドル = 90円で換算
参考:Educational Services (Teachers) Award [MA000077]
オーストラリアで保育士として働きたい場合、押さえておくとキャリアアップに役立つ資格がいくつかあります。
Working with Children Check(WWCC)とは、18歳未満の子どもに携わるボランティア活動や無給・有給の仕事に就く場合に取得必須の資格です。
言い換えれば、この資格では申請者が「子どもと接する仕事への従事にふさわしいか」を判断します。
18歳以上から取得可能で、WWCCは各州のサービスセンターにオンラインで申請します。身分証明書と、有給で子どもと関わる仕事に就く場合は80豪ドルの申請費用も必要です。
無事申請が終わったらWWCC Numberが発行されるので、各州のWWCC申請ページで仕事の詳細と合わせて登録をします。1週間〜1ヶ月ほどですべての登録が完了します。
TECSOLは”Teaching English to Child Speakers of Other Languages”の略称で、4〜12歳の英語を第2言語とする子どもに英語を教えるための学問です。
この学問のコースを受講して修了すると認定証や卒業証書を取得できます。
海外の語学学校などで受講する必要があるため、難易度は比較的高めです。1ヶ月ほどで取得でき、かかる費用は約3,300豪ドル(約30万円)です。
TECSOLを持っていると、英語の指導者として就職活動をするときにアピール材料になります。日本帰国後は、平均で月給23万円ほどが望めます。
J-Shineとは”Japan Shogakko Instructors of English”の略称で、日本の小学校で英語を指導するための資格です。この資格を持っていると、小学校での英語教育について十分な知識があることが証明されます。
認定団体で養成講座が開講されています。基本的に講座を修了すれば取得できるため、難易度はそれほど高くありません。期間は6〜8週間ほどで、費用は約10万円です。
J-Shineは国内での英語教育のニーズの高まりから、今後も重宝される資格です。J-Shine取得者が日本で就職した場合、月給は平均で23万円ほどになります。
オーストラリアで保育士として働く際、最低限必要な書類は主に5つです。
まず、申請者が18歳未満の子どもを相手にする仕事やボランティアをするときに、子どもと接しても問題ないことを証明するWorking with Children Check(WWCC)の資格が必要です。
加えて、これまで犯罪を犯さなかったことを証明するPolice Clearance(無犯罪証明書)も必要で、連邦警察のウェブサイトからオンラインで申請できます。
その他、保有している保育士資格を証明するものや、給与の受け取り口座、TFNと呼ばれる納税者番号も忘れないようにしましょう。
オーストラリアと日本の保育士では、仕事内容に違いがあります。主な違いは以下の3つです。
多文化主義国家のオーストラリアの保育園には、さまざまなバックグラウンドを持つ子どもたちが集まります。日本よりも言語や文化の違いに驚かされる機会が増えるでしょう。
日本の保育園では、残業や持ち帰りを強いられることも少なくありません。しかしオーストラリアの保育園では基本的に時間外の仕事がないので、日本と大きく異なります。
子どもの年齢と人数に応じて決められる保育士の配置基準は、オーストラリアでは日本の2分の1となっており、担当する子どもたちとじっくり向き合えます。
オーストラリアで保育士の仕事を探すのには、大きく5つの方法があります。どのような方法があるのか見ていきましょう。
オーストラリアで保育士として働く場合、現地の保育士資格が必要です。そのためには現地の学校に通う必要がありますが、将来の仕事につながる留学となれば、1人で準備するのに不安を抱える方も少なくないでしょう。
気になる方はまず留学エージェントへの相談がおすすめです。
なかでもタビケン留学はオーストラリアへの留学を専門としています。そのため、渡航のビザ申請を始め保育士資格取得に強い学校の紹介、ワーホリのサポートに強みがあります。
オーストラリアに現地オフィスもあるため、渡航前後を通して一貫したサポートが受けられます。
※タビケン留学では仕事の紹介・斡旋は実施しておりません
オーストラリアで保育士の求人を探すなら、現地の求人サイトや日系情報サイトの利用が有効です。
主な求人サイトは以下の2つで、どちらも現地の人もよく使うものです。
Gumtreeはオーストラリア最大のウェブ掲示板で、求人、個人売買、シェアハウスなど幅広い情報が掲載されています。Indeedは求人に特化しており、掲載されているのは正規雇用やアルバイトなどさまざまです。
求人情報が載っている日系情報サイトは、以下の2つがおすすめです。
どちらもオーストラリア在住の日本人向けの情報サイトです。日本人が応募しやすい仕事が多く掲載されています。
すでにオーストラリア現地のTAFEや専門学校に通っているのなら、学校の就職課に相談するのがおすすめです。
就職課なら、現地とのネットワークを築けていることも多く、それぞれの学生が求める就職先と雇用主を繋ぐサポートをしてくれます。
紹介してくれる就職先は学校が一旦精査してくれていることが多いです。学校のチェックが入っているため、安心して働ける仕事先と言えます。
日本ではあまり馴染みがないですが、オーストラリアでは働いてみたい職場に直接レジュメを持参して応募するのが今でも一般的です。
オーストラリアでは求人サイトに広告を出さずに、施設の掲示板などに求人の張り紙を出していることも多いです。また、直接レジュメを持っていくことで熱意をアピールできます。
直接レジュメを持っていけば職場がどのような雰囲気なのかもわかるので、実際に働くことになったときに心の準備もしやすいです。
オーストラリアにはインターンシップやボランティアの機会がたくさんあります。日本に比べて、学生だけでなく社会人の参加が多いのも特徴です。
無給・有給のインターンがありますが、最初は無給インターンで職務経験を積むと、その後で有給のポジションに応募しやすくなります。
オーストラリアは学歴よりも職務経験が何より重宝されるので、実際に現場で働いたことが求職時のアピールに繋がるのです。また、無給インターン先で実績を作れば、有給で雇ってもらえるように交渉することもできます。
数は多くありませんが、オーストラリアには日系の保育園もあります。クラスでは英語だけでなく日本語も使い、日豪両国の文化や価値観を学べる環境です。
日系の保育園なら、ローカルの保育園に比べて英語を使う機会が少なくて済みます。保育士資格は取れたけれど、まだ英語には自信がない場合は日系の保育園の求人を探すのも1つの手です。
日本の保育・幼児教育理念を取り入れているので、慣れ親しんだ保育環境に身を置けます。日本の保育士資格を持っているなら、帰国した後もスムーズに現場での即戦力になれることもポイントでしょう。
オーストラリアでは、保育士以外にも子どもと関わりながら働ける仕事があります。保育士資格の有無別に説明していきます。
保育士資格を持っている場合、オーストラリアの永住者限定とはなってしまいますがファミリーデイケア(家庭保育園)を開業することができます。
ファミリーデイケアとは、個人の自宅で4人までの子どもを預かって保育するシステムです。
最低限、Certificate IIIと応急手当の資格が必要です。その他、州によって必要な経験や事項は異なります。
年間で45,000〜70,000豪ドル(約400〜630万円)ほどの給与になると言われています。
保育士資格がない場合でも、子どもに関われる仕事は以下の2つがあります。
どちらの仕事に就く場合も、以下の3つが必要です。
ベビーシッターは子どもの親が忙しい時などに子どものお世話をする仕事です。平均時給は20豪ドル(約1,800円)です。
オーペアは子どものいる家に住み込んで働く形です。家賃と食費を払ってもらう代わりにベビーシッターや家事手伝いをします。そのため、時給は家庭により異なりますがお小遣い程度で少ないこともあります。
現地で保育士としてのキャリアを目指す前に、最低限知っておくべきポイントが4つあります。それぞれ見ていきましょう。
保育士資格や他のコースに就学中に、保育関係の仕事をしたいと思う方もいるでしょう。
実習のあるCertificate IIIのコースに就学中なら、カジュアルポジションで働けます。もし保育士資格を持っていないのなら、ベビーシッターやオーペアとして働くこともできます。学生ビザを持っている場合は、週20時間まで就労可能です。
ワーキングホリデービザの場合は時間の制限がありませんが、同じ雇用主の元では6ヶ月までという制限があります。
日本の保育士資格をオーストラリアのものに書き換えることは原則できません。ただ、日本の保育士資格や経験などを元に、オーストラリアの保育士資格コースの単位一部免除を受けられる可能性はあります。
しかしオーストラリアで重要なのは資格のために取得した「単位」です。日本とは保育士資格を取得するための必要なカリキュラムが異なります。そのため、ほとんど免除の対象になることはないと思っておいた方がいいでしょう。
オーストラリアでは中長期的に人材が不足しており需要が高い職業について、MLTSSL(中長期戦略技能リスト)というリストがまとめられています。
政府はこのリストに載っている職業の人に優先的に永住権を認める取り組みをしているのです。
保育士の仕事もこのリストに載っており、永住権を取得できる可能性が高い職業であることがわかります。
Diplomaを取得して保育士として3年間の職務経験を積むと、永住権の査定条件が満たされます。
ベビーシッターの平均時給は20豪ドル(約1,800円)と言われています。主に保護者が留守の間、子どもの面倒を見るのが仕事です。
保育士の基本賃金はCertificate IIIを持っている副担任の場合は時給26.18豪ドルから、Diplomaを持っている担任の場合は時給30.84豪ドルからです。ベビーシッターの平均時給より高いことがわかります。
業務内容はカジュアル・副担任・担任で異なりますが、担任の場合は担当するクラスのカリキュラム作成をし、それを実践に移して保育をします。
オーストラリアで保育士として働いてみたくても、情報が多くて自分ではどうすればいいのか迷ってしまう方もいるでしょう。
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