【ACT3日】 オーストラリア国立大学(ANU)は2億ドルの赤字を計上し、人員削減や教職員の給与カットなどを余儀なくされていることが分かった。また、医療・薬学部が閉鎖する見通しだ。
ジュヌヴィエーヴ・ベル副学長は、実質的な財政難に直面していることを認めており、学生数を増やしても解決できないところまで達しており、構造的な改革がなければ財政的に持続可能でないとの見方を示した。
大学によると2019年以降、ANUは支出が増加している一方、収支が追い付いていない。大学は20年から23年にかけて4億ドル以上の営業赤字を計上し、今年も2億ドルの赤字が見込まれている。
国立高等教育労働組合は、今回発表された人員削減計画は「職員への痛烈な一撃」と批判した。さらにANUのピントス・ロペス支部長は、ANUが23年7月に世界最先端の翻訳医療研究所を建設するため1,657万ドルで土地を購入したことは、今回の発表と矛盾していると指摘している。翻訳医療は基礎研究の成果を直ちに臨床医療に繋げる研究手法。
同組合はさらに、ここ数か月の間にキャンパス内の託児所が閉鎖したことや、学生デモ隊と警察が衝突したこと、就職採用委員会の設置、職員と学生の駐車料金の倍以上の値上げなどに直面し、職員はやる気をなくしていると訴えた。
また、組合のクローシーACT書記長は、「人々の生活に大きな影響を与えることが相談もなく決定され、理事会から宣言されたことにうんざりしている」と述べた。また、連邦政府のクレア教育相に対し、留学生の上限設定など政策変更による資金不足に陥っており、早急に補完計画を導入するよう求めると述べた。
ソース:news.com.au-‘Changes we have to make’: ANU forced into major restructure by $200m deficit