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オリンピック選手を夢見る子どもは多い? 最新調査から

【ACT27日】   オーストラリア人は世界の舞台で高い成果を発揮することで知られているが、最新調査によると、それは間も無く終わりを迎えるかもしれない。豪国内のキッズの3人に1人はオリンピック選手になることを夢見ているが、限られた資源やアクセスしかないため、メダルを獲得できる40種のスポーツのうち、2種しか定期的にプレーしていないことが、調査で明らかになった。

調査結果によると、小学生の20%がオリンピック・スポーツに参加していないことが判明しており、回答者のほぼ半数が、費用が要因だと答えている。

スポーツ用品メーカーのデカスロン社が国内で1,001人の親を対象に行った調査では、5歳から12歳までが最もプレーしているスポーツはほぼ予想通りで、水域スポーツ(37.2%)、フットボール/サッカー(30.4%)、バスケットボール(15.5%)、陸上競技(15%)だった。一方で、同年齢層で最も行われていないスポーツは、アーチェリー(2.8%)、ゴルフ(2.4%)、スケートボード(3%)、サーフィン(2.4%)となっている。

また、5人に1人の親が、道具が手に入らないので新しいスポーツができないと回答しており、85.3%以上の親が、新しいスポーツももっと身近にプレーすることができれば、子どもは興味を持つだろうと答えている。

シドニー・シティ・サイコロジーのスポーツ心理学者であるアラン・ヘリー氏は、この結果は、国内で未発掘の才能を持つ世代がいることを示唆していると述べ「若い世代の子どもたちがもっと多様なスポーツに挑戦し、定期的にプレーするようになれば、オーストラリアはもっと表彰台に上がる機会が増えるはず。エリートアスリートの平均年齢が26歳である今、小学生の子どもたちとの取り組みを始めれば、将来の大会やその先に大きな可能性がある」と述べている。

一方で、シドニー大学の専門家であるスティーブ・ジョーガキス氏は、参加と選手の発掘には相関関係があるものの、「数と成功はイコールではない」とも語っている。同氏は、大会でのパフォーマンスには、資金調達も同じくらい、あるいはそれ以上に重要要素となっており、メダルを獲得できる場所に重点を置いているという。「水泳のようなスポーツは、オーストラリアの参加率が高いが、水泳選手には世界最高のスポーツ医学と最高のサポートが提供される、非常に専門化されたシステムがある」とし、特定の競技での成功がプログラムへの継続的な資金提供につながると述べ、国内では参加者が少ないにもかかわらず、伝統的にセーリングやボート競技で好成績を収めてきた、と説明した。

同氏は「競技人口が増えればそれだけ選手を発掘するチャンスは増えるが、商業化された現代では、人口よりも資金が関係している。そうでなければ、中国やインドのような人口が多い国がメダルを全て獲得することになる」とし、人口900万人以下のデンマーク、ジャマイカ、スイス、フィンランドなども歴史的に好成績を残していると指摘した。同氏は、オーストラリアはパリ・オリンピックでメダル獲得数ではトップ5入りを果たすと予想しているが、その多くは水泳からだとしている。

 

ソース: news.com.au – Research shows truth of Australia’s Olympic sport participation

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