こんにちは、こころの相談室で総務を担当しているキャルです。
今回は、今まさに悩んでいる人に向けて書こうと思います。
私はことばと共にずっと生きてきたので、ことばに救われることが、人生の色々な場面でありました。
特に今回紹介することばには、気づかされることが多々ありました。
大きな哀しみは、一人では噛み砕けない時があります。
一人で乗り越えなければいけないことも、また、二人でなければ乗り越えられないこともあります。
歩み続ける中で、出会うことがあります。
出会う人がいます。
それらは、今のあなたが思っている自分自身を大きく変えてくれるでしょう。
このことばが、私だけではなく、海を越えて、誰かの人生にそっと寄り添ってくれれば、とても嬉しいです。
出典:2008年10月18日 朝日新聞夕刊「悩みのレッスン」
自殺した妹に償いたい
質問者 神奈川県 大学生 女性(20)
中学3年のとき、妹が自殺しました。妹をいじめる人たちがいて、それが一番の理由だったようです。私は悩みを聞き、「ひどいね」と返していました。「何かあったら相談して」と言いましたが、妹は「特になかった」と言うだけでした。
彼女は頼りになる人が誰もがいなかったから死を選んだのだと思います。もっと話を聞いてやれば良かった……そう思うと、当時の自分の愚かさが悔やまれてなりません。妹を見殺しにしてしまい、どう償えばいいのか答えが出ません。「彼女の分まで生きる」と言うだけでは軽すぎる気がします。私は何をすればいいのでしょうか。
創作家 明川哲也さん
辛い気持ちを大切に生き抜く
妹さんを追い詰めたのはあなたではない。あなたはあなたの日々を生きて。シンプルにこう書けたら、どれだけいいでしょう。
ごめんなさい。色々と考えましたが、今のあなたを楽にさせてあげられる答えは出てきませんでした。あなたはきっと、妹さんへの後悔を抱えながら、今後も暮らしていくことだろうと思うのです。
でも、それがあなたの人生で、その涙は、あなたの愛情と同じところにあります。逆説的に言うなら、だからこそその辛い気持ちを大切にして生き抜くことです。あなたにしか生きられない、あなたの人生です。
とはいえ、大きな哀しみは大きな食べ物といっしょで、細かく砕かないと受け入れられません。辛くて泣いてしまう夜は、人生という大きな時間は放り出して、嵐をやり過ごすようにその一夜だけを乗り切りましょう。絵や音楽や物語や、何でもいい、あなたに寄り添ってくれるものを探して、ともに連れ立ち、その吹き荒れる夜の底を歩くことです。
その道が、そこからの実りが、妹さんと出会えたからこそ拓けていくあなたの日々です。時が癒してくれるのとは別の意味で、今のあなたには想像がつかない鮮やかさや穏やかさが待ち受けているはずです。
歩きながら、それを見つけ出していきましょう。それは償いじゃない。創り上げるあなたの人生です。背負ってしまったからこその、創造的な生き方です。
シドニーこころの相談室 (サイコロジスト やのしおり)
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