政治

渦中のトムソン議員 議会で陳述

【キャンベラ21日AAP】   以前に自身がトップを務めていた労働組合の資金を私用に流用したとして疑惑の渦中にあるクレイグ・トムソン議員が21日、連邦議会で疑惑に関して陳述を行った。同議員は、組合内部のライバルや野党に「落とし入れられた」として、自分はあくまで被害者であることを強調した。

この問題は、2002年からトムソン議員が連邦議員に当選するまでの2007年まで医療関係者の労組「ヘルス・サービス・ユニオン」(HSU)で全国書記長を務めていた際に、組合のクレジットカードを用いて売春婦代や私的な旅費などを支払ったとされているもの。この調査はフェアワーク・オーストラリア(FWA)によって行われた。

21日、連邦議会で行われた陳述の中でトムソン議員はまず、以前に受け取ったという同議員に対して自殺を促す内容の脅迫文の一部を紹介。その後、売春婦代を支払ったとする疑惑に関して、取り立たされている7回のうち3回のアリバイは完全なものであることを主張した。

さらに、HSU内部のライバルであるマルコ・ボラーノ氏からは「売春婦を使ってお前を落とし入れ、政治家としてのキャリアを破滅してやる」といった内容の脅迫を受けたことがあると述べた。ボラーノ氏はこの訴えに関して真っ向から否定しており、「幻想という川の流れに溺れていくトムソン氏に哀れみを感じる」とまで述べた。

野党側は、今後数日かけてトムソン議員の陳述内容を検討するとしているが、陳述内容は信憑性に欠けるものであり、同議員が議会で嘘を述べているのであれば野党としてはそれ相応の対応をしていくとしている。

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