【シドニー3日AAP】 国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が、オーストラリアはQLD州グレートバリアリーフのサンゴ礁の救済を、もっと早く進める必要があると警鐘を鳴らしている。ユネスコは、連邦政府とQLD州が2015年に提示した2050年までの改善目標について、現行のままでは達成されないと懸念。バリアリーフは今後、ユネスコの「危機にさらされている遺産リスト」に登録される可能性がある。
報告によると、2016年には海中の浅い部分に生息するサンゴ礁の29%が死滅したことが分かっており、前年比7ポイント上昇となった。世界野生生物基金(WWF)オーストラリアのレック会長は、「オーストラリアは2年前、ユネスコからサンゴ礁の状況を改善させるための猶予期間を与えられたが、有効に使われていない」と批判した。
ユネスコが3日に発表した報告書では、救済プランの策定については評価する一方、「水質改善への取り組みに時間がかかっており、当面の目標も期限までに達成されない」と指摘。長期目標を達成するには、水質改善への取り組みが現状のままでは不十分で、改善のスピードをもっと早める必要があるとしている。