【VIC31日】 VIC州メルボルンの98歳の女性、ロレタ・マリア・デル・ロッシさんが今年5月、毒キノコを誤って食べて死亡した事故で、VIC州検視官のジョン・ケイン判事は30日、毒キノコに含まれる致死性化合物アマトキシンにより多臓器不全に陥ったことが直接の死亡原因とする初見を発表した。
ロッシさんは生前、自分でタンポポやマリアアザミのような野生生物を栽培し食べていたことが分かっている。今年4月、前庭にキノコが生えているのを見つけ調理したが、この時は何事もなかったという。その後、5月にもキノコを発見し調理したところ、ロッシさんとロッシさんの息子が中毒症状で重篤な状況に陥ったとみられている。息子は一命をとりとめたがロッシさんの病状は悪化し、一週間後に死亡した。
VIC州では、秋の長雨の気候により、「デスキャップ(Deathcap)」と呼ばれる毒キノコが生育するのに理想的な環境が作られる。これらの毒キノコに含まれるアマトキシンは少量だけで致死量に達するため、50グラムの摂取で体重70キロの成人が死に至ることもある。
ケイン判事は声明の中で、VIC州保健省がキノコ採集の安全に関する資料を発行したことは賞賛したものの、「さらなる一般市民への啓発が有益」と述べ、事故防止のためにより積極的なアプローチが必要との見解を示した。
VIC州では昨年、女性が毒キノコ入りの食事を友人らに提供し3人を殺害したとして起訴されており、現在も裁判が続いている。
ソース:news.com.au-Warning over deadly mushrooms after 98-year-old woman dies in Victoria