【シドニー23日AAP】 オーストラリアでは漁業や農業、性産業を中心に、奴隷労働を余儀なくされている人たちが4000人以上いるとして、鉄鉱大手フォーテスキュー・メタルズ・グループのアンドリュー・フォレスト会長が、早急にこれを改善するよう、連邦議会の質問会で要請したことが分かった。
報告書「グローバル・スレーバリー・インデックス2016」によると、世界で約4580万人が奴隷労働を強いられており、オーストラリア企業もまた、インド洋・西太平洋地域を中心とするサプライチェーンを通じ、間接的に奴隷労働に加担しているケースが少なくないという。
英国では先ごろ、大手企業に対し、奴隷労働対策についての年間報告書の提出を求める法律を導入。フォレスト氏はオーストラリアでも同様の法律を導入し、独立した委員会を設置すべきとの考えを示す一方、違反に対して重い罰則を科すのは逆効果だとして、あくまでも自主的に「正しいこと」をするよう奨励していくべきとの考えを示した。
フォーテスキューは、奴隷労働に反対する活動を行う「ウォークフリー基金」を設立しており、先月、対策資金としてオーストラリアにおける人道支援としては最大となる4億ドルを寄付した。