【ACT23日】 オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)の調査から、スーパーマーケット大手のウールワースとコールズは割引セール前に一時的に小売価格を引き上げていたとわかった。連邦政府はこれを受けて、食料品店に関する規制を設けると発表した。
ACCCによると、スーパーマーケット大手2社は割引セール前に、一時的に少なくとも15パーセント小売価格を釣り上げていたとされる。ウールワースは20か月の値下げ期間中266商品で、コールズも15カ月中245商品で行った疑い。
アルバニージー連邦首相は23日、「家庭は毎週の買い物時、セール品を求めている。家計は厳しい」「ACCCの報告が真実なら、許しがたい」と話した。
食料品店に関する新たな規制は、サプライヤーもスーパーマーケットの報復から保護する。また、内部告発など密告者の身元が明らかにされないよう保護を強化する。新たな規制にコストコやアマゾンも含まれるか聞かれ、アルバニージー首相は否定は避けて今後討議されるとした。
ACCCは消費者からの通報を受けて、ソーシャルメディア上で小売価格を追跡後、徹底調査した。ACCCはウールワースとコールズに対し、罰金と調査・裁判費用、裁判所命令を求める意向を示す。さらに、各スーパーマーケットに慈善機関向けに食糧品を提供するよう義務付ける考えだ。
ACCCによると、ウールワースの価格の上げ下げはアーノッツ社のビスケット「ティム・タム」、パスタソース「ドルミノ」、サルサ「ドリトス」、電池「エナジャイザー」、キャットフード「フリスキーズ」、ケロッグ社のシリアル、バター「プレジデント」、マウスウォッシュ「リステリン」、コーヒーカプセル「モコナ」、エナジードリンク「マザー」、インスタント麺「ミスター・チェン」、禁煙パッチ「ニコレット」、スモークサーモン「オーシャンブルー」、クッキー「オレオ」、台所洗剤「パルモリブ」、殺虫スプレー「レイド」、清涼飲料水「スプライト」、生理用ナプキン「ステイフリー」、スナック菓子「ツイスティーズ」、アンクル・トビー社のミューズリーバー、喉用「ヴィックス・ヴェポラップ」で行われた。ウールワースは少なくとも2021年1月1日から2022年11月27日にかけて、クッキー「オレオ」のファミリーパック370グラム入りを定価3ドル50セントで販売後、22日間5ドルに引き上げた。12月20日から価格引き下げで4ドル50セントで販売したが、元の値段より29パーセント高い。
コールズも同様に多数商品で価格を変動させた。2021年1月から2022年10月まで喉用の飴「ストレプシルズ」16個入りを5ドル50セントで販売後、7ドルに引き上げた。その後、価格引き下げ宣言で6ドルで販売されたという。
ACCCのジーナ・キャス・ゴットリーブ会長は「スーパーマーケット2社は消費者の判断を誤らせ、国内の消費者法に違反した」「生活コスト高騰で消費者の多くが割引商品に頼るなか、価格引き下げを前もって計画し、一時的に故意に値上げした」と批判した。
コールズはオーストラリア商品取引所(ASX)への声明で、「価格引き上げは、インフレによるサプライヤーおよび自社内のコスト高騰によるもの」「家庭への生活コスト高騰の影響を理解している」と発表した。ウールワースは「ACCCの申し立てを入念に見直し、連携を続ける」と発表した。23日午前の取引で、両社の株価はおよそ3.5パーセント下落した。
国内の消費者法は2022年、違反1つに付き罰金5,000ドルまたは得られた利益の3倍のいずれか高額な方に引き上げられた。
ソース:news.com.au – Anthony Albanese hits out as ACCC takes Coles and Woolies to court over alleged dodgy sale prices