【ケアンズ5日AAP】 ユネスコの世界遺産委員会はQLD州政府と連邦政府に対し、グレートバリアリーフ近隣で液化天然ガス(LNG)の処理を認可した件で警告を与えた。
グラッドストーン近くのカーティス島に数十億ドル規模の液化天然ガス処理施設を建設する計画を州政府が支持したことに関し、同委員会は先月の会合で「極度の懸念」を表明した。また、同計画はグレートバリアリーフの「普遍的価値全体」に影響を与えかねないとし、持続可能な開発に向けた長期的計画など、総合的かつ戦略的なアセスメントを行うよう要請した。さらに、グレートバリアリーフの保護活動を綿密に調査する国際的な監視団を受け入れるようにも要請した。
これを受けてブライ州首相は、「州政府は環境アセスメントの厳密さに大いに自信がある。オーストラリアがどれだけ真剣に、自らの義務を受け止めているのかを、ユネスコは理解していないのかも」と、自信の程を語った。
一方、世界自然保護基金(WWF)では、浚渫をともなう液化天然ガスのこの3つのプロジェクトが、グレートバリアリーフや絶滅危ぐ種に与える影響を懸念している。今回のユネスコの動きについて同基金の広報担当者は、「10年ほどグレートバリアリーフの問題に取り組んできたが、このような進展は一度もなかった」と述べ、非常にまれなことを強調した。