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Y子
31歳。ものごとをあんまり深く考えていないのでストレスは少ない。自分の身に危険が迫ると恐怖のあまり脳がヒートしてしまい、笑い出してしまうクセがある。以前バンジージャンプをした時、飛び降りた瞬間からケラケラ笑っていた。お化け屋敷でも笑い出すので、お化けにビックリされてしまう。19歳でメイクアップアーティストに憧れて専門門学校へ。その後ファッションショーなどの現場で働くが、給料が安すぎて、家の電気、ガス、水道を止められる。それでもコンビニのトイレや銭湯に通いながら粘り強く続けるが、毎日ツナ缶だけで生活していたため、体重が40kgを切ってしまい最後は栄養失調で倒れてしまうという経験を持つ。彼氏ができると何よりも優先してしまうため友達はほぼいないという残念なタイプ。現在セカンドWHでシドニー滞在中。
街のシンボルとなっているガトンの看板
晴れてバイロンベイの学校を卒業し、学校で仲良くなったフランス人たちとゴールドコーストまでいっしょに行くことに。ゴールドコーストでは1週間ほどの滞在だったが、毎日サルサパーティーやらボディーボードをして相変わらず楽しんでいた。オーストラリア最高! そんなこんなであっという間に時間は経ち、仲良しのフランス人ともお別れ。いよいよファームのあるガトンへ一人向かう日がやってきた。ゴールドコーストからガトンまでの移動手段はバス。多少の不安はあったが、これから私の新しい生活が始まるのかと思うとウキウキしてきた。バスで2時間ほどの距離だったが、都会から田舎への道のりのためか、ガドンに着くころには乗客は私一人になっていた。バスを降りるとそこは猛暑のせいなのか田舎すぎるからなのかまったく人がいない。店も少なく殺風景な街だった。『ゴーストタウンみたい、大丈夫かここ…』それが私の第一印象だった。
誰もいない…、ここはゴーストタウンか??
ここで3ヵ月も過ごすのかと愕然としながらも、迎えの車に乗ってファームのオーナーの家へ向かった。オーナーは留守らしく、仕方がないので待つことになった。その家には受付と思われる日本人の女性(30代?)と日本人の子供たちと中東系とおぼしき子供たちが5人くらいで遊んでいた。なんだ、平和な感じじゃん。私は安心して子供たちと遊びながら受付の女性にいろいろ質問してみた。『この子供たちはオーナーの子供なんですか?』受付の女性はそうだという。ふ~ん…、ん? 待てよ…、ずいぶんな人数なのはいいが、明らかに子供たちは日本人と中東系が混ざってるぞ…。う~ん…、いろんな想像が頭をかけ巡ったが、深く考えるのはよそう。何も聞かない方がいい。それにしてももう3時間近く待っている。結局オーナーが帰ってきたのはさらにその3時間あとだった。こんなに待たせて何なんだと腹がたっていた。私は約束の時間どおりにやってきたのに6時間も待たせるなんてどういう神経だ。クソジジイめ、帰ってきたらひとこと言ってやろうと思っていた。彼の姿をひと目見るまでは…。そこには頭に赤いターバンを巻き、浅黒い顔にヒゲを生やし、人を何人も殺したきたかのようなギョロっとした目をした大男が立っていた。これが大魔神か! 海賊?! フック船長? これが大魔人の第一印象だった。
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