国際

シリアからの子ども帰国 豪政府は慎重

【キャンベラ11日AAP】  連邦政府はシリアへ母親らと渡航した5人の子どもとシリアで生まれた乳児について、オーストラリアへの帰国に慎重な姿勢を示している。子どもらの母親および祖母は昨年、シリアで死亡したが、オーストラリアの家族らは子ども達の帰国を認めるよう訴えている。

5人の子どもの母親であるタラ・ネトルトンさんは、夫でイスラム国(IS)兵士であるカレッド・シャルフに2014年シリアで合流したが、感染病で昨年9月に死亡。タラさんの長女で14歳のゼイナブさんは、父親のいとこで同じくオーストラリア人でIS兵士のモハメド・エロマ―とシリアで結婚し、子どもを出産した。

子どもらの父親カレッド・シャルフと長女の夫モハメド・エロマーはいずれも戦闘中に死亡したとみられている。子ども達は最も戦闘が激しいラッカに留まっているとみられるものの、連絡を取ることも非常に難しい状況となっている。

オーストラリアの家族らは、「子ども達は犠牲者だ」と訴え救出を求める一方で、ダットン移民相は将来的に子ども達がオーストラリア社会に危険をもたらす可能性があるとした上で、「政府の最終的な目的はオーストラリア国民の安全を守ることだ」として、帰国の許可に慎重な考えを示した。

この記事をシェアする

その他のオーストラリアニュース記事はこちら