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肩こりと頭痛 日豪プレス 2011年10月号 掲載記事

今回は、肩こりと頭痛にお悩みのAさ んのケースを取り上げます。Aさんは事 務職で、コンピュータを長時間使用して います。そうすると普段から持っている 肩こりがひどくなり、後頭部、こめか み、目尻周辺、眼球の後ろなどが痛く なったり、高い圧力がかかったような症 状が出たりするそうです。

 長時間同じ姿勢でいると、疲れて姿勢 が崩れてきます。崩れた姿勢は、肩と首 周辺の筋肉や、頸椎(首の関節)に負荷 をかけ、肩こりはもちろん、頭痛の原因 になります。それでは、姿勢が崩れると はどういった体勢なのでしょう ? オフィ スで仕事をしている人に多く見られるの は、以下の通りです。

①コンピュータのスクリーンの方向にア ゴが突き出る

②両肩が前方に出て、猫背になる

③椅子に浅く座り、肩で椅子の背もたれ に寄りかかっている

④長時間ノート・パソコンを使用している

 

正しい姿勢で肩こり・頭痛知らずに

  理学療法では、身体の運動パターンや 筋肉の強弱の評価、関節の機能の評価を 行い、なぜ痛みが出ているのかを診察し ます。

 Aさんの場合、肩こりの原因は慢性的 な運動不足に加え、長年崩れた姿勢で仕事をしてきたため、肩と首周辺の筋肉バ ランスが崩れていたことです。その部位 には弱った筋肉や、それを補うために周 りの筋肉を使いすぎて、絶えず緊張状態 になっているものもあります。このよう な筋肉を細かく評価し、運動療法を用い て強化または弱化させて、筋肉のバラン スを回復させます。緊張している筋肉は マッサージでリリースし、慢性的であれ ば関節をほぐす施術を行ないます。

  Aさんの頭痛は、上部頸椎の関節が固 くなって炎症が起き、神経を刺激して、 後頭部、こめかみ、目尻や眼球に関連痛 を引き起こしていました。この場合、固 くなった首の関節に、可動域を回復させ る“モビライゼーション”を行い、首・肩周 辺の緊張した筋肉のトリガー・ポイントを マッサージでリリースさせます。必要に 応じては、こめかみ、上部頸椎、後頭部 に針治療も行い、筋肉をリラックスさせ 血行を促進させます。

 肩こりを予防するには、着座時の正し い姿勢を意識することが大切です。自身 の姿勢をチェックし、正しい姿勢に戻す 習慣をつけましょう。例えば、電子メー ル送信時に姿勢を整えるなど、具体的な 行動と関連付けると良いでしょう。

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