ワーホリことワーキングホリデーとは、日本と協定を結んだ国や地域で1年、またはそれ以上の期間仕事をしながら滞在できる制度です。
日本の場合、現在はオーストラリアやカナダなど、30の国や地域と協定を結んでいます。
本来は海外で休暇を過ごすのがワーホリの目的でしたが、近年は円安が進んでいる影響もあり、出稼ぎのためにワーホリをする方も少なくありません。
今回は、海外で出稼ぎをしたい方向けに、ワーホリで稼げる国5選を紹介します。
また、ワーホリで稼ぐためのポイントや準備、月収の目安なども一緒に取り上げるため、ぜひ最後までご覧ください。
それでは、早速ワーホリで稼ぎやすい国5選を紹介します。
それぞれの国の特徴や賃金についても解説するため、順番にみていきましょう。
最低賃金 | 時給23.23豪ドル(約2,277円) |
平均月収 | 約7,555豪ドル(約74万円) |
言語 | 英語 |
最大滞在期間 | 3年 |
就労期間 | 6ヶ月(同一の雇用主のもとで働く場合) |
※1豪ドル=98円で換算
オーストラリアはワーホリの渡航先として、日本人から高い人気を誇る国の1つです。
ワーホリ労働者や留学生の受け入れに慣れており、シドニーをはじめとする大都市では求人も豊富にあります。
ワーホリビザの滞在期間は基本的に1年までですが、ビザの延長をすると最大3年まで滞在可能です。
ただし、ワーホリビザの延長をしたい場合は、オーストラリア政府が指定する仕事に規定の期間従事しなければなりません。
参考:日本貿易振興機構
参考:Australian Bureau of Statistics
最低賃金 | 時給22.7NZドル(約2,043円) |
平均月収 | 約5,839NZドル(約53万円) |
言語 | 英語 |
最大滞在期間 | 1年3ヶ月 |
就労期間 | 制限なし |
※1NZドル=90円で換算
オーストラリアの隣に位置するニュージーランドも、日本とワーホリ協定を結んでいる国です。
年間を通じて過ごしやすい気候で、日本と同じように四季があります。
移民も多くワーホリ労働者向けの求人も多い反面、オークランドやウェリントンのような大都市以外で仕事を探すのは簡単ではありません。
全体の物価がやや高い傾向ですが、その分時給も高くなっています。
参考:日本貿易振興機構
参考:trademe jobs
最低賃金 | 時給13.15ポンド(約2,499円) |
平均月収 | 約2,688ポンド(約51万円) |
言語 | 英語 |
最大滞在期間 | 2年 |
就労期間 | 制限なし |
※1ポンド=190円で換算
イギリスも、ワーホリの渡航先として人気があります。
イギリスは1日の中に四季があるといわれるほど天気が変化しやすいのが特徴で、晴れ予報でも突然雨が降ってくる日も少なくありません。
給与水準は日本よりも高く、海外で出稼ぎがしたい方にぴったりといえるでしょう。
イギリスのワーホリビザは発行数に制限が設けられており、2023年までは抽選方式で決定していましたが、2024年からは先着順に変更されました。
参考:Office for National Statistics
最低賃金 | 時給16.55加ドル(約1,821円) |
平均月収 | 約5,686加ドル(約63万円) |
言語 | 英語 |
最大滞在期間 | 1年 |
就労期間 | 制限なし |
※1加ドル=110円で換算
日本のみならず、世界中から留学生やワーホリ労働者が集まる国がカナダです。
カナダは北米大陸の北に位置しているため寒いイメージが強いですが、バンクーバーのように年間を通じて過ごしやすい気候の都市もあります。
賃金水準が良好なため稼ぎやすく、特にファームジョブがおすすめです。
体力に自信がある方向けの仕事ではありますが、1ヶ月で50万円近く稼げるといわれています。
最低賃金 | 時給12ユーロ(約1,944円) |
平均月収 | 約4,323ユーロ(約70万円) |
言語 | ドイツ語 |
最大滞在期間 | 1年 |
就労期間 | 制限なし |
※1ユーロ=162円で換算
GDP世界ランキング3位の国であるドイツも、日本人がワーホリビザで滞在できる国の1つです。
山岳地帯の冬は厳しいですが、夏は湿度も低く爽やかな気候のため快適に過ごせます。
ベルギーやフランスなど9カ国と国境を接しているため、休暇を利用して旅行を楽しむワーホリ労働者もいます。
ユーロ圏の中でも高い給与水準を誇っており、フルタイムで働けば1ヶ月の生活費を賄いながら貯金もできるでしょう。
参考:ドイツ統計局
国名 | 最低賃金 | 平均月収 | 為替レート |
日本 | 時給1,004円 | 約32万円 | – |
オーストラリア | 時給23.23豪ドル(約2,277円) | 約7,555豪ドル(約74万円) | 1豪ドル=98円 |
ニュージーランド | 時給22.7NZドル(約2,043円) | 約5,839NZドル(約53万円) | 1NZドル=90円 |
イギリス | 時給13.15ポンド(約2,499円) | 約2,688ポンド(約51万円) | 1ポンド=190円 |
カナダ | 時給16.55加ドル(約1,821円) | 約5,686加ドル(約63万円) | 1加ドル=110円 |
ドイツ | 時給12ユーロ(約1,944円) | 約4,323ユーロ(約70万円) | 1ユーロ=162円 |
日本の最低賃金の全国平均は、2023年に1,000円を超えました。
しかし、オーストラリアやニュージーランドなどの国と比較すると、給与水準は低いといえるでしょう。
ただし、平均月収はあくまで平均であり、実際にどの程度稼げるかは自分次第です。
参考:地域別最低賃金の全国一覧
ワーホリの渡航先を選択するにあたって、国や地域ごとに異なる文化や制度も考慮する必要があります。
具体的な押さえておきたいポイントは、以下の通りです。
国によっては、就労期間や時間に制限が設けられている場合があります。
たとえば、オーストラリアは就労時間に制限はありませんが、同一の雇用主のもとで仕事ができるのは6ヶ月までです。
6ヶ月経過した後は、別の仕事を探す必要があります。
ニュージーランドやカナダ、イギリス、そしてドイツは就労期間や時間に制限が設けられていません。
就労時間や期間に関するルールは改訂されるケースもあり、ドイツもかつては同一の雇用主のもとで6ヶ月までしか仕事ができませんでした。
そのため、常に渡航希望先の大使館、および移民局の公式HPから、最新の情報をチェックするようにしてください。
雇用形態によっては、時給をさらにアップさせられます。
雇用形態 | 雇用条件 |
フルタイム | ・勤務時間は週38時間以上 ・社会保障あり |
パートタイム | ・勤務時間はフルタイムより短い ・社会保障あり |
カジュアル | ・勤務時間の保証なし ・契約解除に関する取り決めがない |
上記は、オーストラリアにおける雇用形態の一覧です。
ワーホリの場合、カジュアルで雇用されるケースがほとんどですが、保証がほとんどないため安定した収入はあまり見込めません。
その代わり、通常の時給にプラス25%を加算するように定められています。
働ける時間が少なくても、カジュアルを掛け持ちすれば高収入も目指せるでしょう。
オーストラリアは、労働者を確保するために土日や祝日に働くと給料が高くなる制度があります。
具体的な給料の倍率は、土曜日が1.2倍、日曜日が1.5倍、そして祝日が2倍です。
勤務先によっては、早朝や深夜の時間帯も割増手当を支払ってくれるため、高収入が目指せます。
ただし、時給の倍率が上がるのは勤務形態がカジュアルの場合のみです。
また、制度を悪用して、基本給を最低賃金以下に設定してワーホリ労働者を雇うケースもあります。
労働力を不当に搾取されないために、雇用契約を結ぶ段階でしっかり時給や制度を確認してください。
チップ文化がある国なら、給料にチップ代を加算できます。
以下は、日本人がワーホリビザで渡航でき、かつチップ文化がある国の一例です。
カナダの一般的なチップの相場は、15〜20%です。
ドイツやイギリスではチップの支払いは義務ではありませんが、よいサービスを受けたときや、感謝の気持ちを伝えたいときに渡す方は少なくありません。
チップがもらいやすい仕事として、飲食店のホールスタッフやホテルスタッフ、そして清掃員などが挙げられます。
ちなみに、チップは現金で払うパターンと、クレジットカードで払うパターンの2種類があります。
ワーホリで稼ぐにあたって、以下のポイントを押さえてください。
語学力が低くてもできる仕事はありますが、特別な技能がなくてもできる仕事は、給料自体が低く設定されているケースが多いです。
高収入を目指すなら、渡航前からしっかり語学学習をしてください。
目安としては、外国語の習熟度や運用能力を同一の基準で評価する国際標準である、CEFRのB1レベルを目指しましょう。
B1は英検2級の上位、IELTS4.0〜5.0レベルの語学力のため、高校レベルの英語をしっかり習得できれば達成できるはずです。
より専門的な業界やオフィスワークを希望する場合は、B2レベルを目指してください。
B2は英検準1級の上位、IELTS5.5〜6.5レベルの語学力です。
参考:大学入学者選抜改革の動向
海外で仕事をするにあたって、以下のようなリスクがある点を理解しておきましょう。
海外で高賃金の仕事に就くためには語学力、そして専門性が必須です。
特にオーストラリアでは、従業員の採用をする際は職歴や経験が重視されます。
そして、近年は改善傾向にありますが、最低賃金を割る仕事も珍しくありません。
あらかじめ現地の給料の相場を確認し、最低賃金を下回る仕事からは距離を取るようにしてください。
また、給料が高い国は物価も高い場合があるため、普段から節約を意識して生活をする必要があります。
ワーホリで稼げる国や地域は1つではないため、渡航先選びの段階で迷ってしまう方もいます。
もし滞在先選びに悩んでいる場合は、タビケン留学に相談してください。
タビケン留学ではオーストラリアをはじめ、日本とワーホリ協定を結んでいる主要な国の渡航プランを複数用意しています。
また、ビザの申請は航空券の手配など、渡航までに必要な準備のサポートも無料で提供しています。
無料カウンセリングやLINE相談も実施しているため、興味を持った方はぜひ一度公式HPから問い合わせてください。
オーストラリアのシドニー、そしてカナダのバンクーバーに1年間ワーホリで滞在する場合、必要になる費用の目安は以下の通りです。
国名 | オーストラリア | カナダ |
パスポート費用 | ・5年:11,000円 ・10年:16,000円 |
・5年:11,000円 ・10年:16,000円 |
ビザ費用 | 635豪ドル(約62,230円) | 272加ドル(約29,920円) |
語学学校費用(3ヶ月) | 約46万円 | 約43万円 |
居住費 | 約148万円 | 約133万円 |
渡航費 | 約10万円 | 約10万円 |
保険費 | 約20〜26万円 | 約20〜26万円 |
その他準備費 | 約100万円 | 約100万円 |
合計 | 約331〜338円 | 約310〜317円 |
※1豪ドル=98円、1加ドル=110円で換算
居住費は、滞在スタイルによって値段が変化します。
保険費用は現地の保険会社を利用した方が安上がりですが、英語ですべてのやり取りをする必要があるため、ハードルは高いです。
また、クレジットカードに付帯している保険で済ませようとする方もいますが、補償期間や内容が不十分であるケースも多く、あまりおすすめできません。
海外経験がほとんどない方の多くは、ワーホリに対して不安を抱いているでしょう。
しかし、事前準備を怠らなければ、充実したワーホリは実現可能です。
具体的には、以下のような準備をしてください。
出国手続きの準備と並行して、英語の基礎を固めておきましょう。
ワーホリ労働者の中には、現地の語学学校で勉強すればよいと考える方も一定数いますが、ワーホリビザは就学期間に制限が設けられている場合があります。
たとえば、オーストラリアの場合は最長4ヶ月までしか語学学校に通えず、それ以降は自力で英語の勉強をしなければなりません。
英語力が足りないと、仕事が見つからないのはもちろん、日常生活を送るのも困難になります。
可能であれば高校卒業程度、最低でも中学卒業程度の英単語や文法はマスターしてください。
渡航の時期にこだわりがない場合は、旅行のオフシーズンに現地に向かいましょう。
航空券は、時期によって価格が異なります。
オーストラリア行きの航空券の場合、最も安いのは6月、最も高いのは12月といわれています。
それぞれの月の具体的な価格相場は、以下の通りです。
月 | 価格(片道) |
6月 | ・LCC(Jetstar):41,410円 ・FSC(ANA):85,730円 |
12月 | ・LCC(Jetstar):44,651円 ・FSC(ANA):132,430円 |
航空券の値段はLCC(格安航空)を利用する、またはFSC(大手航空会社)を利用するかによっても大きく変動します。
値段を重視するならLCC、サービスの内容を重視するならFSCがおすすめです。
参考:SkyScanner
参考:ANA
渡航前に、現地で半年以上は無収入でも過ごせるお金を用意してください。
日本人が異国の地で仕事を見つけるのは、決して簡単ではありません。
数ヶ月採用してもらえない、また採用してもらってもシフトに入れない場合があります。
お金が尽きると強制的に日本へ帰国させられるため、必ず日本でもお金を稼いでおきましょう。
また、ワーホリビザを申請する際は残高照明も提出する必要があるため、そのための準備にもなります。
ちなみに、ワーホリビザの審査を通過できる金額の目安は7,000豪ドル以上(約69万円)です。
※1豪ドル=98円で換算
現地での仕事探しに不安を抱えている場合は、就労確約プログラムやインターンに参加しましょう。
海外では未経験の新卒採用はほとんど実施されておらず、現地の学生たちは在学期間中にインターンに参加して実務経験を積んで就職に備えています。
インターンによっては給料も支払われ、そのままインターンを実施していた会社に正社員として採用してもらえるケースも多いです。
タビケン留学でも、オーストラリアのインターンシップ留学プログラムを提供しています。
実践の場でビジネス英語や専門英語が学べるのはもちろん、海外で働く自信も持てるようになります。
続いて、ワーキングホリデーで稼げる仕事や職種をスキル別に紹介します。
現地でどのような仕事をするかまだ決めていない場合は、ぜひ参考にしてください。
ワーホリ初心者におすすめの仕事は、以下の通りです。
上記の仕事は特別な資格やスキルは必要ないため、日本人労働者も数多く従事しています。
特にファームジョブでの労働は、オーストラリアやニュージーランドのワーホリビザの延長条件にも含まれているため、ビザの延長申請をする予定がある方は積極的に狙いましょう。
ただし、どの仕事も最低限の英語力は必要です。
業務連絡ができる程度の英語力は、事前に身につけておきましょう。
英語や専門スキルに自信がある場合は、以下の仕事がおすすめです。
上記の仕事は従事するにあたって資格や専門知識が必須のため、その分給与水準も高く設定されています。
必要な資格を取得するためには、現地の専門学校やTAFEで専門教育を受けなければなりません。
専門学校やTAFEのコースは一般的に半年以上であるケースが多いため、就学制限が設けられているワーホリビザでは入学できない可能性が高いです。
現地で資格の取得を考えている場合は、最初は学生ビザで入国し、学校卒業後に改めてワーホリビザを取得した方がよいでしょう。
日本とそれ以外の国や地域では、お金の事情が異なるケースも少なくありません。
実際にワーホリをする前は、お金に関する以下の点に注意しましょう。
報酬の受け取り方法は、国や地域によって異なります。
小切手が主流な国はカナダで、ATMやスマホアプリでも換金できるように環境が整えられています。
ただし、銀行によっては口座に入金してからすぐに換金できない場合もあるため、事前にチェックしておきましょう。
ワーホリの場合、給料の受け取り方法として現金の手渡しを指定されるケースもあります。
所得税が引かれない一方で、雇用側が税金を払っておらず法律も守っていないため、怪我をはじめとするトラブルが発生した際の保証が一切ない点は覚えておきましょう。
給料から引かれるものとして所得税が有名ですが、所得税率は国によって異なります。
たとえば、オーストラリアの所得税は年間の収入が37,000豪ドル(約363万円)以下の場合、給料全体の15%です。
所得税のみならず、社会保険や年金などが控除される国もあります。
引かれすぎた所得税や年金などは、規定の手続きによって還付してもらえます。
手続きは帰国後や年末調整のタイミングで実施するケースが多いため、給与明細は捨てずに保管しておきましょう。
※1豪ドル=98円で換算
国名 | 最低賃金 | 月給目安 (週5日8時間労働想定) |
為替レート | 参考サイト |
オーストラリア | 時給23.23豪ドル (約2,277円) |
約36万円 | 1豪ドル=98円 | 日本貿易振興機構 Australian Bureau of Statistics |
ニュージーランド | 時給22.7NZドル (約2,043円) |
約33万円 | 1NZドル=90円 | 日本貿易振興機構 trademe jobs |
イギリス | 時給13.15ポンド (約2,499円) |
約40万円 | 1ポンド=190円 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構 Office for National Statistics |
カナダ | 時給16.55加ドル (約1,821円) |
約29万円 | 1加ドル=110円 | TRADING ECONOMICS |
ドイツ | 時給12ユーロ (約1,944円) |
約31万円 | 1ユーロ=162円 | 独立行政法人労働政策研究・研修機構 ドイツ統計局 |
掲載している月収はあくまで目安であり、実際の労働環境や体調などの影響で金額は多少上下します。
よい条件で仕事をするためにも、まずは語学の勉強に集中して取り組むようにしてください。
ワーホリで稼げる仕事に就くためには、語学力は必須です。
そのためには渡航前から語学の勉強をする必要がありますが、ビザの申請や荷造りなど、渡航前の準備も並行して行わなければなりません。
もしワーホリの準備の段取りに不安を抱えている場合は、タビケン留学に相談してください。
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所在地 | Suite 605,Level 6 /68-70 Dixon Street, Sydney NSW 2000, Australia |
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