【シドニー1日AAP】 NSW州では、養子縁組にまつわる秘密主義が廃止されてちょうど20年になる。養子、養親、実親がお互いに関する情報を利用して連絡を取り合うことを認める法律「養子縁組情報州法」がオーストラリアで初めて、1991年に同州で制定された。それ以来、行方の分からなかった多くの家族の再会が実現してきた。
養子縁組の当事者に情報を開示するサービスを提供する、共済会のポスト・アドプション・リソース・センター(PARC)のヘネガン所長は1日、「今では公然と議論される養子縁組の問題も、昔は秘密で恥ずべきことだと考えられることが多かった」と語った。しかし、「20年前に本センターが開設してから、これまで6万3,850件以上の電話相談を受けた。1週間あたり平均60件の相談件数となる」と述べ、養子情報法が多くの人に歓迎されてきたことを強調した。
また、同法の施行とPARCサービスの開始に関与したウェブスター元州大臣は、「20年間にわたって圧倒するほど多くの人が、実親や実子を見つけ出す機会を与えれくれたと感謝してくれている」と述べた。
州政府出資のPARCではまた、約1,500の個人や家族に対して、親族に連絡を取る仲介サービスを提供してきたが、現在この分野の先駆的存在として世界的にも認められている。