難易度:★★★☆☆ | 所要時間:20分間
こんにちは、ののです!今回この『現地就職への道』の記事を初めて担当です!
『現地就職への道』とは、オーストラリアの現地企業で活躍している日本人に「どうやってその仕事に就いたのか」という就職への道を、留学生・ワーキングホリデーの皆さんに代わって直接インタビューさせていただき、その真相を探っていく、まさに特攻型の企画です。
突然ですが、みなさんはフィットネスに関心はありますか?ここ、オーストラリアはフィットネス大国としても知られ、生活に密着した身近なものになっています。身近なものだからこそ、フィットネス産業で働こうと思うと専門の資格が必要となります。では、どのようにしてお仕事を探していくのでしょうか?
第7弾の今回は、2016年の『NSW州パーソナルトレーナー・オブ・ザ・イヤー』を日本人として初受賞、シドニーでフィットネス会社を経営され、自らもパーソナルトレーナーとして活躍している野村麻衣さんに「パーソナルトレーナーとして仕事をするには」というテーマの元、「会社経営者としてオーストラリアで働くには?」、「結果を残すためには何が必要か?」、「英語の習得の秘訣」、「前向きに海外で生活するための心構え」など留学、ワーキングホリデーを考えている皆さんに向けてたくさんのお話を伺いました!
まずはプロフィールから☆
プロフィール:
名前:野村麻衣(のむらまい)
役職:パーソナルトレーナー/ヘッドPT/Founder
会社:Style Gear
つよし:今日はよろしくお願いします。まずは簡単に自己紹介をお願いします。
麻衣:野村麻衣です。オーストラリア歴は9年目に入りました。最初の2年はワーキングホリデービザで滞在し、その後一度日本に帰って学生ビザに切り替えて戻ってきました。
つよし:ありがとうございます。一度日本に帰ったのは結構長かったんですか?
麻衣:8ヶ月くらいですね。ちょっと日本が恋しかったのもありましたし、学費を貯める必要もあったので一度帰りました。
つよし:なるほど。まず、最初にオーストラリアに来た目的は何でしたか?
麻衣:一番最初はとにかく英語に触れてみたいのと、海の近くに住みたい…ただそれだけ(笑)、選択肢を考えていたら、ワーキングホリデーで行ける国、さらにその中のオーストラリアの中のどの都市に行くかを考えたときにゴールドコーストがパッと思いついて、ゴールドコーストにほぼ最初の2年間住んでいました。
つよし:え、海の近くに住みたいとか、結構シンプルな理由で来たんですね(笑)ずっとゴールドコーストだけに住んでいたんですか?
麻衣:2年目にラウンドをしましたが、1年目はほぼゴールドコーストにいました。
つよし:最初は英語喋れたんですか?
麻衣:英語が全く喋れなくて、ホストファミリーのお母さんに「今日何時に帰ってくるの?」って言われて「Yes」って答えてたくらい。
つよし:いや〜分かる~!私も「How are you?」って聞かれて「Yes」って答えてましたからね(笑)。
麻衣:YesとNoしかなくて…、最初そんな状態できたんですけど、海外にたぶん自分が住むだろうなっていうのは子どものころから思ってました。それは多分父親の仕事の関係上だったんですけど。
つよし:海外に行ったりしてたんですか?
麻衣:いや。でもお父さんがほぼ海外に行っていたので、自分が日本だけで生活するイメージがなくて、だから両親にワーホリ行きたいと言ったときにもちろん心配はしていましたが「言うと思ってたよ」と言う感じでサポートしてくれました。
つよし:そうなんですねぇ。最初英語ができないときは語学学校には行ったんですか?
麻衣:渡航前にエージェントを通して3ヶ月の語学学校とホームステイのパックを申し込んでいました。3ヶ月たった時に「もう少し勉強したい」と思い最大4ヶ月学校へ行けたので1ヵ月延長しました。でも、4ヶ月勉強してもそんなに喋れなくて「現地の人と喋らなきゃだめだ!」と思いとにかくローカルで仕事をしたい気持ちがいっぱいで、ビーチ沿いのカフェなどお店にレジュメを配りまくりました。
つよし:レジュメ配りしてたんですね。
麻衣:そうじゃないとだめだと思っていました。(配りに行ったお店に)スタッフしかいないときは出直して、直接マネージャーさんに渡すようにしていました。そしたら1件目にレジュメを渡した海沿いにあるフィッシュアンドチップスのお店から電話がきて働くことになりました。それから英語を使わないといけないので、間違った英語でも常に喋りました。
つよし:フィッシュアンドチップス!!オージーですね(笑)
麻衣:ビーサンで仕事してTシャツの中に水着着て休み時間は海で泳いでました(笑)。そんな生活でした。
つよし:オーストラリアを満喫してる感じですね。ちょっとパーソナルトレーナーとしてのお仕事の話をお聞きしたいと思いますが。日本でも同じお仕事(パーソナルトレーナー)をされていたんですか?
麻衣:やっていました。高校卒業してからアパレルも経験したんですけど、元々高1のころから筋トレをやっていて。
つよし:え、高1から?部活ですか?
麻衣:学校の授業です。スポーツ専門コースに通っていたので、筋トレ歴は長かったんです。
つよし:すごいですね。高校がスポーツ学校だったんですね。中学のころからスポーツ学校に進もうと思ってたんですか?
麻衣:小さいときから運動をしていて、走るのが得意でした。元々バスケ部だったんですけど、陸上部にも呼ばれて大会で記録を残したのがきっかけで体育に強い高校に行くことになりました。そこで筋トレはずっと勉強していたので、日本でパーソナルトレーナーとスタジオインストラクターをジムで5年弱することになりました。
つよし:日本ではパーソナルトレーナーになるのに資格は必要なんですか?
麻衣:実はなくてもできるんです。オーストラリアみたいにライセンスをキープするために勉強し続けることも、国家試験もないのでフィットネスの会社に認められて知識があればトレーナーになれてしまうんですよね。
つよし:ええ、そうなんですね。技術面や安全面を考慮すると資格が無い人に教えてもらうのは、ちょっと怖くないですか?
麻衣:それはありますね。批判するつもりはないんですが、知識を習得していなければ危険を伴う種目はライセンスを取っていても常に講習受けさせられますし、受けないとライセンスがなくなってしまいます。安全面に対してはオーストラリアのライセンスはかなり厳しいですね。ジムの需要が高いので。
つよし:そうですよね。では、日本で5年パーソナルトレーナーを経験して、少し休憩でもしようと思ってワーホリに来られたんですね?
麻衣:とにかくタイムスケジュールがきつすぎて…、分単位の生活でした。ちょっときつくなってしまって…、それでゴールドコーストのビーチでのんびりしたいなって(笑)。その時は、まさか自分がまたパーソナルトレーナーをやるとは思ってなかったんですが、ワーホリ中のある時から「ちょっと海外でパーソナルトレーナーをやってみたい」と思うようになって、その時から将来的に会社は立てようと思っていました。
つよし:なるほど。その時から考えていたんですねぇ!ワーホリ中に何かきっかけがあったんですか?
麻衣:実は日本でパーソナルトレーナーをしていた頃、今の体重より20キロくらい軽くて体脂肪率も7%切っていて、ボクサー並みだったんです。
つよし:え、男性ボクサー並みですね!?
麻衣:それが、将来的に女性ホルモンにも支障がでるためドクターストップがかかったこともあり、そのタイミングでワーホリに来ました。そこから海外で、自分で生活し始めてワーホリ2年目の時に改めて自分が細すぎると思ったんです。食事も勉強しなおしてトレーニング方法も今までの方法から変えてみたら、自分の体が変わっていくのが目に見えて分かりました。これは私が経験したことを発信できると感じて、会社を立てたいと思うようになりました。日本人しかできない、私しかできないことをやりたいって。
懸垂も難なくこなす麻衣さん
つよし:なるほど、それはすごい気付きでしたね!ゴールドコーストでもトレーニングは続けていたんですよね?
麻衣:してました!家にジムがあって、朝から水着で家を出てビーチ沿いを走って、家のジムにもどってプールで泳ぐという感じで。
つよし:バリバリですね(笑)。自分のためのトレーニングって感じですね。
麻衣:バリバリやってましたね(笑)。仕事じゃなくて自分の体をキープするためでした。ヘルシーなライフスタイルを送りたかったので。
つよし:なるほど。そんな生活から、ワーホリが終わるときにもう一度オーストラリアに戻ろうと思っていたわけですね。
麻衣:思っていました。銀行も家具もオーストラリアに残して「絶対に帰ってくるから!」と友達に伝えて日本に帰りました。あったら帰らなきゃいけないじゃないですか(笑)。日本にいてもとにかくだらだらしていられない、1日でも日本にいる時間を無駄にできないのでオーストラリアに戻るために「今日一日昨日よりいいことをしよう、ちょっとでもいいように過ごそう」と思って結構がむしゃらでした。それはそれで楽しかったです。
つよし:なるほど。では、日本にいる間に会社の立て方も調べていたんですか?
麻衣:実はワーホリの時にどういう資格を取らないと自分で会社を立てれないのかということを調べていました。その時に気づいたのが、オーストラリアではオーストラリアのフィットネスのCertificate(サティフィケイト)を取らないとまずジムで働けないし、パーソナルトレーナーになれないということでした。そこでゼロから語学学校に行きなおして、専門学校に必要な語学力まで上げて、フィットネスの専門学校に入学して…、それが人生で一番勉強しました(笑)。
つよし:(笑)。英語を覚えてから専門的な学習が出来るという流れですもんね。
麻衣:内容は分かってるんです。解剖学とか栄養学は一度日本語で習っているので。でも、英語で何かを習ったことがなかったんです。英語を理解するのにいっぱいいっぱいなのに、英語で何か別のことを学ぶなんて本当に場違いだなって思って泣いたときもありました。そこは結構きつかったです。
つよし:確かに。英語で何かを学ぶって本当に難しいですよね…。
麻衣:いっつも日本人スタッフの方に泣きついてました(笑)。学校終わった後に「すいません、これが分かんないんですけど…」って質問しに行くんですけど、日本語を使うと怒られるので英語で質問してました。それでも分からないときだけ「これだけ一回日本語で教えて!」って言ったりして…。でも、皆勤賞と特待生として表彰もされました!
つよし:おお、すごい!そこらへんのやる気は人一倍だったんですね。
麻衣:やる気は半端ないです。本気出したらちょっと自分でもはじけるくらいやっちゃうかもしれないです。その代わり、周りが見えなくなっちゃうんですけど(笑)。
つよし:それくらいの方がいいですよー!その時はとにかく勉強と資格取得が一番の目的という感じですね。
麻衣:そうですね。その間は仕事もしませんでした。
つよし:おお、仕事もしてなかったんですねぇ。
麻衣:それも、「仕事しないといけないから勉強が追い付かない」という状況になりたくなくて、日本に帰っている8ヶ月間はお金を貯めようと思っていたのはもちろんでしたが、オーストラリアに戻ってきてから「勉強しなきゃいけないのに稼がなきゃいけない」という気持ちになりたくなくて仕事しなくていいようにお金を貯めてきました。
つよし:そういう事ですよね。すごいですね。学校で、(フィットネスについて)改めて勉強しなおして、より知識をインプットできたと思いますか?
麻衣:かなり専門用語を覚えられました。根本的な日常英会話とは違って例えば骨とか筋肉の名前って元々ラテン語なので、ネイティブの人でも発音できなかったり、辞書になかなか載っていなかったり、最初は理解するのが大変でした。
つよし:今でも仕事でその苦労が活きているんじゃないですか?
麻衣:活きてます!逆にたまに日本人の方に接客をすると長い間日本語の名前が分からなくなったりして「これ日本語で何筋だっけ~?」みたいな(笑)。
つよし:筋肉って600以上呼び名があるんですよね(笑)。
麻衣:めちゃくちゃあります(笑)。骨もたくさんありますね。
つよし:それを日本語と英語でやっていくって大変だと思います。話は変わりますが、経営については学校で勉強されたんですか?
麻衣:会社を経営する立場の勉強、マネジメントや会計は学校では学ばず、職場のクルーから学びました。人を見ながら学べたのが一番の教材でしたね。
つよし:仕事を始めてから学ばれたんですね。仕事先は学校卒業後に見つけられたんですか?
麻衣:これもご縁があって。もともとこの(現在も勤務先の)ジムがグランドオープンした時からの会員で、トレーニングしていた時にマネージャーに声をかけてもらいました。日本人の女の子で毎朝同じ時間に黙々と汗だくでトレーニングしていたのが私しかいなくて(笑)。そしたら一度スタッフの方が来てトレーニングを止められたんですね。何かしたかなと思っていたら「以前からトレーニングしてたの?フィットネス勉強してるの?」と聞かれて、専門学校で勉強していて、日本でもパーソナルトレーナーをしていたという話をして、その時はそれで終わったんです。でも、違う日に別のスタッフに「いつ卒業するの?もしよかったらお試しでうちのジムでクルーとしてインターンシップやってみないか?」って聞かれて、学校ではインターンシップの単位は必要なかったんですけど、むしろお金払ってでも行きたい!と思って参加しました。そしたらそのまま卒業と同時に仕事が決まっていて、面接もせずにトントンと行ってしまったんです。運がよかったです。
つよし:それは本当にすごいご縁ですねぇ!
麻衣:それと同時に優等生として表彰されたので、ジムからは来て!という感じで言っていただいて、すぐにジムのアシスタント・クラブマネージャーという役職に就かせていただいて、パーソナルトレーナーとしてグループトレーニングもやりながら、クラブの経営も最初の4年間手伝わせていただいていました。
つよし:運だけでなく実力もあったのも大きいと思います。そこから色んな役職を経験されたんですか?
麻衣:途中からパーソナルトレーナーの方に視点をもう少し置くようにしてきて、そして去年、年に1回あるJetts(*)のカンファレンスでベストパーソナルトレーナー・オブ・ザ・イヤーを受賞してニューサウスウエールズ(NSW)州で1位になりました。
(*補足:Jettsは、現在オーストラリア国内で250店舗以上展開している24時間営業フィットネスジム)
つよし:トロフィーを見せてもらってもいいですか?このお話も聞きたいです!NSW州の中でもJettsの店舗がたくさんある中で1位ですよね?すごいですよねぇ。
クラブには麻衣さんがNSW州ナンバーワンの証であるトロフィーが飾られていました!
麻衣:元々この制度を知らなくて、ある日突然メールが本社から来たんです。「最終選考に残ってるよ!」って書いてあって、いつ誰が応募したんだろう?って(笑)。おそらく他薦だとは思います。本社からや、ここのクラブのオーナーからもあると思うんですが、あるお客さんがクイーンズランド州にある本社に私の名ざしでフィードバックを送ってくださったこととか、あとはFacebookのレビュー、コメントを総合的にみられたみたいです。その後は電話でのインタビューがあって自分がどういうトレーニングをして、どういう指導をしているか、指針を持っているのか、っていうのを答えて、そしたら「5位以内に選ばれました」ってきてて。
つよし:予選通過みたいな(笑)。
麻衣:最終的にトップ3になってたんです!そしたらゴールドコースト行きの飛行機のチケットとホテルが用意されていて(笑)。クラブオーナーと一緒にゴールドコーストへ行きました。
つよし:いきなりですね!(笑)各店舗から集まるんですか?
麻衣:その時は、全Jettsが集まるので400人くらいは集まります。あとサプリメントや器具の会社の人も来られて、3日間行われます。その1日がアワード賞の日でした。オスカー賞みたいな感じでしたね!レッドカーペットがしいてあって、ドレスコードもありました。ノミネートされた人がそこで表彰を受けるんですけど、一度真っ暗になってドラムロールがなってという感じでした。
つよし:ダラララララララララララ…ジャン!!!!!みたいな(笑)。
麻衣:立てなかったです!声も出ないし、手も震えちゃって、ステージに呼ばれて「どうしよう!!!」って!
つよし:すごい演出ですね!
麻衣:すごかったですね!私のフィットネス生活の中では一番大きかったです。私が野村麻衣としてこのクラブに何か持って帰れたこと、日本人としてオーストラリアに何かを持ってこれたことが、ナンバーワンよりも嬉しかったです。
つよし:画期的ですよねぇ。アジア人で女性で、おそらく日本人では前例はないんじゃないですか。
麻衣:前例はないです。なのでその時は「日本人やってやった!!!!」って思いました。実はこのアワード、賞金も何もないんですけど、それだけの価値は自分の中でありました。
つよし:自分のキャリアとしても残りますもんね。本当にすごいことです!
麻衣:本当は、できればいつかオーストラリア1位になりたいです。
つよし:全国版もあるんですね!
麻衣:あります!「無理でしょ」って言わない方がいいですね。「いけるな!」って思うので言います。これが取れたらすごいですね。受賞したアワードの上だともうそれしかありませんからね!
つよし:Jettsの、ここのクラブのオープニングから働いて、このJetts(支店)としては初めてのアワードですよね?メンバー数もNSW州で1番多いジムになったと伺いましたが。
麻衣:今、オーストラリアではメンバー数1位になりました。面積はそんなに大きくないですけど、他のジムに比べると器具は充実していますね!
つよし:メンバー数もこの5年間でクラブをここまで大きくしてきたのは麻衣さんの功績も大きいと思います。
麻衣:クラブ側もサポートしてくれてNSWナンバーワンがいるよって言ってくれているので、セールスしなくても人が来てくれるのがありがたいですね。セールス好きじゃないのもあるんですけど、SNSの力も大きいです。
つよし:では麻衣さんの個人の会社のお話も聞いてもいいですか。自分の体験の中から作り出した知識や価値、野村麻衣メソッドを形にしようと思ったのが『Style Gear』という会社なんですよね?どうしてこの会社名にされたんですか?
麻衣:なぜ会社の名前にしようと思ったかと言うと、スタイル(Style)は『あなたに合ったスタイルのトレーニング方法』を私は紹介したいんです。今流行ってるから、インスタで有名人がやってるからと言ってそれがみんなに結果がでるわけではないですし、フィットネスレベルが合ってないものをやってもしょうがないんです。モビリティ(機動性)とスタビリティ(安定性)がないと、土地がしっかりしてないと家が建たないのと同じです。その人に合ったスタイルを提供したいという思いです。ギア(Gear)は運動のジムのギアもありますが、自分のライフスタイルをギアチェンジしていい方向に持って行きましょうという意味があります。これを合わせてStyle Gearです。
つよし:なるほど、コンセプトをしっかり考えられているんですね。
麻衣:あと、実は父親も日本で会社を経営しているんですが、名前が『Style Gear Japan』なんです。全然フィットネス関係ないんですけど、私3姉妹なので父の会社を継ぐ人間がいないのでせめて名前は継ぎたいなって思ったんです。でも名前が意味のあるものにしないといけないと思ってどうブランディングしていこうと考えて名前を付けました。後付けみたいですけど(笑)。
つよし:ものすごくしっくりきますよ。そのブランドを使い始めたのはいつから?
麻衣:会社として立ち上げたのは去年、2016年7月です。それまではソロトレーナー、パーソナルトレーナーとしてやっていましたが、国に会社として登録したのがそのときですね。
パーソナルトレーナー以外にもフィットネスモデルを被写体とする写真家のモデルとしても活躍
つよし:これから先、自分のブランドの今後のキャリアビジョンはありますか?
麻衣:最初の1年間は今までやってきた仕事と目の前の元々持っていたクライアントさんをもちろん教えたかったんですけど、今はそれを広く見ています。この間日本に一時帰国したときに、「どうやったらあなたのセッション受けられるの?」、「ワークショップ日本でしないの?」っていう声をいただいて、ちょっと今後は海外へのオンラインサポートもしたいなと思っています。
つよし:へぇ、面白い試みですね!具体的なイメージはありますか?
麻衣:会社を経営する立場で考えると、自分1人で教えていくのは難しくて、1日8人~9人が限界でそれ以外のことは何もできないんですね。例えばオンラインで日本語対応アプリを作って、私の筋トレ動画を見てもらったり、自分で筋トレのプログラム組んでもらったりできる方法を考えていますね。今の時点では、サンシャインコーストやゴールドコーストに住んでいる方へのオンラインでのサポートは始めています。
つよし:そんな方法もできるんですねぇ!
麻衣:私とオンラインで教えている方が元々知り合いだったこともあって、スムーズに始まりました。ビデオで動画を取ってもらって私がチェックしたり、私が筋トレのプログラムを作ってEメールを送ったりしています。でも動画を見ているだけだと動画サイトを見てるのと変わらないので、できるときは実際に会ってしっかりマンツーマンで指導したいですね。
つよし:最近だとVR技術も発達してるじゃないですか、今後そういう物も導入されるんですか?
麻衣:そういうのもおもしろいなって思っています。色んな角度から筋肉を確認できますしね。テクノロジーを駆使するのが日本人らしいですよね。日本人の仕事の丁寧さというか。
つよし:やっぱり日本人だからこそ感じる仕事ぶりの違いもありますか?
麻衣:私たちはおもてなし精神で育ってきているので、普通に仕事していても「サービスがいい」とか「今までそこまでされたことがない」とクライアントさんに言われるんです。私は全然意識していないんですけどね。
つよし:さすが!日本人らしい精神が活きていますね。
麻衣:利益はないんですけど、今やってる努力がどこかで返ってくると思っています。そういう事は日本でそんな風に育ってきたことがプラスになっているかなと思います。
つよし:日本とオーストラリアのエクササイズへの考え方の違いはありますか?
麻衣:ありますね。オーストラリアはジムへ行ってるのが当たり前になっているので、生活の一部になっています。その分ジムの数が日本とは比べ物にならない多さですよね。日本の場合はジムへ行くのに一苦労している方が多い気がしますね。習い事の一部というか。オーストラリアだと自分のライフスタイルになっているので、歯磨きをするような感じで自然にジムへ行く人が多いように感じています。そういう感覚が違いますよね。また、ビーチ沿いにアスレチックがたくさんあるのもオーストラリアならではですよね。
ジムの設備も充実しています
つよし:トレーニングについての違いもありますか?
麻衣:基本のトレーニング理論は同じです。でも最新器具や流行りのエクササイズでは違いがでますね。流行りのエクササイズは日本をはじめとするアジアの方は気にする傾向があるんですが、流行りは去るのも早いのでオーストラリアではルーティンにはなりにくいです。
つよし:話を戻しますが、これからの後進育成についても考えていますか?
麻衣:今このクラブではヘッドPTという新しいパーソナルトレーナーを育成する立場にいます。それぞれのキャラクターを活かしながら、人をマネジメントしていくのが初めてだったんですけど、個人のカラーを出せるように考えながら指導をしています。
つよし:その中に麻衣さんのオリジナルメソッドも取り入れているんですか?
麻衣:多分、おもてなし精神の面に関しては日本人じゃない方からしたらちょっとめんどくさいと思うんですけど、お客さんを待ってるサービスじゃだめだとは伝えます。でも強制はしていないですね。私の会社の人間ではないし、個人の良さは尊重したいので。全員が全員私の指導があっているわけではないと思いますし。
つよし:Style Gearを一緒にやってくれる仲間をゆくゆく募集していきますよね?
麻衣:将来的には募集したいですね!今はダイレクターのオーストラリア人とWEB関係をやってもらってる方がいたりはするんですが、まだトレーナーとして一緒にやっていく人はいない状態です。かなりハイレベルなスキルを持っていて、私のビジョンを共有できる人材を集めたいです。
今後の展望を笑顔でお話される麻衣さんはパワーに満ち溢れていました!
つよし:適切な人材が見つかるといいですねぇ。あと、私の方は、最近も留学やワーキングホリデーでオーストラリア渡航後もフィットネスを続けたい方から問い合わせをいただく事があるのですが、何かアドバイスはありますか?
麻衣:是非オーストラリアに来てください!最初私は全く英語が喋れなかったので、そんな私がここまでできるんだから本気でやったら絶対できます!やりたいことがあって、でも、もしちょっとでも迷っているならやって後悔した方がいいです。実はワーホリに行く前に、長く付き合っていた彼がいたんですけど、結婚も考えていました。でも、結婚してワーホリに行かなかったら絶対に一生後悔すると思って別れました。でも、あの時があるから今の私がありますし、失敗したら彼にも申し訳ないと思ったので一生懸命やってきました。
つよし:タイミングはありますよね。
麻衣:中途半端な気持ちではできないですよね。逆に英語も中途半端にできるわけじゃなかったので、(同じクラスの)若い英文科とか行ってる日本人からも馬鹿にされたり悔しい思いをしたりしました。でも私はコミュニケーションでやっていこう、間違ってもいいからとにかく話そうと思ってオージーの友達を沢山作りました。難しくて分からないことも多かったですけどね。でもリスニングの勉強と思ってローカルの場所にはなるべく行くようにしていました。そういうことをしていると頑張りはいつか自分に返ってくるので、ちょっとでもワーホリに行ってみたいって思っている人は、やれば絶対形になるし、もしそれで失敗してもそれはそれでいいと思います。勉強できますから。
つよし:いつでも学べるし、(オーストラリアは)学ぶ場所や新しい刺激がたくさんあると思います。
麻衣:生活のリズムはもちろんですけど、物事の考え方が真逆に変わりました。「私ってすごいちっちゃいんだな」って。日本って島国だから団結力がすごい強いので、最初オーストラリアに来ると日本人同士で固まりがちなんですけど、いかにそこから抜けるかなんですよね。抜けた人って考えがいい意味で飛びぬけてる子が多かったし、バンバン力を出していたのでので、私もその中にいちゃだめだ、抜けないと!って思っていました。
つよし:自分に対してすごくストイックに過ごされているイメージがあります。
麻衣:はじめ私も同じエージェントで同時入国した日本人の子とよく固まっていたんですけど、頼ってると英語が伸びないと思っていました。自分だけ違うところに住んでみたり、放課後に誘われたら遠慮せずに「今日は違うところに行ってみる」って断ったりもしたこともあります。でも理由を言ったらみんな分かってくれました。
つよし:別に嫌いでやってるわけじゃないですもんね。
麻衣:そうですね、「ちょっと英語を勉強したいから」って言ってましたね。日本でも英語は勉強できると思っていたんですけど、自分を絶対に英語しか使えない状況に置かないと甘えてしまうんですよね。
つよし:麻衣さんを見ていて思うんですけど、自分への向き合い方が上手いですよね。
麻衣:モチベーションは常に高くいようと思っています。それが嫌なことでも。勉強は本当に嫌だったんですけど、その分人の3倍以上やらないと同じスタートラインに立てないって思っていました。それで人間的にも変われたところはありました。
つよし:人の3倍動くは私のモットーとも同じです(笑)。高いモチベーションを持つ事で、どんなに辛いときでも乗り越えていけますよね。では最後に、オーストラリアで留学・ワーキングホリデーをしたい方に向けて最後にメッセージをお願いします。
麻衣:何か目標は1つあった方がいいと思います。私の場合は英語環境にいたいっていうのがあったので、オーストラリアにきて自分を英語環境に置くようにしていました。ワーホリって長期の観光ビザと同じなので何でもできるんですよね。極端な話、怠けて生きることもできます。でも、1つ目標があるならそれはやった方がいいし失敗したらしていい。そこから学ぶこともたくさんあります。結局日本の方がいいならそれはそれでいい。外から観て日本の良さも悪さも知れるので。目標ある方はぜひ試してほしいし、2歩くらい踏み出してほしいです!
英語が全くできない状態からワーキングホリデーを始めたという麻衣さんでしたが、辛かったことも常に笑顔で話されていたのが印象的でした。モチベーションを常に高く持つと仰っていましたが、そのポリシーが麻衣さんの成功の秘訣ですね!
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最後になりますが、最近のブログの写真は私が撮影していることが多いです。
今回ファインダーを通して笑顔の麻衣さんを見ていると、以前インタビューをさせていただいた看護師の下田絵梨さんのことを思い出しました。なんと実は、このお二人ワーホリ時代からのお友達だそうです!すごいご縁ですね!二人とも仰っていますが、「迷ってるなら絶対にやった方がいい」、その心構えがお二人の心からの笑顔に繋がるんだろうなと感じました。人生は一度きりです。迷うことも多いかもしれませんが、みなさんもお二人のように心から笑える留学・ワーホリを経験してくださいね!
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