【シドニー5日AAP】 鎮痛剤を過剰に服用している人を対象にしたオーストラリアの研究で、鎮痛剤中毒者は深刻な健康上の問題を抱えていることが明らかになった。依存リスクのある鎮痛剤は、国内ではマリファナ、エクスタシーに続いて3番目に多い乱用薬物で、国内の鎮痛剤中毒者は50万人以上。
オーストラリア・メディカル・ジャーナルに掲載されたこの研究では、コデインとイブプロフェンが配合された一般的な鎮痛剤「ニューロフェン」に中毒症状を示す27人に関する詳細と鎮痛剤が健康に与える影響について報告された。鎮痛剤服用による副作用には胃破裂、腎疾患、貧血、不整脈や麻痺を引き起こす可能性のある重度の低カリウム症が含まれる。
モナシュ大学心理学・精神医学のフレイ博士によると、患者は慢性の腰痛や頭痛を治すために鎮痛剤を服用し始め、その後日常化して過剰に服用するようになったと報告しているという。患者の1日の鎮痛剤服用量は平均34錠から47錠で、ある患者は1日に100錠あまり服用していた。フレイ氏は、今回の研究では国内の鎮痛剤中毒の拡大は確認されなかったが、これらの鎮痛剤は処方箋なしで入手できるため、医師は薬歴を尋ねる際に鎮痛剤の服用状況について確認すべきであるとした。