【NSW7日】 シドニーのクージー・ビーチで先月発見された正体不明の黒い玉、「タールボール」について、調査を行っているNSW州立大学の科学者チームが「人間由来の廃棄物」に限りなく近く、当初考えられていたような石油流出だけに起因するものではないとの見解を示したことが分かった。
NSW州立大学化学部のベベス准教授によると、黒くベタベタとしたタールボールから、食用油、石鹸カス、糞便、PFAS化学物質、ステロイド化合物、降圧剤、殺虫剤、動物用医薬品など、何百種類もの成分が検出されたという。
また、ボールの成分の約70%が現代炭素、30%が化石炭素であることが炭素年代測定で明らかになった。現代炭素には植物や動物に由来する炭素が含まれる。また、元素分析とX線分析の結果、ボールには「有意な」レベルのカルシウムが含まれる一方、金属濃度は低かったという。
ベベス准教授は、ボールに脂肪、油、高濃度のカルシウムが含まれていることから、下水道でよくみられるファットバーグ(fatberg)に関連がありそうだと指摘。ファットバーグは油脂や食品などの残りカス、可溶性トイレットペーパーなどが下水道の管や流路で巨大な塊となったもので、大小発見されている。
ボールについての最終的な調査結果は数週間以内に発表される予定だが、水道局シドニー・ウォーターはボンダイやマラバルなどの水資源再生施設の運営やメンテナンスには問題がないことを確認している。
ソース:news.com.au-Cooking oil, faeces, soap scum and vet drugs: Scientists reveal gross truth behind mysterious Sydney ‘tar balls’