【キャンベラ5日AAP】 ワンネーション党のハンソン党首は、政府は子どもに予防接種を受けさせるよう保護者に強要しているとの見解を示した。政府や医療関係者らは、ハンソン氏の発言は“危険で無知だ”と批判した。
ハンソン党首は先立って、予防接種の効果は疑わしいとして、保護者は各自調査するべきとの見解を示した。予防接種を受けさせなければ保育助成金を止めるなど、多くの保護者から「政府は保護者を脅かしている」との声を聞いたという。
ターンブル首相は5日、「予防接種を受けさせなければ、自分の子どもだけでなく他人の子どもも危険にさらすことになる」と述べ、接種の必要性を訴えた。ハント連邦保健相も、「過去数十年の研究や証拠から、予防接種が命を救うのは明らかだ」と話した。“予防接種なしは助成金なし”の政策によって、昨年新たに子ども20万人が接種を受けたという。
オーストラリア医師会(AMA)元会長のブライアン・オウラー氏も、予防接種はこれまでで最も有効な公衆保健対策だとして、「国内の政治家が子どもを危険にさらすとは恥ずべきだ」とハンソン氏を批判した。