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国際結婚家庭の子どもや、日本人同士の両親でもこちらで育つ子どもたちやその家庭で起こる
心理的な問題や課題について接するにつけ、日本と西洋国での「子ども観のちがい」を
感じさせられることが多々あります。
どういうことかと言うと、日本では「七歳までは神のうち」ということばがあるように、
いわば「子どもを神として信仰し崇拝する」ような感覚があるように思います。
例えば新生児はとても繊細なので、生後一ヶ月までは外に連れて行くなんてもっての他、
お母さんといっしょに自宅におこもりすべきという慣習があります。
生後数日でショッピングセンターに抱いて連れて行ってしまうこちらとはずい分ちがいますね。
子どもは両親育った環境で、祖父母にも囲まれて、大事に大事に育てるべき・・・
なぜかというと子どもは繊細で壊れ物のように大事にすべきだから。
いわば「大人より子どもが大事」。
その価値観がとても美しいとされる文化。
かたや西洋国の子ども観は、「子どもは未完成な大人」です。
そして「大人に従うもの」です。
西洋国の人はホームパーティの呼び合いが大好きですが、
そうやって呼ばれて行ったときに、
普段は夜が早いオージーの大人も夜中の十二時でも一時でも
羽目をはずして飲んで話して楽しんでいるときに、
子どもは何時まででも大人につきあって、
その辺のソファーで寝たりして待っていなければならない。
子どもは大人に養ってもらっているものなので、
大人の楽しみを邪魔してはならないんです。
あくまでも大人が「主」で子どもが「従」。
いわば「子どもより大人が大事」。
これが日本人だと「子どもがおねむの時間なので」
もちろん子どもを尊重して、九時が子どもの就寝の時間なら、
七時や八時には引き上げます。
それが良識、常識のある両親。
こういった、子どもを大事にする
子どもが「主」で大人が「従」である構図です。
このこと事態は、単なる文化による価値観や行動パターンの違いで、
どちらがより優れているか、という問題ではないと思います。
しかし国際結婚の家庭などで、上記のような価値観の違いで、
ホームパーティー先から何時で帰るのかや、
子どもをどう取り扱って夫婦や家族の予定を組むかと言うことで、
もめたり問題になったりすることはあります。
またこと別居や離婚しなければならくなったときに、
現実的に考えるよりも、「壊れ物のように大事にしなければ
ならない子どもがいるのに、完璧な状況で育てられなくなる」
ことへの恐怖や不安や、グリーフが一段と強くなってしまう場合もあります。
別居や離婚後のあり方が、日本と西洋国で通常は全くちがうこともあります。
日本で行なわれているのは、単独親権で
別れた方の片親には通常全く会わせないやり方。
このあたりは日本にまだ「戸籍制度」があり、
それは旧来の「家制度」を色濃く反映しているもので、
「離婚は縁切り」であり、人は二つの家に同時に属せないので、
どちらか一方に決める、すなわり「単独親権」となり、
片親には絶対に会わせない現状、となっているわけです。
片や西洋国ではリーガルに、ほとんど必ず共同親権ですし、
別れた片親にも毎週か隔週で必ず会って、泊まりに行ったりして
大きくなるまで日常的に面会交流できる、またはしなければならない
というのが法律的にも決められるやり方です。
日本で生まれ育った私たちに染み付いてる「壊れ物のように大事にしなければ
すぐに壊れてしまうようなものだという繊細な子ども観」や、
「離婚後の状況は子どもにとって最悪」という価値観自体が
日本での事態に反映しているものであって
こちらのやり方ではそこまでではないし、
むしろ両親がいがみあう姿を見せることなく、ともに幸せそうにしていること、
そして別れても両親としては協力しあっていることを子どもに見せ、
子どもも両方の親に接することができて幸せなことを
どう理解できるようになるか?
どうもう少し現実的に子どものタフさを信じられたり、
「子どもも大事だが大人も大事」という価値観に
目覚めていけるのか?が試されているような
家族ケースがあるように思います。
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