【キャンベラ9日AAP】 オーストラリア社会サービス委員会(ACOSS)は、連邦政府が社会福祉関連の歳出を削減する方針を打ち出していることについて、貧困層の世帯で家賃や食費、交通費や衣服費をまかなうことがさらに難しくなり、就職も困難になると懸念を示した。
ACOSSは、母子または父子世帯の約40パーセントで子供たちが貧困線を下回る状況にあると指摘。国立社会保障権利ネットワークのバット氏は、生活保護費の受給者には、すでに基本的な支払いや住宅補助をまともに受けられない人が増加しつつあるとして、「多くの人にとっては取るに足りない額でも、貧困層にとってはそうではない」と述べた。
ACOSSによると、子どもが二人いる母子または父子世帯では、ファミリー税の改正で1週間に約20ドルの削減となるほか、一番下の子どもが17歳になる母子または父子世帯では1週間に65ドルの減額となる。さらに、失業中の若者が収入補助手当を受給するのに1カ月かかるほか、25歳以下では手当の受給対象から外れる上、より少額の若者手当が支給されることになるという。