【シドニー29日AAP】 オーストラリアを含む37カ国の心臓病患者6000人以上を対象に実施された研究で、心臓病の治療において心拍数が果たす重要な役割が発見された。研究の結果、通常の治療に加えて、心拍数を1分間に70回以下に下げる薬を摂取していた患者の入院や死亡のリスクが26%減ったことがわかった。
メルボルンのモナシュ大学心臓病研究センターのクラム教授は、今回の研究結果は非常に画期的なことだとしている。「この国では心臓疾患は深刻な問題。この結果によって、医療や治療のガイドラインが変更されるだろう。何よりも、心臓病患者の今後の展望を大きく変えることになる」とクラム氏。
心臓病の従来の治療法は、コレステロール値を低下させ、ライフスタイルを改善しながら、血圧に焦点を当てたもので、心拍数に注目することはなかった。同研究の共著者であるスウェーデンのゲーテボルグ大学のスウェデンボルグ教授は「患者の心拍数を定期的に計測し、心拍数が1分間に70回以上の場合は、治療薬を追加することで心拍数を低下させることを検討すべき」と述べた。今回の研究は29日にThe Lancet onlineに掲載された。