【WA10日】 WA州政府は今週、年齢差別をなくすための取り組みとして、「チャレンジ・ユア・バイアス(Challenge Your Bias)」キャンペーンを開始した。40万ドルを投じておこなう同キャンペーンでは、団塊の世代を示す「ブーマー(Boomer)」や、1980年代~90年代生まれの世代を示す「ミレニアル(Millennial)」といった言葉の使用をやめるよう呼びかけている。
WA州政府はキャンペーンの一環として、使用を控える言葉遣いについての冊子、「Embracing age diversity(年齢の多様性を受け入れる)」を発行。ブーマーやミレニアルのほか、ジェネレーションXなどの世代を分ける用語は年齢グループ間の対立を生み、不必要な緊張を生み出す可能性があり役に立たないと指摘している。
さらに使用を控えたほうがいい言い回しとして、「You can’t teach an old dog new tricks(年老いた犬に新たな技を教えることはできない):高齢者は新しいことを学べない」や、「over the hill(最盛期を過ぎた):とうが立っている」、「50 is the new 30(今の50歳は昔の30歳):まだ高齢者ではない」といった決まり文句なども冊子に掲載されている。
WA州のクック首相は、自分が「ブーマー世代」に属していないため、それがどれほど不快な言葉か実感としては分からないが、明らかに自分より少し年上の人を指す言葉であることは分かると述べた。また、キャンペーンを通じて伝えたいことは、「職場で人々に対し敏感で思いやりを持ち、互いに気を配りあうことが大切ということだ」と述べた。
WA州政府もまたキャンペーンの目的について、年齢で判断されることが人々の心身に影響を与え、社会的孤立や孤独を引き起こし、経済的不安や生活の質の低下や高齢者虐待につながるということを伝えると説明している。
同州のパンチ高齢者・高齢化担当相は、WA州では2071年までに人口の4分の1を高齢者が占めることになるとし、メディアや組織、日常生活において、高齢化や高齢者がどのように表現されているかを考え直し、代案を検討していきたいと話した。
ソース:news.com.au-Australians urged to avoid using the word ‘Boomer’ as part of push to address ageism