【シドニー19日AAP】 連邦警察は19日、オーストラリア国税局(ATO)から1億6500万ドルをだまし取った疑いで逮捕されていた、アダム・クランストン容疑者の保釈を認めた。保釈金は30万ドル。同容疑者はATO幹部の息子で、これまでに逮捕者は10人に上っている。
クランストン容疑者は、企業の給与支払いを代行する会社「プルートス」を設立し、給与税分を着服していたとみられる。調査当局は、詐欺行為を犯した人数と、だまし取られた金額の大きさからみて、オーストラリア国内では歴史的にみても最大級の企業犯罪として、捜査を進めている。
クランストン容疑者は、ATOのマイケル・クランストン副局長の息子で、同副局長も自身の幹部としての職権を乱用した疑いで、裁判所への出廷を求められている。6月13日に初公判が行われ、有罪と認められた場合は最長で5年の禁固刑となる見込みだ。