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HSCは、50年代の性別傾向に回帰?

【シドニー19日SMH】   今年のHSC(中等教育修了・大学入学資格共通試験)の結果をみると、1950年代の試験結果のように見えるとの指摘がされた。

HSCの各科目の男女別受験動向を見ると、ほとんど例外なく、ステレオタイプの性別指向に沿っていることがわかる。

女子学生は、テキスタイルとデザイン、食品工学とコミュニティや家政学を専攻し、男子学生は、エンジニアリング、ソフトウェア設計、物理学などを専攻している。

一方、男女差がほとんどない科目は、音楽、ビジネスと地理学だ。ちなみに初級日本語は、70%が女子学生が専攻している。

NSW州教育委員会では、これは個々人の能力の差によるというよりも、選択科目の登録傾向によるものだとしている。つまり、テキスタイルやデザインを専攻するのは女子学生が98%と圧倒的に多く、また、エンジニアリング専攻は96%が男子学生だ。

とはいえ、HSCの結果から見ると、女子学生が男子に比べて、ほとんどの科目で上位を占め、優秀賞の3分の2を占めている。一方、男子学生は、高等数学と科学の科目で優位を示している。

また、欧米諸国の事例を見ても、学校教育で女子が男子を上回るのは、世界的な傾向のようだ。

HSCの科目選択にみられる性差は、私たちの社会状況の反映であり、カリキュラムによる偏向というよりは、むしろ文化的に刷り込まれた偏りを反映しているといえる。そのために教育の潜在的役割が問われていると、州教育委員会では指摘している。

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