【シドニー28日AAP】 シドニー大学の研究チームはこのほど、運動不足が世界経済にもたらす損失が900億豪ドルに上るとの研究結果を発表した。運動不足が原因とみられる肥満や未熟児の死亡例が増加しているほか、労働力の損失にもつながっており、経済面にも多大な影響を及ぼしているという。
調査を率いたメロディ・ディン教授らは、142か国における運動不足に起因するとみられる病気の治療費や、病気によって失われる労働力および生産性を調査。特に運動不足と関連が高いと言われる心臓病、心臓発作、タイプ2糖尿病、乳がん、大腸がんについて調べた。
同研究ではオーストラリア国内における損失額は、1年間で8億500億豪ドルに上るとみられ、ディン教授は「運動不足は健康面だけでなく、経済面においても大きい負担をもたらしている」と述べた。また国民の収入が高い国ほど運動不足による損失が大きく、専門家からは医療費の節約と労働力の促進のためにも、政府は対策を講じるべきとの声が上がっている。