【ACT28日】 南極大陸でこのほど、鳥インフルエンザが初めて確認され、次なるパンデミック(世界的大流行)の原因になる可能性があると、科学者が懸念を示している。オーストラリアでは鳥インフルエンザはほとんど発生していないが、過去2年で北米やヨーロッパで猛威をふるっている。
スペイン南極基地を拠点に調査を行っていた、スペイン科学研究高等協議会の科学者たちは、死んだ2羽の海鳥が高病原性鳥インフルエンザに感染していたことを確認した。
シドニー大学獣医学部のウォード教授は、新型コロナウイルスが登場する前は誰もが鳥インフルエンザが次のパンデミックになると考えていたとし、「依然としてパンデミックを引き起こす可能性のあるウイルスの一つだ」と話した。
さらに、ウイルスが南極大陸に到達したことについて、「驚くほどのことではないかもしれないが、あまりに辺境の地で驚いている」と述べ、南極に到達したのなら、到達できない場所はないとの見解を示した。
ウォード教授はまた、ウイルスがオーストラリアに上陸すれば、鶏肉や卵の市場に多大な影響を与えると指摘。過去の例では、影響は養鶏農家や選別業者、食肉処理業者など関係者のみに限定されたが、人への感染が繰り返されると鶏肉を介さずに人へ感染するようになり、これがパンデミックを引き起こすとして、「それが本当の悪夢だ」と話した。
鳥インフルエンザが南極大陸へ到達した原因について、ウォード教授は有力な証拠はないとした上で、野鳥の生息地の変化、移動パターンの返還、気候変動の結果などが考えられると説明した。
ソース:news.com.au-Australia warned of pandemic risk as bird flu detected in Antarctica for first time