【パース8日AAP】 オーストラリア医療組合によると、裁判所は昨年12月に悪性脳腫瘍と診断を受けた6歳の男児の両親に対し、男児に化学療法を受けさせるよう命じる判決を下した。両親は男児が“実験用ねずみ”のように扱われるとして化学療法を拒否していた。
連邦家庭裁判所のサックレイ裁判官は、医師らは男児が治療を受けなければ数か月以内に死亡するとしているとした上で、「両親は最善と考えられる行動をとっていない」と述べ、親だからといって何をしてもいいわけではないとの見解を示した。
公判では、男児がすぐに化学療法を開始すれば、あと5年間生存出来る可能性は30%となり、さらに放射線治療も受ければ50%となることが明らかになった。両親は息子が治療の副作用に苦しむのは耐えられないとしており、「薬漬けにされて本当に生きているとはいえない」と話した。両親は判決に対し抗告するとしている。