3月21日は、1966年に国際人種差別撤廃デーが制定された日です。
1960年のこの日、南アフリカのシャープビルで人種隔離政策(アパルトヘイト)に反対するデモ行進にむけて警官隊が発砲、69人が死亡する「シャープビル虐殺事件」が起こりました。この事件が発端となって、国連が人種差別に取り組むこととなったことから、1996年に国際人種差別撤廃デーのための記念日として制定されたのです。
オーストラリアではこの国際人種差別撤廃デーにちなみ、1999年同日に「ハーモニーデー」が制定されました。
ハーモニーデーは他民族・多文化国家としてのオーストラリア社会で、オーストラリア人と移住者が仲良く協調して暮らしていくことを主旨とし、制定されてから現在までで6万件以上もの関連イベントが開催されてきました。学校や会社、教会などでもささやかなパーティが行われ、母国の伝統料理を持ち寄ってみんなで楽しく食べたりしているようです。実際に私が学生の時にも、韓国やインドなど、クラスメイトの郷土料理や、私自身の故郷である日本の料理を、みんなで持ち寄ってパーティをしたことがあります。
また、ハーモニーデーにはテーマカラーであるオレンジ色の服をみんなで着ます。オレンジ色は元来、高い社会性やコミュニケーション能力を示し、他人や動物、自分の周りを大切にする気持ちを育てる色であると言われています。オレンジ色の服や小物を身につけることで、相手に対する思いやりや協調性、尊敬の意を示すのです。
2011年の調べによるとオーストラリア人の45パーセントが移住してきた家庭であり、オーストラリアでは英語以外にも、中国語、広東語、イタリア語、アラビア語など60以上もの言語が使われていると言われています。ですが、残念なことに、文化や言語など、異なる背景を持つオーストラリア住民の半分近くが差別的な暴言を吐かれたり、10人に7人の若者が人種差別されたり、原住民の4人に3人が日常的に差別を受けた経験がある、との調査結果もあります。
今年のハーモニーデーのテーマは「Our diversity is our strength」。多様性こそが我々の強みである、という多文化国家に住む人々の存在を認める力強い言葉です。一人の人間としての自分を知り、周りの人を尊敬し、差別のない社会を思い描きながら過ごしてみてはいかがでしょう。
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