過去や現在の親子の問題に触れたり、考えるにつけ、
親が、子供との適正なバウンダリー(自我境界)の感覚を持っているのかどうか、
という問題につきあたることがあります。
私たちは心理的発達として、新生児のときに自己と環境の区別もあいまいだった時期、
そして次第に世話をしてくれるケアテーカー(主に母親)と一体だと信じていた時期、
そして母も自分とは別個の存在であると認識できるようになった時期、
と進んでいきます。
心理的に成熟した人は、この第三の段階にまで進んでいます。
自分の親しい、愛している人(自分の親や、恋人や、配偶者や子ども)であっても、
自分とは別個の人格である。
・・・と、頭では分かっていても、
心理的には本当は認めていない、認めたくない状態である人が一部にはいます。
第二の段階に心理的に固着している(とまっている)、ような状態です。
そういう例えば母親が、子どもが新生児から乳児期で、子どもの方でも母にべったり依存しており、
何でも母親の思うとおりになる間は良いのですが、
次第に子どもが発達してきて、自己を主張したり、
母親とは意見が違っても、自己の感覚を発展させる必要のある時期や局面になると、
それを認められずに独自の意見や価値観を持つことや分離を阻止しようする母親との関係の中で、
子どもの中に大きな心理的葛藤や課題ができてしまうことがあります。
そんなことが今も続いている、あるいは過去にあったという家族や個人の
もつれきった糸をほどく心理的作業を、心理療法の中ですることがあります。
そういう経験を過去にしたという個人の心理療法の場合には、
それを上記のような問題としてちゃんと理解できるようになることが第一ですし、
それに気づいたなら、そのような自分の子ども時代に対するグリーフのプロセスも
必要です。
育ちの中で刷り込まれたどこを、自分の価値観としても取り入れるのか、
どこを自分の価値観とは合わないものとして、
自分なりに価値を置く考え方で上書きしていくのか、
そのような作業もとても重要です。
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