【ブリスベン5日AAP】 おなかの袋に赤ちゃんを抱えたまま睡眠中のポッサムが、立木を伐採していた作業員に誤ってチェーンソーで切りつけられた。胸部に縦20センチ、幅8センチにもわたる重傷を負ったにもかかわらず、手術の甲斐あって、奇跡的にも完治する見込みだ。その回復力に獣医らも驚いている。
この不幸な事故は今月2日、ブリスベン南東部のソーンランズで発生した。事故にちなんで「チェーンソー」と名づけられた母親ポッサムは同日、木の上でうまくカムフラージュして寝ていたため、それに気づかなかった作業員がチェーンソーで胸部を深く切った。うろたえた作業員らは負傷したポッサムをゴールドコーストの野生動物病院に搬送。そこで獣医が治療中に傷口を縫っていたときに、おなかの袋の中から、安全な状態にいる赤ちゃんを発見したという。
術後の容体は、母子とも良好のようだ。同病院の獣医長は、「母親は食欲も旺盛で、母乳もたくさん出ている。ストレスで少し疲れているが当然のことだ」と述べた。母子は2週間回復を待ってから、野生に戻される予定。