【キャンベラ6日AAP】 連邦政府は、タバコの包装紙を見た目の悪い茶色のものに義務付ける計画だが、大手のタバコ会社はこの動きに全面的に戦う姿勢だ。訴訟となれば、その裁判の費用は数百万ドルにも上るとみられ、しかも税金から支払われることになると、タバコ会社は警告する。
ニコラ・ロクソン保健相は6日、タバコ包装の簡素化法案を連邦議会に提出した。世界初の同法案が通過すれば、すべてのタバコの包装に単色のくすんだ茶色の包装紙を使用することが義務化されることになり、それぞれの商品名も統一された色とフォントで印刷されなければならない。
これを受けてブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)とフィリップモリスの両社は、政府を相手取り裁判を起こすと宣誓。BATは法的措置をすでに開始している。同社の広報担当者のスコット・マッキンタイア氏は、「訴訟だけは避けたかったが、ロクソン保健相のせいでこの道を選ばざるをえなくなった」と述べた。
これに対し同相は、タバコ会社が巨額の反対キャンペーンなどの全面対決を展開しているのは、同法案が効果的であり、自社の収益源になることを両社が知っているからだと反撃した。
一方、野党は喫煙率が確実に低下するようにいくつかの修正を提案するとしながらも、同法案を支持すると表明している。また、医師団体や医療機関も、オーストラリアの公衆衛生上の偉大な功績となるとして法案を称賛している。