オーストラリアでは救急車は有料です。駆けつけた救急隊員の第一声も「保険会社はどこ?カードは持っている?」です。
それに有料ということは、お金を払うのだからちゃんとしたサービスが受けられる、と思ったら大間違い。まあ、それなりのサービスだと思ったほうが良いです。
今週の数字の11分12秒は、ニュー・サウス・ウエールズ州の救急車の到着時間(中間値)です。政府は10分以内を目指していますから、ちょっと時間がかかっていますね。5年前の10分18秒からさらに遅くなっています。
他州と比較すると、全国平均(中間値)は、9分12秒です。平均2分の遅れが命取りになる場合もあるかもしれませんね。2015年に、83歳のおばあさんが路上で3時間も救急車を待っていた事件がありました。急病でこんなに待たされると大変です。
ニュー・サウス・ウエールズ州が他州にくらべて救急サービスの出動に時間がかかっている原因は、人員不足です。救急サービスの予算額が、人口比で一番低いのがニュー・サウス・ウエールズ州です。その結果、救急隊員は全国平均で10万人に46人のところ、ニュー・サウス・ウエールズ州では42人です。人手不足で救急出動に時間がかかっているのです。
ニュー・サウス・ウエールズ州の救急サービスは年間約95万件の救急出動を処理していて、この件数は年々増加しています。それに他州にくらべて負傷する救急隊員が多いようです。
時間はかかるは、ケガしている隊員が多いでは、情けない救急車ですが、出動件数が多く、過重労働が原因のようです。
こうなると救急車は呼ばないに越したことはありませんが、万が一お世話になることがあっても、イライラしないで待ちましょう。また、ケガをさせないように、自分から担架に乗るようにしましょう。