【シドニー8日AAP】 オーストラリアや東南アジアに特有の、類鼻疽(るいびそ)と呼ばれる土壌菌について、鼻から菌を吸い込んだだけで感染することが、QLD州のグリフィス大学とボンド大学の共同研究によって明らかになった。
類鼻疽に感染すると死に至るケースも少なくなく、毎年世界では約9万人がこの菌に感染して死亡している。通常、乾燥した土壌の中に菌が確認されることが多いが、豪雨の後などには水たまりから空気中に拡散することもあるという。研究チームが菌の体内への侵入経路を調べたところ、鼻腔を通り24時間以内に脳へ到達することも分かっている。
また微量の菌による感染の場合、感染に気づかないまま症状が慢性化したり、発症まで数十年かかることもあるという。オーストラリアでは脳が感染した場合、死亡する確率は20~50%となっている。研究チームのセントジョン博士は今後、生物兵器として使用される懸念もあり、予防や治療の研究が重要との見解を示している。