【シドニー30日AAP】 NSW州は、住宅用保険に含まれる火災・緊急サービス費を、7月から住宅所有者がカウンシルに支払う地方税に含んで共同負担する方向で進めていたが、これを撤回すると発表した。
ベレジクリアン州首相は30日、「中小企業への影響が財務モデルに沿っていないと明らかになった」と撤回について説明。「撤回は恥ずべきでない決断」と述べた。政策全体を保留とし、州政府は撤回を議会通過させる必要がある。
州野党労働党のライアン・パーク氏は、「9月の地方選挙を控え、州政府は地方税納付者の憤りを懸念している」との見方を示した。また、NSW州政府が同様に撤回したドッグレース禁止法に例え、「無秩序で不公平な法案だ」とコメントした。
オーストラリア保険委員会(ICA)は、政策撤回の発表前に保険会社らとの相談はなかったとして、驚きと失望を示した。保険会社は従来通り火災・緊急サービス費を保険加入者から徴収することになり、これに伴う追加費用は保険加入者の全額負担にせざるを得ないという。