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医療/保険

長年の偏頭痛にフィジオセラピーでさよならしよう!

「頭が痛い…」

寒いと感じるとすぐ頭が痛くなってしまう編集スタッフS。
この頭痛とは一生付き合っていくんだ…、そう思っていた彼女のもとにフィジオセラピーで偏頭痛や緊張性頭痛、生理前の頭痛などの治療ができるという耳寄りな情報が!

早速これまでも何度も取材でお世話になっている、メトロフィジオセラピーの奥谷先生にお話をうかがってきました。

奥谷先生によると、昔から偏頭痛への治療のアプローチは存在していたとのこと。しかし科学的研究をもとに治療していくと、頸椎自体に問題があり、それが原因で頭痛が起こるとわかってきたんだそうです。フィジオセラピーは医療行為なのでマッサージなどとは違い、頸椎を触って直接治療することが可能だと奥谷先生は言います。

奥谷先生:どんな時に頭痛になりますか? 今日も頭が痛いですか?

編集スタッフS(以下S):寒い時や、雨が降る前など頭が痛くなりますね。今日も寒いので少し頭が痛いです。そもそもなぜ頸椎に問題があると頭痛が起こるのでしょうか?

奥谷先生:頭の中には脳がありますよね。その下には三叉神経頸椎核(*Trigeminocervical nucleusの直訳。新しい医学用語のため、該当日本語訳がないのだとか)というものがあり、その下には頸椎一番、二番、三番があります。歯、口、目、耳などから得る情報、つまり、首から上の五感のすべての信号はこの部分を通って脳に届きます。ですので、感覚神経にある時点の情報が正確でも、頸椎一、二、三番のどこかが問題を起こしていると、そこを通っていく過程で間違った信号として脳に届いてしまい、結果的に頭痛として現れるわけです。

奥谷先生:脳が誇張された情報を受信してしまい、それが頭痛になってしまうんですね。例えば、寒い時に寒いと感じるのは正常なことです。でも変化を感じすぎてしまうのが問題なんです。寒いと感じる情報が、デスクワークなどでストレスのかかった頸椎一、二、三番を通ることで、脳に誇張されて伝わってしまい、そうすると頭痛が出やすくなるんですね。そこで頸椎の一、二、三番のどこが一番の原因なのか、過敏になっているかを見つけ出して、そこを中心に治療することによって、ちょっとした変化、気温だったり天候、気圧などで体調が左右されないように整えていきます。

S:デスクワークの主に何が原因で頸椎に問題が出てしまうのでしょうか?

奥谷先生:姿勢が悪いということが大きな原因の一つと言えると思います。姿勢が崩れて、肩や首が凝ったりして、それで頸椎に問題が出てしまいます。

S:では頭痛があるということは、すでに肩や首にかなりの症状が出ているということでしょうか?

奥谷先生:人それぞれなので100%ではないですが、その可能性は高いと思います。肩こりや首のこりを感じてから、頭痛の症状が現れるまではしばらく時間がかかります。ですので、急にポンと治るわけではないですし、その場しのぎを続けてもずーっと大丈夫な人もいるし、デスクワークをしているとだんだん悪化する人もいれば、運動不足などが原因な人もいるわけです。頭の重さは一生変わらないわけですし、変えられるところを変えていくしかないんです。姿勢、筋肉、関節の機能を改善することによって症状をなくしていくことできます。それでは治療をはじめてみましょうか。

問診開始

症状など細かく確認

問診では、以下についてなど細かく確認されます。Sには頭痛はあるものの、めまいや吐き気などはなく、また交通事故の経験がないことも確認。

・頭痛は頭のどのあたりに感じるか
・現在の頭痛の有無
・どんな時に頭痛が起こるか
・頭痛の頻度
・症状をいつ頃から感じるようになったか
・頭痛の際、吐き気や、めまいなどはあるか
・交通事故にあったことはあるか

 

姿勢のチェック

奥谷先生:真正面を向いた状態で首の後ろを触っていただいてもいいですか?そのあたりになんとなくコブがあるのがわかりますか?

そう言われて首の後ろを触るS。すると出っ張ったコブが! これはいったいなんでしょうか?

奥谷先生:ここのコブはいわゆるストレートネックと言われるものの原因になります。触ったまま下を向いてもらうとコブが良く分かると思いますが、でも下を向いてコブができるのは普通のことなんです。でも真正面を向いている時にコブが残っているということは自分の中心の位置が前にずれているということなんです。ちょっと撮影して見てみましょうか。普段パソコンを使っている時の姿勢を再現してください。

奥谷先生:この写真を見てもらうと、首が前傾していることがわかりますね。

S:そう言われて見ると、ものすごく頭が前に出ています!!

奥谷先生:そして背中は猫背にカーブしていますよね。ここでコブになるんです。本当は耳の穴と肩は垂直の位置にあってほしいんですね。この写真を見るとだいぶ前にずれていますよね。頭の重さは約8kgですが、1cm頭が前に出るごとに支えている筋肉にとって頭の重さは4倍になると言われています。この状態だと100kgくらいの負荷がかかっていると思っていただければいいと思います。次はまた真正面を向いてコブを触ってもらって、そこからアゴをひいてください。コブが比較的フラットになる感じはありますか? 後ろに引く感じです。もう1回撮影しますね。

奥谷先生:さっきの写真と比べてみてください。首の曲がり具合を見てもらうと、だいぶ良くはなっていますが結構カーブが残っていますね。これは長年の姿勢の影響で背中が固くなってきていて、頭が後ろに戻せなくなっているんです。次は、左右に首をねじってください。もっと思い切りできますか? 左の方がねじりやすそうですね。

奥谷先生:上下にもお願いします。そのあと首を横に倒してください。

奥谷先生:では今度は後頭部で手を組んで、肘を前にして前傾姿勢をとってください。そのまま胸を床に押し出して、力を抜いてふーっと息を吐いてください。とても堅いですね。

S:先生、痛いです…!

奥谷先生:では起き上がって手を離し、もう一度首を左右にねじってもらってもいいですか?

S:さっきは首がひきつった感じがしましたが、今回はひきつりません!

奥谷先生:首を触らなくても、背中を柔らかくすると首の動きが変わります。首の25%の動きに背中が関係しているので、背中を柔らかくするのは長期的には必要になってきます。次にここに座ってもらってもいいですか? 頭痛が悪化するか、改善するか教えてください。

奥谷先生:どうですか?

S:少し頭の痛みがなくなったような…、あ、頭痛が戻ってきました!

奥谷先生:わかりました。ではもう1回やります。アゴも引いてください。どうですか? 変化はありますか?

S:頭痛が戻ってきません…

奥谷先生:あ、頭痛が消えましたか?

S:あ、少し頭の痛みが戻ってきました。

奥谷先生:わかりました。今ので何がわかるかと言うと、Sさんの頭痛の原因はほとんど頸椎1番にあると言えると思います。今度はベッドにうつ伏せに寝てください。

治療開始

奥谷先生:左から右に押すのと、右から左に押すのとどちらが痛いですか?

S:左からのほうが痛いです。

奥谷先生:では今度は頭痛を再現してみたいと思います。少し強く押しますね。目指しているのは押されているところの痛みよりも、いつも感じている頭の痛みです。

何箇所か押されているうちに、押されている部分の痛みよりも、普段の頭痛を感じる場所を発見したS。

S:先生!痛いです。

奥谷先生:わかりました。それではこの位置で頭痛が消えるまで押しますので、頭痛が消えたら教えてください。

奥谷先生:押されているところの痛みだけが目立ってきましたか?

S:はい。頭痛はすっとなくなりました!

奥谷先生:でも私は押す力の強さを変えていないんです。ただずっと押していただけなんですよ。ではもう一度頭痛を再現しますね。短い間に押すことを繰り返すことによって、頭痛が消えるまでの時間が短くなっていく傾向があります。

このあと2回さらに普段の頭痛を再現をしてもらったS。確かにどんどん頭の痛みが消えるまでの時間が短くなっていきました。

S:今押されているのが頸椎一番でしょうか?

奥谷先生:そうですね。ですが、同じ頸椎一番でも押す場所によって頭痛の現れる箇所が変わってきますので、普段の頭痛を再現する、ということが大切なんです。どうですか?

S:最初よりは痛くありません。

奥谷先生:今頸椎を押して痛みが消えていったのは、脳が押している力に対して「これは頭痛として認識しなくていい痛みだ」と学習したからなんですね。過敏な状態を落ち着かせていくんです。痛みを感じるまでのハードルをどんどん高くしていって、ちょっとしたことじゃ「頭痛として認識しなくていいよ」と学習させて、正常に脳に情報が伝わるようにするんです。はい、ゆっくり起き上がってください。どんな感じですか?

S:頭がスッとしています。前が明るくなった感じです!

奥谷先生:患者さまで、どんよりした雰囲気で診察に来た人が、治療後は目の開き方が変わるくらい見違える人もいますね。さっき吐いたあとに来ました、というくらいの人もいます。それはあまりにも症状が悪化して、胃まで症状が出てしまっているんです。これは長期間頭痛を抱えている人に多いですね。長い間頭痛を持っている人は、その前から姿勢が崩れている状況が続いているので本気で改善しようと積極的に治療に取り組んでいただくことが大切ですね。症状が慢性的になればなるほど、治療と自宅での運動療法をやっていただくことが改善への近道となります。ですので、まずは診察に来てもらってほしいです。くも膜下出血などの深刻な頭痛以外なら、ほぼ間違いなく何らかの形で治療をすることできると思います。

 

とても心強いお言葉を奥谷先生からいただいたあとは、このあとおまけとして、首の後ろのこぶを少なくする筋トレを教えていただきました!壁に背中を向けて立ち、身体自体は壁につけないで肘から上を壁につけて押し当てます。真正面を向きその状態で上下20回上げ下げを繰り返します。

Sも挑戦しましたが、筋肉痛になりそうなくらいきつかったです。しかしこれを毎日朝昼晩20回ずつ6週間続けると、だいぶ変化に適応できるようになり、頭痛も出にくくなるようになるとのこと! 脱頭痛を目指して頑張ります!

 

首は身体のなかでも最も繊細かつ重要な部位。首が凝っている、というので街中のクイックマッサージなどで首を安易に触られると症状が悪化する恐れもあるんだとか。フィジオセラピーの中でも更に頸椎に特化した研修を受けている奥谷先生に診てもらえれば安心ですね。

長年原因のわからない偏頭痛や生理前の頭痛などにお悩みだった人は、まず一歩踏み出すためにメトロフィジオセラピーに行ってみてはいかがでしょうか?

 

Metro Physiotherapy and Injury Clinic
メトロフィジオセラピー
担当:APA認定筋骨格系理学療法士/奥谷匡弘
所在地:Suite 406a, Level 4, 250 Pitt Street, Sydney
電話番号:0414-272-440
営業時間:予約制・日祝休
http://metrophysiotherapy.com.au/

 


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