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元テロ犯の自伝 裁判所が収益凍結命令 

【シドニー3日AAP】   イスラム系テロ組織「アル・カイダ」に関与したとして米国とオーストラリアで収監された男性の自伝発売に関して、裁判所は、犯罪法に基づき本の販売で得た収益を凍結するよう指示した。

SA州アデレード出身のデービッド・ヒックス氏は、アル・カイダのテロ活動を支援したとして、キューバにあるグアンタナモ米軍基地収容所に5年間収監された後、オーストラリアに帰国。その後、アデレードの刑務所で刑期を過ごした。今回問題になっているのは、ヒックス氏がグアンタナモで過ごしたことを出版することになったためで、連邦公訴局長官(DPP)は、犯罪法に規定されている「犯罪者が犯罪内容を出版し、利益を得ることを極力避けるようにする」という項目に基づき、ヒックス氏の本出版に関して裁判所に訴えたもの。

3日のNSW州最高裁でDPP側は、今後海外からの資料などを裁判所に提出するなどし、ヒックス氏側との話し合いを継続させ最終的合意につなげたいとした。ヒックス氏の父親は、ヒックス氏は現在、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいるとし、この裁判は息子の状況を悪くするようなものだと話した。裁判は、今月16日に再開される。

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