【NT2日】 NT準州で多く発生する感染症のメリオイドーシス(類鼻疽)が、今年も国内全土で広がる可能性があり、専門家は警鐘を鳴らしている。メリオイドーシスは、熱帯地域の土や水に生息するバクテリアによって引き起こされる感染症で、NT準州では昨年には5人の命が奪われており、一昨年には汚染された空気や土壌に接触した後で87人が感染、6人が死亡している。
メンジス・ヘルス・リサーチ学部のバート・カリー医学教授は、メリオイドーシスがより「深刻な問題」になってきているとし、NT準州での雨季が始まったため感染者数は多くなる、と予測している。また、気候変動の影響で「今後国内の様々な場所で発生する可能性がある」と付け加えた。
メリオイドーシスの原因菌は診断が難しいが、最も一般的な感染経路は、雨季に皮膚の切り傷が泥や土に接触することだという。「嵐や悪天候に見舞われると、健康な人でも病気になりやすい。メリオイドーシスの最も重篤な形態である敗血症になる可能性もある」と同氏は説明した。
先月、ダーウィンで第10回世界メリオイドーシス会議が開催され、同感染症の専門家たちが集まった。同会議では、最も感染しやすい人のためのワクチンが数年後に開発される可能性があることが発表されている。しかし、この致命的な病気は広がりつつあり、ノーザン・アリゾナ大学のワグナー教授によれば、この病気は最近初めてアメリカのミシシッピ州で発見され、研究者たちは国内の他の地域でもこの病気を調査しているという。
2021年には、ケアンズの労働者数人がこの病気にかかり、今年もサイクロン・ジャスパーによる大雨と洪水で患者が急増し、細菌性疾患で死亡者も出ている。2023年にはQLD州で72件のメリオイドーシスが報告されており、治療症例の最大20%が死亡している。同感染症の症状には、発熱、咳、呼吸困難などが挙げられる。
ソース:news.com.au – Infectious disease melioidosis could spread across Australia