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今日は何の日?/4月6日

4月6日は、“ワルチング・マチルダ(Waltzing Matilda)”が初めて歌われた日です。
 
ワルチング・マチルダとは、オーストラリア”第2の国歌”として国民に親しまれる愛唱歌です。
 
時は1895年、クイーンズランドのウィントンにあるノース・グレゴリー・ホテルで行われた、クイーンズランド首相の祝宴会で初めて歌われたと言われています。ジャーナリストのバンジョー・パターソンが、クリスティナ・マクファーソンという女性の歌ったメロディに歌詞をつけたもので、そこから歌詞の改変が繰り返されて現在の歌詞で歌われるようになったのです。
 
じつはこの歌詞の内容が非常に暗いものなのですが、なぜか国民に人気が高いのです。
 
貧しい放浪者が空腹のあまり羊泥棒を働き、警察に追い詰められて沼に飛び込んで自殺する。それから沼のそばを通ると「だれか俺といっしょに放浪しないか?」と男の幽霊の歌声が聞こえる、という一見ホラーにもとれる内容なのです。
 
1977年に行われた国民投票では、「アドバンス・オーストラリア・フェア」が43.6%、「ワルチング・マチルダ」は28.5%、という結果だったため「アドバンス・オーストラリア・フェア」が国歌に認定されましたが、平凡でパっとしないアドバンス・オーストラリア・フェアより、ワルチング・マチルダの方が荒野に生きる当時のオーストラリア人をよく表している、と多くの非難が寄せられたそうです。この意見は現在でも頻繁に聞かれるみたいです。
 
タイトルの由来も興味深い逸話が伝えられています。
 
ワルツは、ドイツの古語で職人の遍歴の旅を意味します。そしてマチルダは、ヨーロッパの30年戦争のとき兵士に付き添う力強い女性を表す名称だったことから後に夜を温かく過ごすための毛布という意味になったと言われています。このような経緯からワルチング・マチルダという名称は、道中ひとり寝の寂しさを紛らわせるためにマチルダという女の愛称が付けられた道具袋を持ち、あちこちを転々として職を探す旅人の旅そのものを指すようになったそうです。つまりドイツ系移民の言い伝えが元になっているということです。
 
ワルチング・マチルダは現在でも非常に人気が高く、オージールールズの決勝戦では毎年国歌と共に演奏されるなど、数多くの機会に歌われています。
 
名前はよく聞くけれど、案外意味の知られていないワルチング・マチルダのように、他にも面白い意味や由来を持った曲、国歌は結構たくさんあるみたいです。フランスの国歌は、国歌らしくないことで有名だったりしますよね。調べてみるのも面白いかもしれませんね。

 

出展:http://www.nfsa.gov.au/collection/sound/sounds-australia/waltzing-matilda/

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