Australian Red Cross Blood Service
イースターのあと、献血に行ってきました。もともと日本では定期的に通っていたこともあり、唐突に「あ、献血」と思い立ったのでその日に行きたかったのですが、Australian Red Cross Blood Serviceのサイトを見たところ、日本と違って事前予約が必要とのこと。予約日は1週間後以降の指定(出張献血バンは別)、そもそもドナー登録が必要というからダメもとで電話してみたところ、基本の個人情報や「抗生物質を服用していますか?」など簡単な質問をやたらと受けたあとで、あっさり近場の献血センターに当日予約できました。「献血までにグラス3杯分の水を飲んでおいて、初回なので身分証明証を持参してください」とのこと。ちなみに、通訳が必要な場合も状況に応じて用意してもらうことも可能だそう。ここ、さすが移民国家。
献血センターへ行くと、受付でも電話口と同じような質問に答えてから、やたらと質問事項の多いドナー登録用紙に必要事項を記入。ドナーカードは数週間のうちに届けられるとのこと。診察室に通されると看護師さんが問診と血圧測定、血液検査を担当します。日本と違い、血糖値を測るように人差し指から採血されました。簡単。ヘモグロビン濃度を測るだけなので、日本のように白血球やコレステロール値なども含む検査成績を通知することはないそう。代わりに、別の通知が届きます(後述)。
こちらでは全血献血の経験がないと成分献血は受けられません。今回どの献血がいいか訊かれて何でもいいと答えたら全血になりましたが、献血中にB型(+)だということを伝えると、「B型(+)は血漿に向いているから次回は血漿の成分献血に協力してもらえると助かります」とのこと。そういえば、何度も同じ問診を受けた割に血液型については一切訊かれず、看護師さんの反応を見るにつけ、血液検査の結果もその時点でまだ知らないようでしたが。そこは重要じゃないんだろうか……。
O(+) 40%
O(-) 9%
A(+) 31%
A(-) 7%
B(+) 8%
B(-) 2%
AB(+) 2%
AB(-) 1%
兎にも角にも、献血ルームや方法は日本と変わらず。私は血行が良かったらしく、先に献血を始めた人たちよりも早く10分程度で終了しました。その間、両隣の同じく初回ドナーさんたちと少し仲良くなり、献血後は併設のカフェでいっしょにくつろぎました。じつは、診察室で3人とも初回ドナー用のシールをもらっていたのですが、カフェには給仕担当スタッフが常勤していて、ひとりずつミルクシェイクを作ってくれた上に、閉店セールのごとく大量のお菓子やチーズをくれました。初回サービスものすごい。「次の献血もいっしょに来よう」という妙な約束をして、ドナーさんたちとは別れました。
献血日から5日後、Australian Red Cross Blood Serviceからテキストメッセージが。まさか自分の献血がどこそこで今日輸血されたと知らされるとは思いませんでした。昨年から始まったサービスのようですね。さっそく役に立って良かったです。
献血は条件が割とシビアなので、意思表示にも関わらず協力できない人も大勢います。例えば、オーストラリアでも男性の献血において「過去12ヵ月間、他の男性と性交渉がなければ献血許可」と過去の全面禁止から規制が緩和されたものの、”リスクのある人々”ではなく”リスクのある行為”という概念に基づいた基準であるべきと議論されています。そうでなくても、一定の時期にイギリスに滞在していたら無理だし、安全面から体重45kg以下なら無理だし、ヘモグロビン濃度が薄くても無理。そんな中、60年間に1,000回以上も献血したJames Harrisonさんという方が、オーストラリアにはいます。200万人以上の胎児を救ったおじいちゃんは、まさにヒーロー。自分は健康と体力だけが取り柄なので、献血基準がクリアできるうちに協力しておきたいものです。
文:武田彩愛(編集部)
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